SE7EN×ファイト・クラブ 架空YouTube動画 【衝撃の結末】箱の中から現れたのは「究極の絶望」だった……【ゲスト:タイラー・ダーデン】
第3戦 お題:ちいかわ
ミルズ:(脂汗を流しながら)
「……タイラー。……さっきから、箱の奥で何かがこすれる音がする。……カサカサって音じゃない。……もっと、こう……柔らかいものが震えてるような音だ。おい、この箱、中で何かが動いてるぞ! 生きている何かが入ってやがるんだ!」
タイラー:(カメラに向かって不敵に笑い、手にした石鹸の匂いを嗅ぐ)
「命の鼓動か? 素晴らしいじゃないか、デビッド。これまでの肉やパスタは、いわば死んだ過去の残骸に過ぎなかった。だが、この3つ目の箱にあるのは『現在』という名の残酷な真実だ。現代社会が産み落としたあまりに純粋で、あまりに脆弱な、ある種の……究極の生命体だ。」
ミルズ:
「理屈をこねるな! 中身を言え! ジョン・ドゥがまた何か仕掛けたのか!? それとも、お前のあの薄汚れた石鹸工場の連中が作った爆弾か!? 答えろ!」
タイラー:(ミルズの肩に手を置き、耳元で囁く)
「答えは常に箱の中にある。お前は刑事だろ? 自分の指先で、この時代の正体を検死してみろ。……それとも何か? またあの砂漠の時のように他人の言葉を鵜呑みにして、引き金に指をかけるだけの臆病者に戻るつもりか? 痛みを受け入れろ、デビッド。この箱に触れることは、お前自身に触れることだ。」
ミルズ:(歯を剥き出しにして、カメラを睨みつける)
「……クソッ……クソッ! 分かったよ、やればいいんだろ! 見てろよ、中身が何だろうと俺が特定してやる!」
【テロップ:いよいよ運命の第3戦……箱の中には「生きた絶望」が!?】
(※ミルズは決死の覚悟で震える右手をゆっくりと箱の穴へ差し込む。その瞬間、マイクが箱の内部から漏れ出る小さな声を拾う)
???:
「……フッ……。……ワッ……」
ミルズ:
「(指先が触れた瞬間、体が電流が走ったように跳ねる)……ッ!? ……おい、今の声を聞いたか? ……柔らかい。なんだこれ、綿菓子か? いや、温かい。……毛羽立っている。……小さい、心臓の鼓動が指先に伝わってくるぞ。……待て、これ、泣いてるのか? 震えてやがる……」
タイラー:(楽しそうに)
「どうだ、デビッド。そいつはどんな感触だ? 絶望に濡れているか? それとも、あまりの無力さに打ちひしがれているか?」
ミルズ:(呼吸が激しくなり、瞳孔が開く)
「……ああ。……震えてる。俺が指を近づけるだけで、必死に隅っこに逃げようとしてやがる。……ジョン・ドゥの野郎、今度はこんな小さな、無垢な存在を箱に詰めたのか。……トレイシーを殺しただけじゃ飽き足らず、こんな……こんな言葉も持たない赤ん坊のような存在を……!」
タイラー:
「ほう、正義の騎士がまたお出ましだ。で、お前のその『優秀な指先』は、そいつが何だと告げている? 答えろ、デビッド。What's in the box!」
ミルズ:(絶叫に近い声で)
「……これは……これは、この世から見捨てられた『哀れみ』だ! 名前なんてない。ただ、誰かに守られるべきで、それでいて誰にも守られなかった……救いのない、むき出しの命だ……! 答えは、『ジョン・ドゥが用意した、最後の供物』だ!!」
タイラー:(冷酷に笑い飛ばしながら)
「ハッ! 相変わらずドラマチックだな、お前は。……いいか、ドラマは終わりだ。そいつを引きずり出せ。現実という名の光の下に晒してやるんだ。」
(※ミルズは悲壮な決意を固め、中身を優しく、しかし確実に掴んで一気に外へ引き抜く)
ミルズ:
「……なんだ……これは……?」
(ミルズの骨太な手に握られているのは、**白くて丸い、耳のついた小さな生き物。……それはミルズの荒れた顔を至近距離で見つめ、潤んだ瞳をさらに大きく揺らしながら、絶望的な声を上げる)
ちいかわ:
「ワッ……! ……アワワワ……!」
