見出し画像

「おしながき苦手マン」を助けたい

こんにちは。デザイナーです。
ゴールデンウィークですね。
みなさんは大型連休をどのようにお過ごしですか?


そうですよね。
スパコミに出るんですよね!

スパコミ SUPER COMIC CITY の略。
オールジャンル 大型同人誌即売会。
毎年エグい数のオタクが参加することでおなじみ。
今年は5/3・4開催。

https://www.akaboo.jp/event/item/20199626.html


新刊・新作を出されるみなさまにおかれましては、進捗いかがでしょうか。
このnoteを読んでいるということは、もう脱稿していることでしょう。おめでとうございます。お疲れ様でした!
脱稿してないならブラウザバックしてください。原稿に戻れ。👊



🥇脱稿したあなたへ


スパコミを心置きなく満喫するためにも、仕事や学業を納めて、荷造りも万全にしていきたいですよね。休み前はとにかく忙しいからね。

そんな中で、サークル参加をするための準備も進められてて本当に偉い!

ところでこのnoteを開いたということは、あなた、「おしながき苦手マン」ですよね?
おしながきの進捗どうですか?


🥈おしながき苦手マン

今回記事で扱う「おしながき」とは、ちょっとした和食屋さんに行った時にあるメニュー表のことではなく、同人界隈における「おしながき」を差します。
pixiv百科事典にある説明を定義として載せておきます。

同人誌即売会で販売・配布する予定の同人誌やグッズの一覧を、価格などの情報とともに画像入りでまとめたもの。投稿者が参加する予定のイベント前に投稿される。

買い手はそれを見ればどんなものがいくらで売られる予定なのかを知ることができ、売り手はお品書きを事前に公開することで広告としても利用できる。

pixiv百科事典「お品書き」“pixivにおける「お品書き」”


「おしながき」が苦手な4つの理由

急に自分語りで恐縮ですが、わたしは「おしながき大好きマン」です。

新刊の表紙デザインを終わらせて、脱稿したらすぐに作り始めちゃいます。
なんならイベントに出るための作業の中で表紙デザインと並んで一番好き。
理由はリフレッシュできるからです。デザインの息抜きに遊びでやるデザインが一番面白いんですわ。原稿の息抜きに落書きするのと一緒ですね。

一方で、「おしながき」に対して、苦手 苦痛 嫌い というネガティブなワード、そこまでいかないけれど、難しい 大変 といった、苦労や忌避のニュアンスを付して語られていることが多い作業であることも認識しています。

おしながき苦手マンの悩み

このnoteを書くにあたり、Xで「おしながき」について検索してみました。
もちろんわたしみたいなおしながき大好きマンも一定数いましたが、論点がブレるのでおしながき苦手マンのお悩みだけをめちゃくちゃざっくりまとめてみました。みんな苦手なことも取り組めて本当にえらい。
ほんとにいろいろな表現のご意見を読ませてもらったのですが、個別のご意見を勝手に解釈して4つに分類してみました。

おしながき苦手マンの悩み(Xで検索して出てきたポストをまとめた)

どこから手をつけたらいいかわからない
考えること多すぎて疲れる。時間かかる
デザインが苦手
・デザインは好きなんだけどなんか「コレじゃない」んだよね……

おしながき苦手マンのみなさんのポストを見ていると、以上4パターンのいずれか、もしくは複数の理由が合わさっているらしいことがわかりました。

さらに〈何に苦手意識を感じているのか〉に焦点を当ててみると、お品書き苦手マンが共通して抱えている困りごとが浮き彫りになってきました。


4つの理由を2つにしてみた。

まずはどう分けたかをご覧ください。

緑で色つけしたのが「何を/どう 伝えたらよいか」で困っているグループ
紫で色つけしたのが「やりたいことを表現できていない」から出来栄えに納得がいかないグループです。

