Tonight is what it means to be young
僕は映画が好きです。と言っても最近は滅多に観ないから「趣味は映画です」とは言いにくいけど、、、でも 好きなものは好きなんです。
期待して観てもイマイチだった映画、期待してなかったけどすごく面白かった映画、さまざまですが、観た後で「主人公はこういう問題を抱えていて、そこにこういう人が現れて、二人でこんなふうに交わっているうちに、ああしてこうしてどうなった、、」みたいにまとめるのは面倒くさいですよね。でも自分の中でその映画をどう消化したのか反復し確認するためにしかたなくまとめてみる、すなわち評価することがあります。さらに映画の感想のサイトを覗いて、自分と同じ見方をしている人はいないか、見落としていたものはないか、自分の評価は他の多数の人達と同じか、みんなが駄作と言ってるのに自分だけ「よかったよかった」と思っていないか、そもそも自分の見方は浅すぎなかったか、自分の見方は決して間違っていないか、俺は真実へと歩いているかい〜〜?、シェリー! どこに行けば〜 俺はたどり着けるだろう?、、、こんなんじゃ映画が好きとは言えなくないですか? 観終わってこんなことするのは 少なくとも大好きな映画じゃないってことじゃないですか?
そもそも好きなものというのは、好きになったから好きなんです。理由はいらない!

じゃあ、大好きな映画ってナニよ?、、、、そりゃ決まってますよ、観終わったらすぐに主人公が着てたのと同じコート何処かで売ってないか探したり、主人公の可愛い恋人役を演じた女優のプロフィール調べて他の出演作を探したり、挿入歌が頭の中で鳴り続けてて YouTubeでその歌探して大音量で20回連続で聴きまくったり、、、そう、僕の見方がどうだったかとか 映画批評サイトで どう評価されてるかとかじゃないのです。
そして、すなわちそれは「ストリート・オブ・ファイヤー」のことです! 見始めて10秒で釘付けになって、瞬きなんかしてる暇は1秒もなくて、音楽も最高にカッコよくて、主人公のトムも恋人のエレン(ダイアン・レイン♡)もカッコよすぎて可愛すぎて、なんで二人はもっと一緒にいられないのって悔しくてたまらなくなって、やばすぎる敵が出てきて呼吸困難になって、だけどいいタイミングですげえ頼れる仲間が出てきて、(ネタバレ書きたくないので省略するけど)とにかくいろんなことが起きて ほんとにストリートがファイヤーになったりするんだけど、とにかく最高にイケてる映画で、エンドロールで音楽がずっと流れ続けるんだけど(1曲終わってもそれで終わらずにもう1曲はじまるんですよ! エンドロールなのに!)、余韻に浸って聴いてて、館内が明るくなっても完全にノックアウトされてるから席から立ち上がれなかった、、、、それが「ストリート・オブ・ファイヤー」なのです。
こういう映画に何年かに一回出会えると幸せです。
今日、なんで突然こんなこと書いてるのかと言うと、先日たまたまある方のブログを読んでいたら、その方が大好きな人が大好きな曲がこの映画の挿入歌 "Tonight Is What It Means to Be Young" だと書かれていたのを見つけて嬉しくなったからです。好きなものは好きなんです。あーだこーだ評価してる場合じゃなくて、大好きな映画、大好きな曲なのです、、、。昨年日本中に吹き荒れた「青りんご旋風」に1mmもときめかなかった「時代遅れ」の僕が、この曲の最初の音、ドラムとピアノが一緒になって激しく叩きつける音を聴いた瞬間、心臓が止まりそうになり、スクリーンに眼が釘付けになるのです。
しかし、、、この映画出来たのって40年も前なんだ。僕の ダイスキ は40年前で止まってるのかもしれない、、やっぱ時代遅れなんかな、、、、
ちなみに、大好きな映画はこれだけじゃなくて 他にも何十本もあります、、、と書きながら真っ先に思い浮かんだ「大人は判ってくれない」(1959年、さすがに僕も生まれてない!)も、誰がなんと言おうと大好きです。アントワーヌ・ドワネルが雨に濡れたパリの街を走り抜け 盗んだ牛乳を飲むシーンを思い出すだけで胸が詰まります。映画評論家だろうが 映画オタクだろうが 人気投票だろうが ランキングだろうが 点数が5点満点じゃなかろうが(何でもかんでも点数付けるなバカ!)、そんな人たちが、おセンチ過ぎだとか ナルシスト映画だとか 子どもが主役なのはとか どーこー言おうが、そんなの関係なくこの映画は100点満点です。
好きなものを見つけたとき、たまらなく幸せな気持ちになります。映画が好きな若い方達が、最近の映画だけでなく どうかこういう昔の珠玉の名作をいつでも気楽にお手軽に、出来れば無料で楽しめるような世の中にならないかなぁ、、下手な読書500冊分くらいの価値はあるんだけどなぁ と夢見たりします、、、「大人は判ってくれない」、多くの人に観てほしいなぁ。

