身体の左右差を、すぐに「歪み」と怖がらなくても大丈夫
鏡を見ると、左右の肩の高さが違う。
片方の骨盤が上がっているように見える。
靴底も左右で減り方が違う。
こうした違いに気づくと、「身体が歪んでいるのでは」と不安になる人がいます。
整体の広告などで、左右差のある写真を見せながら「この歪みが不調の原因です」と説明されることもあります。
けれど、人の身体はもともと完全な左右対称ではありません。
利き手があり、立つときの癖があり、仕事や家事でよく使う側も違います。心臓や肝臓など、身体の内側も左右対称に並んでいるわけではありません。
そのため、肩や骨盤の高さが少し違うだけで、すぐに異常だとは決められません。
僕が大切だと思うのは、左右差があるかどうかだけではなく、その差によって何に困っているのかを見ることです。
左右差はあっても、痛みがなく、日常生活にも支障がない。
反対に、見た目は大きく崩れていなくても、動くと痛い、同じ場所に負担が集中する、以前できていた動作が難しくなった。
この二つでは、確認すべきことが違います。
姿勢の写真は、身体を見る手がかりの一つにはなります。
ただ、一枚の写真だけで、普段の動き方や痛みの原因まですべて判断することはできません。
立つ位置、足幅、撮影する角度、服のずれ、その日の疲れによっても見え方は変わります。
施術では、静止した姿勢だけでなく、
歩いたときにどう動くか。
腕を上げたときに左右で違いがあるか。
どの動きで痛みが出るか。
力を抜いたときと踏ん張ったときで何が変わるか。
そうしたことも確認します。
そして、左右を無理に同じ形へそろえることだけを目標にはしません。
本人が楽に呼吸できること。
必要な動作を無理なく行えること。
施術後だけでなく、普段の生活で負担が減ること。
そのほうが、見た目の左右対称より大切な場合があるからです。
もちろん、急に肩の高さが変わった、片側に力が入りにくい、しびれがある、強い痛みが続く、歩き方が急に変わったなどの場合は、単なる身体の癖と自己判断せず、医療機関で確認してください。
左右差を見つけたときに、「身体が壊れている」と怖がる必要はありません。
まずは、いつから気になっているのか、痛みや動かしにくさがあるのか、生活の中で何に困っているのかを見ていきます。
身体は、左右差が少しでもあれば不調になるほど単純なものではありません。
違いがありながらも、全体でバランスを取り、毎日の動きに適応しています。
施術者が不安をあおって「歪みを直さなければ」と思わせるのではなく、今の身体がどのように動き、どこに負担がかかっているかを一緒に理解することが肝心だと思っています。

姿勢や左右差が気になるけれど、どこまで施術が必要か分からない方へ。状態を確認したうえで、施術でできることと医療機関へ相談すべきことを分けてお伝えします。
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