「珈琲」は深くて「コーヒー」は軽やかで「こーひー」はちょっとぬるそう
街中で「珈琲」という文字を見かけると、ほろ苦くて芳醇な香りが鼻を抜けていく感じがする。いや、コーヒー屋の前だからという話ではなく、文字からそんな香りが漂ってくる気がするのだ。
この現象は「コーヒー」では起こりえないし、ましてや「こーひー」では論外である。
珈琲という字に香りを表す意味でもあるのだろうか。
調べてみると、「珈」は玉を垂れ下げたかんざしの一種、「琲」はかんざしの玉をつなぐ紐を意味するらしい。当て字だろうとは想像していたが、それにしても香り全然関係ないじゃないか。
どうやら、コーヒーの実がなっている様子が髪飾りに見えることからこの字が当てられたらしい。そっちなのか。
しかしどうして「珈琲」からはあの目一杯吸い込みたくなる香りがするのだろう。
「コーヒー」からは、もう少し軽やかな印象を受ける。「コ」という音の弾むような感じを一番表しているのがカタカナの「コ」だと思うのだが、そんな「コ」のおかげで「コーヒー」はぐびぐびサッパリ飲めるような、アメリカンコーヒーを連想する。それも、どちらかといえばアイスの方。
「こーひー」になると、「コ」が持っていた固さがなくなり、まろやかな印象になる。「珈琲」のような重厚さもなく、なんだかぬるそうな気もする。冬に温かいのを淹れたのに少し放っておいたら冷めちゃった……みたいな。
「ミルク」が「みるく」になると甘く可愛らしい印象になるのに、「こーひー」はイマイチ可愛くなりきれないのが、惜しい。
「珈琲」
なんて不思議な文字列なのだろう。そもそも漢字の読みに長音が入っているところからして、ちょっとおかしい。長音が入った読みなんて、米をメートルと読む時くらいのものだろう。
ちょっとおかしいくせに、「コーヒー」や「こーひー」よりも深みがあるように見える。
ムムム。
「珈琲」が羨ましく思えてきた。なんだか悔しい。
とはいえ、スキップでもしたくなるような楽しい日には「コーヒー」も良いなと思うし、なんだか上手くいかないな…という日は「こーひー」の抜け感が恋しくなる。そんな日も、ある。そんな日も、あっていい。
「珈琲」「コーヒー」「こーひー」
あなたはどれがいい?
筆者は、やっぱり「珈琲」がいい。
欲を言うなら、「珈琲」にたっぷりミルクを注いだカフェオレをいただきたいところである。

ふふふ。ワクワクすることにはとりあえず乗っかっておこうの精神です。それがなんのはなしかわからずとも。
やや短め?かもなんですが、大丈夫でしょうか(文章量とかそういう問題ではないような気がする)。ご査収ください!
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