【理学療法士】mJOHNSNOWというサービスに5,980円/月 ずつ1年間課金してみた
あけましておめでとうございます。
仕事始めに先立って、昨年の振り返りから始めます。昨年の私の中のトピックといえば、mJOHNSNOWと思います。

2026年1月で、承認制のオンラインスクール「mJOHNSNOW」に入会してから、ちょうど1年が経過しました。

入会には、これまでの学歴や入会動機、「何を成したいのか」を記した申請が必要で(今も同じかは分かりませんが)、昨年末に申請書を書きながら、「本当に入れるのだろうか」と少し不安な気持ちで年越しを迎えたのを覚えています。
2025年の年が明けて1週間ほど経った頃、無事に入会許可の連絡が届きました。
↓↓ ちょうど1年前の記事 mJOHNSNOWに入会した時のこと 〜 1年経過してどうなったのでしょうか?
そこから1年間、月額5,980円を支払いながらこのサービスを利用してきた立場として、今回は率直な感想を書いてみようと思います。
まず私自身のバックグラウンドについて簡単に触れておきます。
私は理学療法士として回復期リハビリテーション病院に勤務しながら、2020年のコロナ禍の最中に公衆衛生大学院へ進学し、Master of Public Health(MPH)の学位を取得しました。
そのような立場の人間が、1年間このオンラインスクールに参加してみて、何を感じたのかをお伝えします。入会を検討している方にとって、判断材料の一つになれば幸いです。
✒️筆者紹介
理学療法士/修士(リハビリテーション学・公衆衛生学)
回復期リハビリ病院では病棟主任・教育主任を歴任。脳卒中後の機能回復と栄養管理の臨床・研究に携わる。
リハビリテーション医学の科学的根拠を追求すべく、大学院にてリハビリテーション学の修士号を取得。さらに、臨床研究・疫学・統計解析の実力を体系的に習得するため、公衆衛生学修士(MPH)を取得し、医療データの分析にも軸足を置く。
現在は、 医療リアルワールドデータ活用人材プロジェクト 東京大学履修コースで、医療の現場から得られる大規模データを用いた実証研究に取り組む。
臨床と疫学をつなぐ視点から、介入効果の可視化と医療政策への応用を目指している。臨床現場を離れ、医療研究開発センターのプロジェクトマネージャーとして新たな挑戦を始める。
🔸公衆衛生と、理学療法
mJOHNSNOWは医学研究と、公衆衛生(Public Health)に特化したオンラインスクールです。
理学療法士と公衆衛生は一見距離があるように感じられるかもしれませんが、公衆衛生学は「集団の健康を守る学問」です。
集団に対して健康的な行動を促すためには、ヘルスコミュニケーションやマーケティング、医療政策といった体系的な知識が欠かせません。そして、その効果を確かめるためには、統計学や研究デザインを避けて通ることはできません。
正直なところ、統計学や疫学については、理学療法士養成校でどこまで学んだか、記憶の彼方という方も多いのではないでしょうか。実際に手を動かして解析する機会は、臨床現場ではどうしても限られます。
だからこそ、「もう一つ専門性を持ちたい」と考える人にとって、Master of Public Health(MPH)という選択肢は、十分に現実的で価値のあるものだと私は考えています。
↓↓ 公衆衛生学ってどんな学問?理学療法士と関係ある?
🔸さて、本題のmJOHNSNOWです
私はMPHの学位を取得したものの、その資格を十分に活かせているとは言えない状況でした。
回復期リハビリテーション病院では、公衆衛生を専門としていると言っても理解されることはほとんどありません。そもそも当時、理学療法士が公衆衛生大学院へ進学すること自体がかなり尖った選択で、先日参加した大学院教室100周年記念の場でも、当時は理学療法士はまだ2人目だったと知りました(現在は徐々に増えているようです)。しかも、その1人目の方とは今でも面識がありません…。
県内でキャリアについて相談できる人もほぼおらず、「学位は取ったが、次にどう進めばいいのか分からない」という感覚を抱えたままでした。
mJOHNSNOWの中には、公衆衛生を共通言語として持つ人が多くいます。スクール内では所属や学位を公開するルールがあり、アカデミア、行政、企業など、さまざまなバックグラウンドを持つ人と交流できます。
受講者同士の個別のダイレクトメッセージは禁止されていますが、オープンスペースで進路相談や学術的な相談を行うことができます。この設計がむしろ健全だと感じました。
🔸潮目が変わった4月
4月中旬には、「医療系論文70本以上のアカデミア → 戦略コンサルタント!? プロの本音 vol.8」というリアルタイムオンライン講義がありました。
同じ理学療法士であり、アカデミアから戦略コンサルタントへ転身した講師による講義で、個人的にも非常に強く刺さりました。
「何を求めて働きたいのか」
「得るために、何を手放すのか」
リアルタイム講義では、本講義に関わらず、受講者同士がスレッドに書き込みをしながら進行します。分からない点はその場で質問でき、講師や他の受講生から反応が返ってくる。この双方向性によって、講義は非常に高い熱量で進んでいきます。私も、講義中から積極的に質問を繰り返しました。
そして講義の後も、この講師の方とオープンスペースで「異業種で働くとはどういうことか」についてディスカッションを続け、自分の中でキャリアの解像度を少しずつ上げていきました。
その頃、職場や家庭で思いがけない出来事が重なり、転職を意識するようになります。どうせ転職するなら、公衆衛生を活かせる場所で働いてみたい。そう考えるようになりました。
転職を意識してからは、mJOHNSNOWのコミュニティ内でそのことを公にしました。
