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幻想小説|尊き君へ─第7話:幻影と君と─



──僕は、紡さんの持つフォークから、


ゆっくりと口を開いて、その“ケーキ”を食べた。




  ……本当に、甘くないね。

  見た目は、ケーキなのに──
  なかなかに、興味深い味だな。
                 」





  ふふふ……よかった。

  こうやって、ロイくんと──
  “ケーキ”が食べられるなんて。

  ……今日、この日を思い出して。
  私の毎日がまた、彩られていくの。
                   」



そうして、紡さんは──

僕の目を見つめながら、

優しく、微笑みかけてくれた。



紡さんは──

どうして、これほどまでに……。



──“愛おしい”存在なのだろうか。




気づけば、僕は。


幸せそうな紡さんに“右手”を伸ばして、

“愛らしい”頬を、優しく摘んでいた。





  …もう、ロイくんってば…!
                」



すると、一瞬だけ。

紡さんは、驚いたような表情(かお)をしていた。


そして、すぐその後に。

また、愛らしい表情(かお)を見せてくれる。





  ふふふ……。

  君の色々な表情(かお)が見られて
  ──僕は、本当に“幸せ者”だな。
                  」




………あぁ。




この時間が──


永遠(とわ)に続けば、最高なのになぁ……。




そして、僕は──


自分の“右手”を、


愛おしい君の頬に沿うようにして。




──そっと、優しく、触れた。







  君は、いつだって──
  愛おしくて、尊い存在だ。

  僕はもう、何があったとしても。

  君から離れてしまうような──
  そんな馬鹿な真似はしないと。

  ──ここに“約束”するよ。
                  」




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