フローレンスさんの渋谷区からのVIP待遇疑惑?が燃えている件の現状まとめ

令和7年11月3日
(11/4 1ー①と1ー②に追記)
(11/5 1ー⑤を追加)

さて、日本を代表する認定NPOフローレンス会長(2025年12月末退任予定)の駒崎さんがいつも通りXで戦っていらっしゃったところ、おもむろに根拠不明の怪文書を丸めて作った剣で斬りかかるという革命的な技を閃き💡、技を食らった対戦相手さんと観客席に座っていた我々が色んな意味でビビッて凍り付くという一幕があったのは記憶に新しいところです。きさま新手のスタンド使いか。

気象庁観測史上初
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それから数日はレスバが続いていましたが、10月28日になってから駒崎さんはXをもうしないと宣言して去っていってしまいました。

ロマサガRSより

関係ないですがこの画像はロマンシングサガというゲームの、相手に斬りつけつつ背後を見せるという何だかよくわからない技の『失礼剣』を閃く💡シーンです。

で、まあ本題なのですが、この「引退宣言」の前日には「フローレンスさんは運営するおやこ基地シブヤの事業用地を渋谷区からタダみたいな賃借料で30年間借りてるんやで」という告発?のようなものがありました。

私が知る限り、2018年〜2019年頃に1度、2024年1月頃のふるさと納税問題の時に1度、過去に計2回プチ炎上していた話題で、その時は割とすぐに鎮火していた印象ではあったのですが、なんか知らんけど今回はよく燃えてます。
多分ですが前段のバトルの観客が多かったというのがあるのでしょう。

昨年ちょっと話題が出た時に興味がないでもなかったものの、資料がゼロだったので調べるのを諦めたんですが、今回は少々ながら手掛かりが公開されているので自分なりに調べてもみました。

なんか議員さん等が渋谷区に対して開示請求してくれているそうなので、資料はその内に私の手元まで回ってくるとは思います。
現段階では何とも言えんのですが、なんかとりあえず現状をまとめてくれっていう依頼を投げ銭と共にもらったんで書きました。

主要論点をまとめると、

1、土地の低廉貸付や建物建設費等施設整備の補助金が出ること自体はまあわからなくはない。金額、条件が適当かは要検証。
2、やはりプロポーザル手続きが適正だったかが最大の焦点。

って感じでしょうか。いずれにしても開示請求資料待ちですね。

1、前置き

① あんまり保育事業の「補助金」を敵視しないでねという話

  • 最近、「補助金」というワードが非常にセンシティブになっている様子です。

  • フローレンスさんも巨額の補助金を受け取っておられ、悪の組織みたいな言い方をされているのは残念なことです。

  • しかしながら保育事業というのは利用者の自己負担を極限まで抑えるため、国がその経費の多くを補助金という形で支給するという制度設計になっています。

  • これは町のお医者さんが受付で3割の利用者負担を受け取りつつ、7割を国から診療報酬という形でもらうのと大枠では同じです。

  • フローレンスさんの保育事業運営に関する通常の補助金を批判するのは「医者は診療報酬を国からもらっていてズルい」と批判するのと同じで、ナンセンスです。

  • 保育事業で上場しておられる会社も数社ありますが、どのIRにも「受け取り補助金の最大化」を目指す旨が書いてますしね。別にそれ自体は批判されるべきではないです。

  • 他方で、フローレンスさんは通常の保育事業運営以外の補助金も受け取っておられ、それがチャンポンされて巨額に見えてしまっているのも事実っぽいので、その辺りをちゃんと説明すれば炎上しないのになと思いながらいつも眺めています。

  • NPO法人は市民による監視が前提として存在しているので、積極的な情報公開が求められますが、フローレンスさんは法で求められるギリギリの情報しか出していない点がよろしくない気がしますね。

★ 11/4追記

  • 申し訳ありません。知りませんでしたがフローレンスさんもこの点を認識され、10/29にHPに補助金についての説明を追加していたようです。

  • ただまあフローレンスさんを批判している方々の90%くらいは雰囲気だけでやってるっぽいことを踏まえると、公定価格とか書いても通じないんで、もっと端的に「保育事業者であれば皆もらえる収入の補てんなんだよ!別にずるいことはしていないんだよ!」ということを書いた方がいいんじゃないっすかね。私は別にいいですけど。

(追記ここまで) 