🥉「おしながき」あるある

「おしながき」は 何を伝えたいか が大事
〜何を/どう 伝えたらよいか〜

まずは緑のグループから解説していきます。

・「お品書きって何を書けばいいの?」
・「とりあえずみんなの真似してみたけどこれでいいのか……?」

何をどうしたらよいか戸惑っているひと

・「お品書きに必要な情報は大体入れたはずだけど、なんか変……直そ……」
・「悩みすぎて2時間たった……(諦め)」

作れるけどめちゃくちゃ時間がかかってしまうひと

このふたつは全然違うように見えて、同じベクトルの悩みを抱えています。

何をどうしたらよいか戸惑っているひと
情報の「精査」が苦手

作れるけど時間がかかってしまうひと
情報の「表現」が苦手

このグループは「自分の頭の中にある情報」を発信することに課題を感じている傾向にあります。

ここまで読んでくれた方に悲観してほしくないので、
少し本筋から逸れますが
脳内の情報を出力するのは
訓練していない・慣れていない人にとってはすごく難しいことだぞ
というお話をさせてください。

ネットで情報を得る・あるいは個人が発信することが当たり前の時代となって、わたしたちは非常に多くの表現者に出会ってきました。
スマートフォンが急速に普及したとされる2010年以前と比べると、作品や論評を発表する間口は非常に広がりました。noteやYouTube、ニコニコ動画、X、Instagram、他イラスト系SNSなど、そう言ったところで才能が見つかって今や世界を虜にしているアーティストやコンテンツは、枚挙にいとまがありません。

一方で作品を享受する層も広く、厚くなったと言えるでしょう。
特にわたしたち創作界隈の人間は、コンテンツを発信する立場でありながら他者の作品も享受する立場でもあります。

コンテンツ発信側の中には歴戦のプロもいれば初めて作品を形にしたアマチュアもいて、しかしコンテンツを消費する側は、顔の見えない彼らのことを等しく「創作者/何か作るのが好きな人」ととらえます。

要するにもともとはレベル差である程度の階級分けみたいなものが行われていたのに、インターネットがそれをぶっ壊したわけです。

わたしたち創作界隈の人間はこの状況に慣れすぎていますが、冷静に考えてみると草野球エンジョイ勢が大谷翔平と同じ目線で評価されてるようなものなんじゃないかなって思います。


「おしながき」の話に戻ります。
特に同人創作界隈は(極端な例を除けば)変な話プロもアマもなく、シンプルに作品が良いかどうかで判断されます。

作品はアートとして、個性や作風・配色・構図の好み……と、多様な評価軸がありますが、「おしながき」の目的は人に情報を伝えることです。
他人に何かを伝えるための機能を求められているのであれば、「おしながき」はアートではなくデザインの領域にあるものといえます。

「作品」と「おしながき」では考えること・使う知識やスキルが異なる。



「おしながき」に直面したみなさんの頭の中には
●新刊、既刊についての情報
●参加するイベントについての情報
が無数に存在しています。

この中からお品書きに必要な情報を選んで言葉にしよう!

上は「おしながき」に
新刊1冊/既刊2冊 を確定で載せたいひとが頭の中に持っている情報を列挙したものです。実際の脳は画像のように整頓されていません。もっとぐちゃぐちゃの状態から、

・イベント名
・日付
・スペースNo
・新刊があること
・ページ数
・判型
・年齢制限をかけるものか
・数限の有無
・値段
・あらすじ(を超簡単にしたもの)

新刊と既刊 合計3冊分の情報を拾い出して、
限られたスペースにどうやって詰め込んでいけばよいかを考えて、さらに参加イベントの情報も入れ込んで、かつ可能なら自分の満足いく見た目にしたい。

これを日常生活を送る+イベント準備を進めている中で作るわけですから、脳のキャパえらいことになります。そりゃ難しいって。

この状態で「おしながき」を作っている。人類偉すぎる

だから「おしながき」を正しく出力できるのは実はめちゃくちゃすごいのです。

「おしながき」あるある
1 バラすと単純

「おしながき」は意外に難しいという理屈がわかっていただけたでしょうか?
それでは本論に戻ります。

こうした中で、イチからお品書きを作るためには
まずは入れ込むべき情報を書き出すところから始めると良いです。
5W2Hを意識してみてください。

・when……いつ
・where……どこで
・who……だれが
・what……何を
・why……なぜ
・how……どのように
・how mach……いくらで

情報を過不足無く伝えるための考え方。

なぜ5W2Hをおすすめしたいかというと、「おしながき」はこの構成にきれいにはまるからです。
なんとなく見ていた「おしながき」も、よく見ると概ねこの順番で書かれていることが多いです。

