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「帰り道の気配」〜第36.5夜〜

あの影を見た日の帰り道……
お寺を後にして、坂道を下っていました。
夕暮れもだいぶ深まり、山の端はすっかり影に沈んでいて……
足元では草むらの虫が、もう秋を急かすように鳴いていました。

ふと……背中に視線を感じたんです。
振り返ると、そこには誰もいない……はずなんですが……
坂の上、お寺の門のあたりで……煙のような白いもやがゆらゆらと揺れている。

あぁ……さっきの影じゃないかな……そう思った瞬間、
その白いもやがスッ……と形を変えて、まるで人が手を振っているように見えたんですよ。

私は思わず、その場で一礼しました。
すると……風がひとすじ、頬を撫でて通り過ぎていった。
冷たさよりも、なぜか温かみを感じる風で……不思議と胸の奥がほっとしたんです。

あれはきっと……帰る前の、最後の“見送り”だったんでしょうね……えぇ……。



あとがき

この36.5夜は、第36夜と同じ日の“後日談”のようなものです。
あの日、影を見ただけでなく……こうして帰り道にも、向こうからの“合図”を受け取った気がします。

住職がよく言うんです──
「帰る時でも、誰かを想っている霊は、最後に姿や気配を残すことがある」って。
そう考えると……あの白いもやは、私にとって怖さよりも優しさを運んでくれた存在でした。

あなたは……“見送られた”と感じたこと、ありませんか?
もしあれば、ぜひコメントで教えてください。

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ぜひ、あちら側の扉を開けて覗いてみてください……えぇ……。

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