② おやこ基地シブヤと当時の空気について

  • フローレンスさんが2017年に作った施設で、HPの文言を引用すると「健常児、障害児、病児、すべてのこどもが保育を受けることができる新しい形」のハッピーセットのような保育施設です。

  • 渋谷区はこの土地を個人から寄附されて、保育施設にするのが良いと判断し、公募を行いました。その公募に応募したフローレンスさんがこの保育施設を運営することになり、土地を託されたという流れになります。

  • 結構なことだと思いますが、渋谷区によるこの施設に対する支援がどうなの?ということが今燃えているわけです。

  • ちなみに、当時(2016年)は「保育園落ちた日本死ね」騒動があった時期で、駒崎さんもこれに乗っかって保育行政のあり方について積極的にメディアで情報発信しておられ、それが奏功して保育施設の拡充ムーブメントが起きた頃でした。

  • まあ保育園が増えすぎて廃業が加速しているので、このムーブメントはなんやったんやという話ではありますが、当時は保育施設への公助が正当化されやすい時期であったことに留意は必要でしょう。

③ その設備整備コスト等について

  • 今判明している情報では、建設用地をタダみたいな賃料で30年間借りる契約になっているそうです。

★ 11/4追記

(追記ここまで)

  • その他、日本財団から34百万円の補助があったようです。計131百万円ですかね。

  • まあ、需要があって担い手が不足している事業について、好条件で事業者を募るということ自体はあり得る話です。

  • また、保育施設の土地を国や行政等が低価格で貸すことも、建物等設備整備費のほとんどを補助することも、それ自体は無いことはないです。

  • 金額や補助率の他、やはり特にプロポーザルが適正に行われたのかというのが焦点になるんじゃないでしょうか。

④ フローレンスさんが事業者に選ばれた経緯

  • これが本当によくわからんのですが、5月に土地の寄附があって、3か月程度で保育施設用地としてフローレンスさんへ貸すことが光の速さで決まったそうです。一等地なんだから、普通はもうちょい考えませんか?

  • またそもそもこの土地を活用する企画案がフローレンスから渋谷区に持ち込まれたという経緯もよくわかりません。どこから土地が寄附された話を聞いたの?

⑤ 病児保育の需要と利用推移 (★11/5 追記)

  • それと知っておきたいのが、後述しますが障害児保育は需要予測が外れて撤退したんですが、病児保育はそれなりで推移していることです。

2019/12 渋谷区資料より
  • 利用者向けの補助金の上乗せ措置もあってのことですが、開設後数年で利用者はかなり増えており、少なくとも短期的には相当の需要があったことが示唆されます。

2025/3 渋谷区資料より
  • 他方で、コロナ禍を経て利用者は一時低迷し、生活・仕事スタイルの変化もあってか、コロナ禍が明けてからも利用者は当初水準にまで戻っていないのが現状のようです。

  • 登園後に発熱等が出た場合の別室保育は大体どの保育園でも実施されていますから、「土地から得られたはずの逸失収益と建物建設費としてフローレンスさんに投じた公金を別室保育体制の拡充や保育施設近隣の小児科との連携に回していれば良かったんじゃない?」という考えもあるでしょうし、「それなりにやってるじゃん」という考えもあるでしょう。

  • フローレンスさんの1施設では区全域の需要をカバーできず、渋谷区内に病児保育施設が新たに作られたようですが、限りある公的資源を広く薄く投資すべきだったか、本件のように集中投資して正解だったのかは議論の余地があるかもしれません。

2、懸念点

① 随契逃れじゃないの?という懸念

  • 「随意契約」つまり、行政側が相手を指定して行う契約というのは色々と難しい制限があります。

  • そらまあ、癒着とかされて行政に不利な条件で契約が結ばれて、税金が非効率に使われたら困りますから当然ですよね。

  • だから基本的には今回のような公有地の利活用なんかは公募(プロポーザル)が行われて、より優れた企画提案をした事業者にお願いすることになります。

  • しかし、経緯は不透明なものの、この渋谷区土地に保育施設を整備するプロポーザルには案件を持ち込んだフローレンスさんしか応募をしなかったとのこと。

  • 随契隠しとか随契逃れとか色々言い方はありますが、要は本件についも、「相手方(フローレンス)が決まった随意契約なのに、そう疑われないために渋谷区プロポーザルを偽装したんではないか?」という疑いを持つ方が増えているようです。