【テロップ:正解は「ちいかわ」!】
ミルズ:
「…………は? ……なんだ、この……この、白いマシュマロみたいなのは。……おい、タイラー。これのどこが『究極の真実』なんだ? これのどこが、ジョン・ドゥのメッセージなんだよ!」
タイラー:(ちいかわの頬を指で小突きながら)
「見ろよ、この圧倒的な無防備さを。こいつはただ、そこにいるだけで攻撃を誘発し、捕食者の食欲をそそり、理由もなく理不尽な怪異に襲われる。……デビッド、これこそが、お前が必死に守ろうとしている文明社会の末端、お前自身の内側に潜む『弱さ』の象徴だよ。」
ミルズ:
「(混乱が極まり、ちいかわを凝視したまま手が震え出す)……弱い……? こいつが……? ……おい、こっちを見ろ! お前の名前は何だ! ジョン・ドゥはどこだ! 奴に何を教えられた! 言えッ!!」
ちいかわ:
「ヒッ……。……エ、エ……?(ミルズの怒声に怯え、目から涙が溢れ出す)」
ミルズ:(パニックが加速する)
「……泣くな! 泣くんじゃねえ! ……おい、何とか言え! 『ワッ』じゃ分からねえんだよ! 俺は刑務所でお前の言葉を翻訳するボランティアをしてるんじゃないんだ! ……答えろ、お前が持っているその小さな熊手は何だ! 凶器か!? 誰を刺したんだ!!」
ちいかわ:
「フ、フワッ……。……ウワァァァァァン!!」
ミルズ:(絶叫)
「クソッ!泣きやがった!! なんだ、今の周波数は! 何かのジャミングか!? サマセット! サマセットを呼べ! こいつ、何も喋らないくせに、俺の精神を直接削ってきやがる!!」
タイラー:(カメラに向かって親指を立て、最高に爽やかな笑みを浮かべる)
「――というわけで、検証結果。伝説の刑事デビッド・ミルズでも、『言語の通じない圧倒的な弱者』の前では、ただの情緒不安定な男に成り下がる、でした。……おいデビッド、そいつをあんまり強く握るなよ。そいつの討伐報酬はお前の年収より低いんだからな。」
ミルズ:(虚ろな目で、号泣するちいかわを両手で包み込み、床に膝をつく)
「……俺は……俺はジョン・ドゥを射殺した時、すべてが終わったと思っていた。……でも違った。……あいつが最後に遺した『箱』の中には、こんな……こんな救いようのない、理不尽な可愛さが詰まってやがったんだ……。……俺の負けだ。……俺の負けだ、タイラー……」
ちいかわ:
「(ミルズの涙を、短い腕でそっと拭おうとして)……フ……。……フワッ……」
ミルズ:(鼻水と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら)
「……優しいな……お前……。……よし。……もう大丈夫だ。……俺が、署まで連れてってやる。……とりあえず、身分証がないなら一晩泊まっていけ。」
ちいかわ:
「エ……?(困惑した顔)」
※エンディングのBGMが流れ始める
タイラー:
「いい締めだな。次回の動画は、『元刑事が草むしり検定5級に挑戦してみた』だ。……お楽しみに。」
ミルズ:
「……タイラー、こいつの願書はどこで買えるんだ……? ……答えろ、タイラー!!」
【画面:THANK YOU FOR WATCHING!(※血文字)】
ミルズ:
「……高評価……ボタンを押せ。……それが、この救いようのない世界を……わずかに延命させる、唯一の、……唯一の手続きだ。……チャンネル登録も……忘れるな。登録しなかった連中の名簿は、すでに……当局に回している。……次に『箱』が届くのは、お前の家かもしれないぞ……」
タイラー:
「いいぞ。脅迫めいた呼びかけこそ、真のマーケティングだ。ついでにベルマークについても教えてやれ。」
ミルズ:
「……ベルのアイコンを……押しておけ。……通知が届くたびに、思い出せ。……ジョン・ドゥは……まだどこかで、お前の隙を狙っている。……通知を、無視するな。……俺のように、手遅れに、なりたくないならな……」
