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内定獲得がゴールになると、就活も研究もしんどくなる〜リケトレ!#3       

こんにちは。理系院生に特化したキャリア教育に取り組んでいる三木尭紘と井本裕顕です。

このnoteでは、「研究を頑張りたいけれど将来のキャリアや就活が不安」という理系院生のためのキャリアトレーニング「リケトレ!」を、連載形式でお届けしています。

さて、前回は連載のイントロとして、キャリアとは何かという話をしました。

今回のテーマは、「就活におけるゴールとは?」です。

就職活動において、成功とは何でしょうか?

ぜひ自分なりの回答をパッと頭に浮かべてから、続きを読んでみてください。

著者2人のプロフィール

<就活への焦り>

夏が近づくと、研究室の空気が少しずつ変わってきます。

M1のインターンに向けた活動が本格化し、研究室内の会話がESや面接の話になっていく。

SNSや就活サイトでは、「早期選考」「インターン」「SPI」「自己分析」の文字が目に飛び込んでくる。

すると、だんだん焦りを感じる学生が出てきます。
「自分だけ内定をもらえなかったらどうしよう」
「出遅れていないだろうか」
「できれば有名企業から内定をもらいたい」
「親が知っている会社に行けたら安心だけど...」

そう思いながら、研究の合間にネットを開いては、「就活 対策」「就活 何しておくべき?」「ES 書き方」「面接 苦手 対策」などと検索して、ちょっとだけ記事を読む。

SPI対策本や四季報を買い、ChatGPTや先輩に話を聞く。
もちろん、情報収集は大事です。何も知らずに就活へ突っ込むよりは、早めに動いた方がいい。

ただ、理系院生には研究があります。M1になり、教授から新しいテーマをもらった人もいるでしょう。就活を頑張りたいけれど、研究も疎かにできない。

気づけば、就活も研究も、どちらも中途半端になりそうで不安になる。そんな感覚を持っている人も、多いのではないでしょうか。

井本からの一言
年度が明けると、新M1は就活モードに入り始めます。しかも、一つ上の学年にはまだ就活をやっている学生がいます。研究室では年中だれかが就活をしている状態だなぁ…と思っている教員も多いのではないでしょうか。研究室がずっとフワフワと落ち着かない雰囲気になってしまうことに、不満や違和感を覚える教員もいるでしょう。

<就職活動の成功とは?>

ここで一度、立ち止まって考えてほしい問いがあります。

就職活動の成功とは、何でしょうか?

次の2つで考えるとしたら、どちらでしょう。
A:内定を獲得すること
B:入社後に活躍すること

授業でこの問いを投げると、学生の皆さんは、何を当たり前なことを…と怪訝な顔をします。

おそらく、多くの人の本音はこうではないでしょうか。

「そりゃあ、入社後に活躍することが本当の意味での成功だと思う。でも、そもそも内定がないと始まらないし。」

たしかに、その通りです。内定がなければ、働くことはできません。入社後の活躍もその先にしかない。なので、内定獲得を目指すこと自体は、まったくおかしなことではありません。

ただ、次に進む前に、もう少しだけ考えてほしいのです。

「内定獲得を目指した就職活動」と、
「入社後の活躍を目指した就職活動」は、
本当に同じになるのでしょうか。

この2つは、似ているようで、実は全く違います。

<今どちらの思考パターンか>

ここで、就活の思考パターンを2つに分けてみます。どちらが「内定獲得」の思考で、どちらが「入社後活躍」の思考と言えそうか、考えてみてください。

パターンA:

もうすぐ夏が来る。周りもインターンに申し込んでいるようだ。

そういえば、M2の先輩が「自己分析しといた方がいい」って言ってたな。どうしよう...。面接苦手だし、対策しないと。話し慣れてないから心配だな。

といった感じで就活を始め・・・
いざ本番になる(インターンや面接が始まる)と、就活対策してきたことを出し切ろう!と意気込む。

内定をもらって社会人になったら、1からがんばろう!