  • ちなみに随契逃れと認定された結果、契約が白紙に戻されたという事例もあります。

  • 話が出来過ぎていて、こんな説まで出る始末です。

  • まあこのような想像をフローレンスさんに伝えると「はっはっはっ、大した想像力だ。小説家にでもなったほうがいいんじゃないかね。それとも何か証拠でもあるのかい?」と返されてしまうかもしれませんが、色々と想像が膨らんでしまうので真相が知りたいところですね。

  • また、別件ですが、なんか「プロポーザルを脱法的に回避して『行政にサービスを導入してもらう方法』をフローレンスOBが紹介していたんだぜ」という、トンデモ発言を渋谷区議さんがしています。

  • これが本当ならプロポーザルのふりをして実質的な随契を結ぶスキームを意図して作り上げたという認識がフローレンスさん関係者で共有されていたことになりますが、、、

鈴木渋谷区議のpostより
リンク先はそれを引用した私のpost
  • 一応ご紹介しますと、私が上記postを「なんかすげえこと書いている議員がいる!」というコメントと共にご紹介したところ、結構な騒ぎになったので、鈴木渋谷区議の元には「いや、ちゃうんすよ」という連絡がフローレンスOBの方から入ったそうです。

  • そら嘘でも本当でも騒ぎになったらそう言いますよね。

  • 当時公開されていた資料そのものが見たいです。業者名教えてくださいよ。

② 渋谷区の「怠る事実」がないかの懸念

  • 行政に「怠る事実」、つまり「徴収すべき税金を徴収できてなかった」「不要な支出をした」等の問題があった場合は、住民監査を経て住民訴訟を提起することで行政に適切な対応をとらせることができます。

  • その期限はざっくり言うと支出後3年です。今回は契約が2017年ですから、ちょっと昔過ぎるので難しいかなあとも思っていたんですが、

  • すでに賃料改定の期日が何度か経過しており、渋谷区公有財産管理規則では区の財産の貸付は時価が原則で、時価よりも低廉な貸付になる場合は別途申請が必要ということになっています。

  • そもそも価格改定をきちんと行っていたのか?低廉な貸付を続けているのだとしたら適正な手続きを踏んでおり、その決裁は妥当だったのか?というのが結構重要そうです。この辺りが適正でない場合は住民監査請求が可能かもしれません。

  • この辺りの書類も開示請求している方がいるそうなので、その内に明らかになるでしょう。

  • ちなみになんか障害児保育施設ヘレンを閉鎖してクリニックにしたことが原因で借地料が若干上がっている感じはあります。

鈴木先生のXより
保育部分の減少はたしかに賃料アップ要因になりそう
  • もしも賃料が改定されているのであれば、その改定水準が適正かどうかがポイントでしょうか。そもそも保育部分を無償にするという理屈もよくわかりませんし。

  • 他の保育事業者さんは賃借料等のハコ代も収入から払ってるわけで、フローレンスさんだけその負担が少額でいいという理屈はよくわかりません。

  • 以下、杉並区の事例だそうです。

  • まあこの辺りは需給の問題なので、担い手が少なくて需要が大きいなら好条件で保育施設を運営してもらう業者への厚遇を続けるという理屈も成り立ちますが、どうなんでしょうか。

  • あと、当初の障害児も含めた様々な保育のパッケージ提供という前提が既に崩れている点にも着目したいですね。

③ その他の個人的に注目してる便宜供与の件

  • まあ、既出の論点ばかり並べても新鮮味がないでしょうから、私が結構前から首を捻っていたことを書いておきます。

  • このおやこ基地シブヤの建物は先述の通り、渋谷区や日本財団さんから多分ほとんどの部分が補助されています。

  • ちなみに所有権は81/100がフローレンスさん、19/100がその関連の医療法人ペルルさんになっています。(ちなみに今はマーガレットという名前に商号変更しています。)

同物件の建物の登記簿謄本より
  • 重要なのは下の乙区の欄で、フローレンスさんの持ち分81/100に対して根抵当権が設定されていることです。

  • 補助金で建設費のほとんどが賄われた建物、ましてやその土地が行政の所有である場合、担保設定は認められないが普通です。

  • 不動産担保というのは「お金を返せなかったら不動産を代わりに差し上げます」という約束ですから、「税金で整備した不動産を勝手に第三者に譲れるわけないじゃん」という単純な話です。

  • しかも普通抵当権よりもリスクが高い『根』抵当権が設定されることは、私は寡聞にして一例も存じ上げません。債務の随伴性がないからね。詳しくはAIにでも聞いてください。

  • 下記の書類にも甲(渋谷区)の承諾なしに借地上の建物を担保提供することを禁ずる文言があります。ちなみに行政との契約文書としてごく一般的な縛りです。

このpostの画像より
  • 上述の通り建物の完成日は2017年の7月、オープンが10月、担保設定は12月ですから、補助事業と連動した建物の建築費や設備向けの借入ではなさそうです。もしそうなら建物完成後すぐに担保権が設定されるはずだし。運転資金のために担保設定したの?

