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【アマノ文筆クラブ】今の祭り|エッセイ



「また、始まったな」と思う。
SNSがざわめき、誰かが炎上し、誰かが持ち上げられ、
そのたびに「困り顔」のスタンプが流行る。
まるで年中、どこかで祭囃子が鳴っているみたいだ。

祭りといっても、祝うべきことより、
誰かが“起訴されました”とニュースで流れた時の、
あの妙な高揚感に似ている。
正義を語る仮面をつけながら、
人は少しだけざわつきたいのかもしれない。

でも私は、どうもその熱気が苦手だ。
画面を閉じて、湯気の立つお茶を一口。
静けさに沈んでいく時間のほうが、自分の呼吸に合っている。

祖母の遺した本の中に、
「仏道修行とは、人の騒ぎに心を動かされぬこと」
と書いてあった。
子どもの頃は意味がわからなかったけれど、
今は少しだけ、腑に落ちる。

外の世界がいくら賑やかでも、
内側まで持ち込む必要はないのだ。
今の祭り”の音が遠くに聞こえれば聞こえるほど、
心は逆に静かになっていく。

困り顔のスタンプも、
怒りの渦も、
ミームの嵐も、
一歩下がれば風のように通り過ぎていく。

その風の中で、私は今日も、
そっと自分の呼吸に戻る。


炎上中って今の祭り真っ只中


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