スクール内の情報を外部に漏らすと強制退会になるという前提があるため、安心して状況を共有できました。進捗を書き込むたびに多くの応援コメントをもらい、「自分も転職を考えている」という他の受講生とも自然につながることができました。
最終的に、10月から公衆衛生の知識を存分に活かせる異業種への転職を果たしました。
🔸私の学び方
これまでは、理学療法士という専門性に“トッピング”として公衆衛生の知識を使っていましたが、これからは公衆衛生や、医学研究そのものが専門となる環境に転職しました。当然、さらに学び続ける必要があります。
職場には新たに習得すべき専門書が山積みですが、業務もある中で、まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。
mJOHNSNOWでは一流講師の講義動画が見放題なので、机に向かう時間が取れない日は、家事の合間に「聞き流し」で学習しています。効率の良い学び方とは言えないかもしれませんが、何度も繰り返し聞くことで、言葉を身体に染み込ませるようにしています。
集中したい時には、オンライン自習室を利用しています。
早朝から深夜まで、誰かしらがそこにいる。ひとりで勉強しているわけではないと感じられ、同じ時間帯に利用することで、学習が習慣化してきました。
講義には、無料の統計ソフトRを使った演習も含まれていますが、年の途中からはAIを用いたコーディングに関する内容も増えてきました。
今では、たどたどしくコードを書くよりも、「こういう解析をしたい」とAIに投げる方が早い場面も多く、解析のハードルは確実に下がっています。その一方で、この流れに乗らなければ、知っている人と知らない人の差はさらに広がるとも感じています。
🔸大学院か、オンラインスクールか
私がmJOHNSNOWに支払っている価値の感覚としては、動画視聴よりも、会員同士の交流を支えるシステムへの対価が8割といったところです。
大学院も、学業に加えて「人とのつながり」を得る場という側面がありますが、国立大学院でも2年間でおよそ135万円、私立ならそれ以上の費用がかかります。40代になり、子どもが受験期に差し掛かる立場では、今から大きな学費を動かすのは現実的ではありません。
mJOHNSNOWは月額5,980円です。単純計算すると、同じ金額で18年以上利用できることになります。
私は大学院で学位という社会的信用を得ることができましたが、研究を自在に回せるようになるには2年では足りず、修了後のサポートも十分とは言えませんでした。
さすがに18年とは言いませんが、並走してくれる仲間と学び続けられる環境を「サービス」として持てる安心感は大きい。
どこに、どのようにお金と時間を投資するかを考えたとき、大学院の代替、あるいは補完として、このようなオンラインスクールを選ぶのも一つの現実的な選択肢だと、今は考えています。
🔸mJOHNSNOWに入ると医学研究ができるようになるのか
結論から言えば、現時点では「このサービスをフル活用すれば、研究を1から10まで一人で完結できるようになる」というタイプのものではない、という印象です。
実際、受講者の多くはすでに何らかの形で臨床研究に取り組んでおり、mJOHNSNOWは“ゼロからの養成所”というより、“走っている人のための場”に近いように感じます。
動画で知識を補える点は大きな強みですが、学会発表や論文化までを見据えた実践的なノウハウは、やはり密な個別対応がなければ難しい。
動画学習と断片的な助言だけで完走できるのは、もともと解像度の高い人に限られるでしょう。
さらに、秘匿性の高いデータを扱う臨床研究では、倫理面やシステム面の管理も重要になります。この点では、オンラインスクールという形式自体に限界があり、大学院などの環境を一度挟む意義も、やはりあると感じています。
スクール内には「mjcollaboration(共著者制度)」というチャンネルも用意されていますが、現時点では活用が見えにくい印象です。今後、この仕組みが発展していくのか、それとも動画コンテンツの充実に舵を切るのかは分かりませんが、サービスとしての伸びしろには期待しています。
(この記事を書いている途中で、新講座の立ち上げが発表されました。すごい量で圧倒されています。)
🔸まとめ
私は1年間、実際に課金して参加してみました。
公衆衛生を学んだ後の“出口”はもともと分かりにくいため、関心を持つ人は限られるかもしれません。また、「臨床研究を立ち上げから論文化まで一気にできるようになる」ことを期待すると、現時点では割高に感じる人もいると思います。
一方で、顔も知らなかった人たちとつながり、オンラインの部活やピアグループを通じて学び続けられる環境は、想像以上に心地よいものでした。
月額5,980円は一見高く見えますが、提供されている内容や、他の学習機会と比べると、その質は素晴らしいと感じています。
mJOHNSNOWは、まだ発展途上のサービスです。そして、このスクールの主役は運営ではなく、受講者一人ひとりです。とにかく皆の熱気がすごい。受講者で力を合わせて、スクール内も変化していくのでしょう。
また私自身は、この場で得た学びやつながりが転職の後押しとなり、結果として今のところその選択は成功だったと思っています。
その意味で、背中を押してくれたmJOHNSNOWには、率直に感謝しています。
異業種転職を果たした今、公衆衛生はもはや“関心分野”ではなく、仕事のど真ん中になりました。どれも「知っている」だけでは足りず、プロとして「使える」ことが求められます。
これからも私は、この場を使い倒しながら、
公衆衛生を「学歴」ではなく「実装できる専門性」に変えていく。それが、今の私の目標です。
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