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⑯『最弱扱いされた俺のギフト《追加ボーナス》、実は仲間も武器も報酬も手に入る最強スキルでした』〜第17章〜


前回の振り返り


森の精霊神ドルイドが顕現し、アスラを「認められし人間」と告げた。
王国の闇討ち兵を退けたことで、セレーネの心は揺らぎ、人間を見極めるために旅に加わる決意を固める。
新たな仲間を得た《黎明の契約》。次なる目的地は──エルフの里。


〜第17章〜 エルフの里への道


 森の奥はさらに深く、光さえ届かないほど鬱蒼としていた。
 先頭に立つセレーネは、依然として冷ややかな表情を崩さない。だが以前と違うのは、弓を彼らに向けてはいないということだった。

 「勘違いするな。私はお前たちを信じたわけじゃない。ただ……ドルイドの言葉に従うだけだ」
 そう告げる声は硬いが、どこか自分自身に言い聞かせるようでもあった。

 アスラは微笑み、首を振る。
 「それで十分だ。俺たちも、最初から完璧に信じ合えていたわけじゃない。……一緒に歩いて、少しずつ積み重ねてきたんだ」

 その言葉に、仲間たちが頷く。フェンリルが軽く尾を振り、イフリートが小さな炎を揺らした。


エルフの影


 やがて、森の奥から複数の気配が近づいた。
 セレーネがすぐに弓を構えるが、その姿を見て気配の主たちは姿を現す。
 十数人のエルフ兵。皆が銀の鎧を纏い、鋭い視線をアスラたちに向けていた。

 「セレーネ様……! なぜ人間と共にいるのです!」
 「その者たちがこの森を脅かしているのでは……?」

 矢が次々と構えられ、緊張が走る。

 セレーネは一歩前に出て、毅然とした声で告げた。
 「矢を下ろしなさい。──彼らは森を守った。ドルイドが認めた存在だ」

 その言葉にエルフ兵たちはざわめく。だが、疑いの色は完全には消えなかった。


不穏な知らせ


 その時、森の奥から駆け込んできたエルフの斥候が叫ぶ。
 「報告! 国境付近で再び人間の兵が動いています! 森を焼き払う準備をしていると!」

 「なに……!」
 場の空気が凍りつく。エルフたちの視線が、再びアスラへと集まった。

 「やはり人間は信用できぬ!」
 「この者たちを捕らえるべきだ!」

 今にも矢が放たれそうになる。

 その瞬間、アスラが声を張り上げた。
 「待ってくれ! 俺たちはそんな命令を受けていない! 王国の闇兵が、俺たちの背後で暗躍しているんだ!」

 セレーネが眉を寄せ、アスラの横顔を見つめる。
 その声には、嘘も偽りもない真剣さがあった。


新たな絆の兆し


 緊張の最中、セレーネが矢を下ろした。
 「……私は見た。人間が、我らの森を守った姿を」

 その一言に、エルフ兵たちの動きが止まる。
 完全な和解ではない。だが、揺らぎ始めた心は確かにあった。

 アスラは静かに拳を握る。
 「俺たちは必ず証明する。この手で、闇に操られている真実を暴く」

 セレーネの碧眼がわずかに和らぎ、ほんの少しだけ、冷たい壁が崩れる音がした。


あとがき(第17章)


セレーネを加えた新たな旅が始まる。
だがエルフの里は人間への疑念に包まれており、国境には再び火種が広がろうとしている。
「ドルイドが認めた」という事実だけでは、まだ十分ではない。
次章、アスラたちはエルフの里で真の信頼を得るための試練に挑む。


読者の皆さまへ


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セレーネとエルフ兵たちの緊張感、どう感じましたか?
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