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【風まかせ文芸部】半分、過ぎて|エッセイ


タイトル:半分、過ぎて

気が付けば、もう半分過ぎていた。

一年かもしれない。

人生かもしれない。

あるいは今日という一日かもしれない。

若い頃は「そのうち」がたくさんあった。

そのうち旅行しよう。

そのうち会いに行こう。

そのうち挑戦してみよう。

時間は無限に続くような気がしていた。

けれど年齢を重ねるにつれて、「そのうち」は思っているほど長く待ってくれないことを知る。

だからといって焦っているわけではない。

むしろ以前より穏やかになった気がする。

失ったものもある。

手放したものもある。

思い通りにならなかったこともある。

それでも残ったものがある。

好きな景色。

好きな人たち。

好きな場所。

そして、自分らしさ。

それらは若い頃よりも少し輪郭がはっきりしている。

人生が半分を過ぎたのかどうかは分からない。

一年が半分を過ぎたことは確かだ。

けれど最近は思う。

大切なのは残り時間の長さではなく、その時間をどんな気持ちで過ごすかなのだと。

遠回りした日もある。

立ち止まった日もある。

雨宿りをしていた日もある。

でも、それも私の時間だった。

だから後悔ばかり数えるのはやめようと思う。

半分過ぎたから終わりではない。

半分過ぎたからこそ見える景色もある。

夕暮れが美しいのは、昼が終わりに近づいているからだ。

今日もまた、一日が少しずつ過ぎていく。

その流れに逆らわず、

できるなら穏やかに。

できるなら笑顔で。

残りのページをめくっていきたいと思う。



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