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【風まかせ文芸部】本屋|エッセイ


タイトル:本屋という時間の迷子

本屋に入ると、時間がたつのが早い。

ほんの少しのつもりで立ち寄ったのに、
気づくと時計がずいぶん進んでいる。
まるで本屋だけ、時間の流れが少し違うみたいだ。

私は決まった棚だけを見るタイプではない。
色んなジャンルを見てまわるのが好きだ。

小説の棚から、ふらりとエッセイへ。
その隣の歴史や哲学の棚をのぞき、
気づけば旅行本の前に立っている。

まるで散歩みたいに、
本のあいだを歩く。

本屋は、待ち合わせにもよく使う。
少し早く着いても退屈しないからだ。

むしろ、待つ時間のほうが楽しい。
知らないタイトルに出会ったり、
気になる表紙に足を止めたり。

電子書籍は便利だと思う。
持ち運びも簡単だし、すぐに読める。

それでも、私は紙の本が好きだ。

ページをめくる音。
紙の匂い。
棚に並ぶ背表紙の景色。

本屋に立つと、
まだ読んでいない世界が、
静かに並んでいるのが分かる。

その前を歩いているだけで、
なんだか少し、豊かな時間を過ごしている気がする。



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