五色あわ雪 伊藤軒 京都市伏見区 和菓子なスクチャイ242 2026.02.01
和菓子なスクチャイ242 京都府 > 京都市伏見区
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
五色あわ雪 伊藤軒 京都市伏見区


1.大丸京都店で購入
先に紹介した写真の片隅(右側)にも写っていたが、大丸京都店では「花咲あられ」と同時にこの「五色あわ雪」も買っていた。
両方並んで置いてあったので躊躇なく両方を買い物籠に入れた。
税込378円と駄菓子並みの価格だった。
吾輩は、前回の「池の月」系だけではなく、こういう煌びやかでふわふわしてそうな食べ物も食べてみたくなるのだ。
2.開封


開封すると、どこかで嗅いだことのある美味しそうな香りが漂い、それが杏仁豆腐の杏仁(アーモンド)を気づくまで少し時間がかかったが、杏仁の香りとわかるとますます親しみを感じた。
3.食べた


はっきり言ってこれでステンレスを磨くと艶が出るではないか?と思ったが、そのスポンジ状の小さい立方体はご丁寧にも色毎に味が違うのだった。
「池の月」でも「すはま」でも何色かあっても味は皆同じですよ〜という「見せかけの色だけ」という飛んだ一杯食わせ物お菓子も多いが、綺麗だけでなく真面目に味まで考えてあるとそれだけで真面目で誠実な会社なのだなあと感心するのだ。
例えば青は飲み物のラムネのソーダ味だった。
白は杏仁豆腐。
赤はイチゴっぽい。
ピンクは桜だ。
紫は葡萄だ。
黄色はレモン。
緑は・・・メロンかな?
(そもそもお菓子名が「五色」なのに7色あるではないか)
以上はすべて吾輩の感覚器による分析だなので間違っているのもあるかもしれない。
4.横山やすしの「任さんかい!」の世界
もともと色と味の対応表などもなく、原材料名では「甜杏仁粉」以外は「香料」で片付けられているから後は食べる人に任されるのだ。
「任さんかい! 任しなさい!」
と、食べる人は横山やすしのように吠えるしかないのである。
食べる人に任せる・・・想像させる・・・当てさせる・・・という楽しみがあるお菓子と言うことで、こういうお菓子は大アリで吾輩は大賛成だ。
パフェなんかに載っていても見た目もいいし味も色毎に違うので楽しい役割を果たすだろう。
「任さんかい!パフェ」
・・・そんなんできるかどうかは知らんが。
5.粉末オブラート
ちなみに表面がラメが入ったようなキラキラが見えるが、これは原材料名に書いているように粉末オブラートだ。
以前、盛岡の山善の「ぶどう飴」でも表面が粉末オブラートで覆われていた。
原材料名にはオブラートとしか書いてないから最初はシート状のオブラートと思い、そんなものは使ってないやん?と不可解になって電話で訊いてみると、細かい粉状のオブラートが塗されているということだった。
「ぶどう飴」のオブラートも結局「粉末オブラート」のことで、要するにベタつくお菓子の表面をサラサラにする役割を担っているのだ。
してみるとこの「五色あわ雪」ももともとは表面がベタつくような素材の可能性がある。
それを粉末オブラートでうまく表面塗装(コーティング)して見栄えもキラキラと輝くようになったのだろう。
食べる人にとっては表面がサラサラしているので持ちやすいしキラキラ輝いて綺麗やね、との感想を持つわけで、このお菓子も粉末オブラートを使うことによってかなり得をしているわけだ。
6.「五色あわ雪」
吾輩が大丸京都店で手に入れた目にも鮮やかで可愛らしいお菓子「五色あわ雪」は、先の「花咲あられ」が香川の協力工場(細川安心堂)で作られていたのに対し、こちらは伊藤軒が大切にしている「京の手仕事」の精神が詰まった自社製造に近いライン(あるいは厳格な監修下の伝統製法)のお菓子ということだ。
このお菓子は和菓子の伝統的な技法である「淡雪羹(あわゆきかん)」を、伊藤軒らしくモダンで親しみやすくアレンジしたものとのことである。
7.「淡雪」という名の由来
春先に降る溶けやすくて儚い雪のことを「淡雪」と呼ぶが、卵白を泡立てて寒天で固めたこのお菓子が口の中でシュワッと溶ける様子がその雪に似ていることから江戸時代よりこの名で親しまれてきた。
8.「五色」に込められた意味
本来の淡雪は真っ白なものだが、伊藤軒の「五色あわ雪」は、杏仁豆腐、ソーダ、レモン、メロン、イチゴ、ブドウなど(※時期により種類は異なる)の多彩な味を付けている。
これは「移ろう季節の彩り」や「集まった時の賑やかさ」を表現しており、「お菓子で笑顔を」という伊藤軒の信条が形になったものとのことだ。
9.伊藤軒の「自社製造」へのこだわり
伊藤軒は、前回の「花咲あられ」のように販売店「セレクトショップ」のような側面と、今回の「五色あわ雪」のように製造元「メーカー」としての側面の二つの顔を使い分けている会社なのだ。
伏見の本社工場では、職人が直接手で触れて作る「手仕事」を重視している。
特にこの「あわ雪」のような絶妙な泡立て加減や温度管理が必要な半生菓子は、伊藤軒が守り続けてきた技術の見せ所なのだ。
10.「花咲あられ」との違い
「花咲あられ」は専用の巨大な膨張設備(パフ機)を必要とするため香川の専門工場(細川安心堂)の力を借りている。
一方で「あわ雪」や「ゼリー菓子(寒天)」は、京都の職人が培ってきた「練り」と「固め」の技術が活きる分野であり、伊藤軒が自らのアイデンティティとして製造監修に深く関わっている商品なのだ。
11.「あわ雪」の食感の秘密
「あわ雪」はゼリーでもなくマシュマロでもない不思議な食感だ。
ふわふわのメレンゲ(卵白)と、つるんとした寒天を合わせることで「もっちり」と「しゅわっ」が同居した、和菓子ならではの優しい食感が生まれている。
伝統的な淡雪は甘さが強いことが多いが、伊藤軒のものはフルーティーで爽やかだ。
大丸京都店のような百貨店に並ぶ際も、若い方から年配の人まで「懐かしくて新しい」と感じてもらえるよう調整されているとのことだ。
ま、それに釣られて買い求めたひとりの吾輩が今ここにおる、ということなのだ。
(おわり)