  • 当然ながらフローレンスさんが渋谷区に無許可で銀行に担保を差し出したはずはないですし、銀行もまた行政の担保提供に関する許可書面がない担保を取るわけがないので、渋谷区は「土地はめちゃめちゃ安く貸すよ!建物建設費もいっぱい補助するよ!」というサービスに加えて、「第三者に建物がとられるリスクはあるけど、この建物をフローレンスの資金調達ツールにしていいよ!」という許可を出したことになります。

  • 当然担保提供の許可を出したということは、第三者に建物がわたることも想定したということです。

  • 借地契約には建物の使途制限はありますが、、、

同上
  • この書き方なら別に建物の大部分が高収益な美容クリニックとかになってもええんでしょ。現に今はかつての障害児保育施設部分が保育と関係があるかないか微妙なクリニックになってますし。

  • フローレンスさんが債務不履行かまして担保処分されたらどうすんの?

  • あと多分、建設費の一部を助成している日本財団のルールでも担保提供は許可が必要で、かつ基本的に許可は出ないはずなんですけども、どうなってんでしょうね。

  • 直接渋谷区がフローレンスさんに金銭等を供与した話ではないですが、「普通は許可されないようなことが許可された」というのは、そのままフローレンスさんの渋谷区での立ち位置を示す傍証になるかもしれませんので、個人的には気にしています。

④ 余談 当初の需要調査どうなってんの?

  • おやこ基地シブヤ1Fで運営していた障害児保育施設ヘレンの設備整備費は渋谷区の他に日本財団から支援を受けていました。

日本財団の事業情報より
  • 区議さんに言わせると「当時は喉から手が出るほど欲しい施設」だった障害児保育施設ですが、フローレンスさんはこの運営を2023年に撤退して、クリニックに用途変更しているのは先述の通りです。

  • これに関しては、日本財団の助成物件の用途変更等の制限期間が事業実施年度の終了後(本件の場合2018年3月末)から5か年であることと関わりがあるかもしれません。

日本財団のFAQより
日本財団の事業実績レポートより
ヘレンの開設時期は2017年10月
当該年度末は2018年3月末
ヘレン閉鎖のお知らせより
閉鎖は2023年9月末
上記、最低限運営せねばならん期日は2023年3月末。
  • 具体的には「最低限運営せんと日本財団から助成金を召し上げられる可能性がある期間」が過ぎてすぐに閉鎖した感じではなかろうかと想像してしまいますが、どうなんでしょうね。

  • 実際の需要と供給のミスマッチは早期に顕在化していたけど、しゃあなしに期日の到来を待っていた可能性もあるのでは?

  • もちろん当初の施設コンセプトが区民の需要を掴めていなかったのだとしたら問題なんですが、仮に日本財団に助成金を返還するのが嫌だからと漫然と時間の経過を待っていて、方針転換が遅れたのであれば、それはそれで問題でしょうね。

3、まとめ

  • 以上の通り、詳細が判明していないことが多いので散漫な書きぶりになりましたが、やはりプロポーザルが適正だったかどうかというのが重要な感じです。

  • 本件おやこ基地シブヤの「売り」である保育、病児保育、障害児保育等のパッケージ提供は渋谷区民が求めていたはずなのですが、ヘレンの閉鎖を踏まえると、実際はそれが空振りだったわけで、そもそもプロポーザルの前提となる調査が適正に行われていたかも検証が必要そうです。

  • 土地の低廉貸付や建物整備費用のほとんどを渋谷区が担うという厚遇については、「広く募集したけどフローレンスさんしか応募してくれなかったんだもん」ということであれば、まあ仕方ないねとなるかもしれませんし、実質的にフローレンスしか応募できないような細工がなされていたのであれば問題になるかもしれません。

  • また、施設が想定通り活用されていない現状を踏まえて賃料が適正に更新されているかどうかは、それはそれとして独立した焦点になりそうですね。

  • いずれにしても追加資料を待ちたいところです。

以上

過去記事もよろしく


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