お正月にAmazonで2021年制作のノルウェー映画「わたしは最悪。」を観ました(てゆーか 邦題が最悪だと思いますが、、なに?この「モーニング娘。」みたいなダサいタイトル、、淀川さんが聞いたら怒るで!)。知り合いのお子さんがノルウェーの学校に通ってる関係でノルウェーのことをなんとなく検索しててたまたま見つけた映画なんですが、これも最高でした(最高最高て言い過ぎちゃう?)。強くお勧めします、、、と思って映画批評のサイトを見たら「男性目線」とか「つまらない人生」とか「わがまま」とか 主人公の生き方を批判してるコメントが多く 映画自体も結構評判悪くてビックリしたんですが、僕は僕が女性だったら、こんなに美人で頭よく生まれて、いろんな経験を重ねて、素敵な恋人達と出会えて、損な生き方だって判ってるけどそれしか選べなくて もがきながら生きている、本人は自分のこと最低だって思ってるかもしれないし、他の一部の人からも最低だって思われてるかもしれないけど、ぜんぜんそんなことない、そんな素直な女性になりたいと切に思います。「貴女らしい最高の人生だよー」と深ーく感動しながら堪能しました、、、。
「君は最高だ!」
本当にどこかの街で暮らしてそうな、美しく、欲望に正直で、不器用で、愛情深い、愛すべき主人公を素直に撮ってる映画です。よかったら観てください。レナーテ・レインスヴェ演じる主人公ユリヤの生き方や性癖などに共感できない人や否定したくなる人もたくさんいるかと思いますが、カンヌ映画祭の女優賞を受賞した権威アル作品ですので どうしようもない駄作ってわけじゃないと思いますヨ。

新年最初は映画のお話でした。 今年もよろしく!
(2026年1月7日 追記)
と思ったら、ついさっき知ったんだけど、この映画を撮ったヨアキム・トリアー監督は去年「センチメンタル・バリュー」という なんとも垢抜けないタイトル(いったい誰なん? 立て続けにダサい邦題つけてるんは?)の新作で、なんとカンヌ映画祭グランプリとってるじゃないですか! パルム・ドールじゃないけどほぼ同じ、ていうか、こっちのほうが格上だった時期もあったそうです(お受験で言えば開成桜蔭じゃないけど渋渋合格嬉しスギ!みたいなもんですかね?)。ねっ、皆さん、カンヌのグランプリ作品は無理してでも観といた方がいいですよ! (アカデミー賞作品観ても言われないけど)カンヌ受賞作品観たら友達や同僚からインテリって言われちゃいますよ! そしてもちろんグランプリ監督の前作「わたしは最悪。」もついでに堂々と観ときましょうね! 実は「わたしは最悪。」には紳士淑女の皆さんにとっては眼を覆いたくなるようなオゲレツなシーンも出てくるんですけど、でもそのオゲレツな主人公がカンヌ・グランプリ映画でも主役を演じてますので、気にせずに眼を見開いて観ましょう! みんなで観ればこわくない! そして「わたしは最悪。」について想いを巡らせちゃいましょう!
「センチメンタル・バリュー」は来月から日本で上映開始だそうです。今年最初の映画館作品はこれにしようかなーっと!
(2026年1月7日 追記 その2)
今日は仕事が休みだったのでもう1本、この監督の2017年の映画を観ました、、、「テルマ」、すごかったぁ、、、ホラーファンタジーでした。いえ、実は今日「テルマ」の前にさらにもう1本「わたしは最悪。」で共同脚本を担当したエスキル・フォクトが監督、脚本したホラー作品「イノセンツ」も観てて(一日中 映画三昧!)、この2本の映画、ホラー具合は似てたんだけど、ひたすら怖さを強調している「イノセンツ」と違い「テルマ」は より情感が溢れ、詩的で、まるでトリアー監督が影響を受けたと言うロベール・ブレッソンの作品を観るような静謐さをたたえた作品でした。それにしてもこのトリアー監督、「わたしは最悪。」にしたって非現実的なシーンがさりげなく普通に出てくるし、当たり前のリアル追及には興味ないのかもしれない、だからか、登場人物はどんなキャラなのか どんな超能力持ってるのか ついつい探るように観てしまうけど、そういうのも含めて この監督 凄い! カンヌ・グランプリとったから言うんじゃないけど 別格です。ブレッソンに迫る勢いで(は言い過ぎかもしれないけど)、ヨーロッパの匂いを纏ったキューブリックになっちゃうかもしれません、いや、もうなってるのかも。2月の新作が楽しみです。僕みたいに滅多に映画観てなくて 彼の作品まだ観たことない方がいたら 「テルマ」、「わたしは最悪。」、そして新作の「センチメンタル・バリュー」の3作品、ぜひまとめて観てみてください!