パターンB:

社会に出たら、いい研究者になりたいな(希望する働き方が研究職以外でも構いません)

そのために、日々の研究を頑張ろう。M1になって大変だけど、去年以上に研究成果を出すために、自分らしさや強みを活かしたい。

という意識で研究を続け・・・
就活本番では、自分のらしさや強みを活かした研究経験を話そう!と意気込む。

社会人になってからも、自分の強みを活かして頑張ろう。

いかがでしょうか?

私たちは、パターンAが「内定獲得の思考」、パターンBが「入社後活躍の思考」だと考えています。

では、ここで少し振り返ってみてください。

先ほど、「就活の成功は、入社後に活躍すること」と思った人でも、実際の就活が始まると、「パターンA:内定獲得の思考」になっていないでしょうか。

<どちらの方がコスパがいいか>

ここで誤解してほしくないのは、パターンAが悪いわけではないということです。

内定獲得をまったく考えなくていい、という話ではありません。

しかし、リケトレではパターンBを勧めています。

その理由は、非常にシンプルです。
そちらの方が圧倒的にコスパがいいからです。

理系院生は忙しい生活を送っています。研究もあるし、就活もある。授業や実験や学会準備もある。バイトをしている人だっていると思います。

研究と就活を別々のものと捉え、何とか時間を配分してがんばろうとしても、苦しくなってきてしまいます。

だからこそ、研究をしっかりやって、その中で就活でも必要な力を獲得するという考え方がとても合理的なのです。

研究活動を通して成果を出すための力を育てる。その力を、就活で話せるようにする。さらに、入社後に活かして活躍する。

これは、研究・就活・入社後の活躍を別々に考えるよりも、ずっと無駄がありません。

一石二鳥どころか、一石三鳥です。

<研究の中で強みを育てる>

しかし、こうは思いませんか?

研究で強みを育てて、入社後の活躍に繋げると言われても、イメージが湧かない。

多くの理系学生にとっては、「研究が入社後の活躍に繋がるのって、アカデミアに進む人の話でしょ」という気持ちかもしれません。 

ここで、キャリアのプロとしての知見を共有させてください。

様々な業界で活躍している社会人を調査し、その特徴を洗い出すと、重要な気づきが2つありました。

1つ目は、活躍している社会人は、たとえ研究者だとしても、専門性とは無関係な能力、例えば「主体性」「計画力」「課題発見力」といった要素に秀でていること(こうした能力の詳細は今後の記事で紹介します)。

もう1つは、こうした力が社会人になって突如身につくのではなく、多くの場合、学生時代の研究活動の中ですでに発揮されていること。

つまり、院生時代の研究で発揮すべき強みは、仕事で成果を出すときにも必要になります。

本質的には、仕事も研究も一緒なのです。

だから、面接対策やES対策のために、研究とは別のことにチャレンジし、ガクチカを作る必要はありません。就活直前に研究経験を「面接用」に加工する必要もありません。

研究の中で培った自分の強みを棚卸しし、その強みを日々の研究の中で意識的に使って成長させる事で、研究・就活・入社後の活躍に役立てる事ができるのです。

井本からの一言
教員の間では、「就活対策をわざわざしなくても、普段から研究をしっかりやっている学生は就活もうまくいく」という話題がよくでます。全く同感なのですが、一方で「研究をしっかりやる」に含まれる要素の解像度が十分ではないことが多いと思っています。この点については、次回以降の記事で紹介します。

<まとめ>

就活の成功は、内定を獲得することでしょうか。

本当に目指したいのは、入社後に生き生きと活躍することではないでしょうか?

でも、実際に就活が始まると、多くの人は知らず知らずのうちに「内定獲得ゴール」の思考になっていきます。

いい研究者になる。
自分の強みを活かして研究する。
その研究経験を就活で話す。
入社後も、その強みを活かして働く。

研究も就活も忙しい理系院生にとって、この考え方は圧倒的にコスパがいい。

まずは、自分がどちらの思考パターンになっているかに気づくこと。
そこから、リケトレは始まります。

<リケトレワーク>

自分の就活がパターンAとパターンBのどちら寄りになっているかを振り返ってみましょう!

次回のテーマは、「研究で成果を出すために、本当に必要な力」です。お楽しみに!

最後までお読みいただきありがとうございます。        
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