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【3つのお題に空想のひらめきを第51回】月のブランコ.雨上がりのドラゴン.七色の扉|ショートショート


タイトル:三日月湖と七色の扉

雨が上がった日のことだった。

森の奥にある三日月湖へ向かうと、湖面の上を一頭のドラゴンが歩いていた。

鱗には雨粒が残り、その一つひとつが朝日を受けて宝石のように輝いている。

私は息を呑んだ。

雨上がりのドラゴンだ」

そう呟くと、ドラゴンはゆっくり振り返った。

金色の瞳が細くなる。

すると湖の中央に、小さな虹が現れた。

虹は橋にならず、一枚の扉になった。

七色の扉

昔話でしか聞いたことのない伝説の入り口だった。

ドラゴンは翼を広げると、扉の向こうを見つめた。

まるで「行くのか?」と尋ねているようだった。

私は頷いた。

扉をくぐると、空には月が近かった。

手を伸ばせば届きそうなほど近く。

そして、その月から一本のブランコが垂れていた。

銀色の鎖。

星屑の座面。

月のブランコだった。

私は恐る恐る腰掛ける。

するとブランコはゆっくり揺れ始めた。

前へ。

後ろへ。

前へ。

後ろへ。

揺れるたびに景色が変わる。

春の花畑。

夏の海。

秋の森。

冬の雪原。

世界中の美しい景色が、まるで夢のページをめくるように流れていく。

ふと隣を見ると、雨上がりのドラゴンも空中で揺られていた。

大きな体に似合わず、少し楽しそうだった。

思わず笑う。

するとドラゴンも喉を鳴らした。

それは笑い声だったのかもしれない。

やがて月が西へ傾く。

帰る時間だ。

七色の扉が再び現れた。

私は最後に振り返る。

ドラゴンは翼を広げ、朝焼けの空へ飛び立っていった。

鱗からこぼれた雨粒が光となり、空いっぱいの虹を描く。

その虹は今でも、とても幸せな夢を見た朝だけ見えるという。


おしまい


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