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【3つのお題に空想のひらめきを第49回】星くず市場.青い鍵.小さなドラゴン|ショートショート


タイトル:青い鍵は星くず市場で眠る

夜空の裏側には、
星くず市場”がある。

眠れない人や、
夢を途中で落としてしまった人だけが、
たまに迷い込む場所だ。

屋台には、
流れ星の欠片。
昨日の記憶。
未完成の歌。

そんなものが並んでいる。

市場の通路を歩いていると、
小さなドラゴンが後ろをついてきた。

手のひらサイズ。

青い鱗に、
丸い金色の目。

「君、旅人?」

ドラゴンがしゃべる。

私は少し驚きながらうなずく。

「インプット不足の顔してる」

失礼なことを言うドラゴンだった。

「最近、空ばっかり見てない?」

図星だった。

何かを書こうとしても、
うまく言葉が出てこない。

考えてばかりで、
世界をちゃんと見ていなかった気がする。

ドラゴンは屋台の前で止まる。

そこには、
古びた青い鍵が置かれていた。

星明かりを吸い込むみたいに、
静かに光っている。

「それ、“閉じた感性”を開ける鍵」

店主のフクロウが言う。

「ただし、開くには条件がある」

「何ですか?」

フクロウは笑う。

「ちゃんと世界を見ること」

風の匂い。
誰かの声。
コンビニの灯り。
季節の変わり目。

小さな感情や景色を、
置き去りにしないこと。

それが鍵になるのだという。

小さなドラゴンが、
私の肩によじ登る。

「インプットってさ」

ドラゴンはあくびをしながら言う。

「すごいものを見ることじゃないよ」

市場の上では、
星くずがゆっくり流れていた。

「ちゃんと感じること」

私は青い鍵を握る。

少し冷たい。

でも、その温度が、
止まっていた何かを静かに動かし始める気がした。


おしまい


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