例えばこのレイアウト
5W2Hで分けてみるとこうなります。(whyいないけど)

見える化されたら急に簡単に見えてきませんか?
これに則って、自分の中で情報を整理していきましょう。
特におすすめしたいのはテキスト入力じゃなくて、手書きすること。その辺の付箋やメモでもいいので、手で書いた方が頭にすんなり入ってくる気がします。

字が汚くてもメモなんて自分が読めればいいから気にしないでください。

メモを元に文字内容を整理して、
なんとなく順番で書いていけばそれっぽくなります。

例えばさっきのレイアウト

こちらに情報を流し込むとこんな感じです。
すべて新刊を目立たせたい!の意図で作っています。



シンプルなレイアウトですが、結構印象が変わりますよね。
慣れてきたり、自分の中で気づきを得たらアレンジしてもいいですね!




皆さんがいいたいこと、わかりますよ。

それができたら苦労しないんだよ! ですよね。


ここからは、
そもそも時間がない。
自分で文字のバランスを決めたりするのは大変。
たった一日のイベントのためにこの作業やるのしんどいんやけど……??

という思いを抱えておられる方向けに
解決策をご提案させていただきます!

各タイプの解決策【実際に作ってみた】

まずは「作り出せないタイプ」から。


提案●内容のバランスが決められているテンプレートを使う

世の中には「おしながき」をかわいく簡単に作ることのできるテンプレートが数多く配布・販売されています。

が、このタイプはただかわいい台紙だけあっても、何が必要な情報なのか、自分で取捨選択していくのが、苦手なので根本の解決にはなりにくいです。

なので、選ぶならできる限りシンプルでオーソドックスなレイアウトのテンプレートが◎
→さらに言うとしたら、どこに何を入れるかを導いてくれるもの
がより使いやすいし早く作れると思います。ストレス減!

おすすめしたいテンプレートの例。
大体の文字のサイズ、どこに何を入れるかが
決められているのでこのまま当てはめれば情報がまとまる。
使用例


●メリット
 ・シンプルなものは種類が豊富なので好きに選べる
 ・何をどこに入れたら良いか決まっているため、情報の整理を自分で考える必要がないから楽ちん。

(追記)
BOOTHから上のテンプレートを販売してます。
⚫︎おしながき苦手マンが助かるテンプレ-シンプル1 | rinne-design https://rinne-design.booth.pm/items/6863924
⚫︎おしながき苦手マンが助かるテンプレ-シンプル2 | rinne-design https://rinne-design.booth.pm/items/6864008

次はめちゃくちゃ時短したい方向けのご提案。

「時間がかかって嫌になるタイプ」


提案●一般的な「おしながき」を作らない。

情報の整理が苦手なら、情報の整理をしなければ解決します。

「おしながき」の良いところは「何を頒布しているかが一目でわかる」ことですよね。逆に言えば何を頒布しているかがわかれば一覧にしておく必要もありません。「おしながき」を作るのがつらいなら、作らなくてもいいでしょう。

しかし、「おしながき」がないとSNS上で宣伝がしづらい側面もありますし、机の上がなんだかさみしい気もする……。
そこで、

さらに提案●
代わりにポストカード大の値札を作る

値札作りをガチる方が作りやすいかも

 このタイプはたくさんの情報をまとめることが苦手なだけで、ひとつの作品を紹介するだけなら難しくないと思います。

表紙画像とページ数等の情報に値段を記載するだけで、デザインの自由度も高いので、悩みながらも作るのが楽しい!と思える方にはおすすめです。

次に、紫のグループを説明していきたいと思います!


後半へ続く

……と言いたいところですが、思いのほかボリュームが大きくなってしまったのでこれを前編とします。
(追記 アップしました。こちらへどうぞ!)

次回はよりデザイナーの目線に立って「おしながき」を素敵にする工夫やアイデアを紹介していきますので、
各種SNS(Xが更新頻度高めです)をフォローの上、お知らせをお待ち下さい!!
スパコミday1の前日には完成させたい。


Rinne Design WORKS webサイト
X(旧Twitter)


2025.04.28

いいなと思ったら応援しよう!