痛い場所だけを揉んでも、なかなか楽にならない理由
肩が痛ければ、肩を揉む。
腰が痛ければ、腰を押す。
つらい場所へ手を当てるのは自然なことですし、それで楽になる場合もあります。
ただ、何度揉んでもすぐに戻る、押すほど痛みが強くなるというときは、痛い場所だけを追いかけないほうがよいかもしれません。
身体では、痛みを感じている場所と、負担のきっかけになっている場所が必ずしも一致するとは限らないからです。
たとえば、肩そのものに強い問題がなくても、首を動かしたときに肩や腕へ痛みを感じることがあります。
腰がつらくても、股関節の動きが小さくなり、その分を腰が補っている場合があります。
足の痛みをかばって歩き続けた結果、反対側の腰や膝へ負担がかかることもあります。
だから施術では、痛い場所だけでなく、
どの動きで痛むのか。
身体をどちらへ動かすと楽になるのか。
いつから始まったのか。
仕事や家事でどんな姿勢が多いのか。
以前にけがをした場所はないか。
といったことを確認します。
痛い場所から離れたところへ触れると、「そこは痛くないのに、なぜ施術するのですか」と思う人もいるかもしれません。
その理由は、身体全体の動きの中で、どこが無理を引き受けているかを見るためです。
ただし、「痛い場所と原因は別です」と最初から決めつけるのも違います。
打撲や捻挫、使いすぎによる炎症など、痛みのある場所そのものに問題がある場合もあります。
内臓の病気などによって、別の場所に痛みを感じることもあります。
痛みは、施術者が触った感覚だけで原因を断定できるほど単純ではありません。
突然の強い痛み、胸や背中の痛み、息苦しさ、発熱、冷や汗、手足のしびれや力の入りにくさ、転倒後から続く痛みなどがある場合は、整体だけで様子を見ず、医療機関へ相談してください。
また、痛いところを強く揉み続けることで、かえって刺激が重なり、つらさが増すこともあります。
セルフケアをしていて痛みが強くなるなら、「効いている途中」と我慢せず、一度やめて状態を確認することが大切です。
僕が施術で探しているのは、身体の中にある一つの悪者ではありません。
痛みのある場所だけが頑張りすぎているのか。
別の場所をかばって負担を引き受けているのか。
生活の中で同じ動きを繰り返しているのか。
そうした関係を一つずつ見ていきます。
身体は、部品が別々に並んでいるものではありません。
首、肩、背中、腰、足がつながり、動きを補い合っています。
だから痛い場所だけで答えが出ないときは、身体全体と毎日の使い方を見る。
それが、必要以上に刺激を強くせず、今の身体に合う施術を考えるために大切だと思っています。

同じ場所を何度揉んでもつらさが戻る方へ。たなごころでは、痛い部分だけでなく、身体全体の動きや普段の生活も伺いながら施術を組み立てています。
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