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知るメモ|【BeReal】|ありのままを投稿するだけのアプリが、なぜ情報漏洩祭りを引き起こすのか?~通知に縛られる恐怖!

スマートフォンを開けば、誰かのキラキラした日常が流れてくる。
旅行先の絶景、完璧に盛られたセルフ写真、フォロワーの「いいね」がつくたびに、少しだけ自分の価値が証明されるような感覚・・・
Instagramは「映え」という文化を社会に根付かせ、TikTokは巧みな編集と音楽で、誰でも「コンテンツクリエイター」になれる時代を作った。現代のSNSは、いつのまにか「見せたい自分」を演じるための舞台にように、加工されたデジタルデータで溢れています。
それ自体は否定されるものではないが、その副作用として「SNS疲れ」と呼ばれる現象が若者を中心に広がり始めてもいます。

加工された写真と比べて自分の顔に落ち込む。
旅行に行った友人の投稿を見て、自分の日常がみすぼらしく感じる。
投稿する前に何十枚も撮り直し、フィルターを何種類も試す。
「いいね」の数が伸びなければ投稿を消す。

こうした「消耗」に対する反対の立場として、2020年にフランスで生まれたアプリがあります。
それが「BeReal(ビーリアル)」です。


BeRealとは何か?その仕組みと思想

BeRealのコンセプトはシンプルかつ過激。
1日1回、予告なく通知が届く。
そこから2分以内に、前面カメラと背面カメラで同時に写真が撮られ、すぐに投稿される。

フィルターはない。加工はできない。
2分を過ぎれば「遅刻投稿」として記録される。
削除と再投稿を繰り返すことも可能だが、「何回やり直したか」が友人に表示されてしまう。
事前に撮りためた写真は使えない。「今この瞬間」しか記録できない。

さらに特徴的なのが、自分が投稿しないと他人の投稿を見られないという仕組みです。
見る専門の「ROM専(ロムせん)」が成立しない設計になっています。
全員が「さらけ出す側」でもあり、「見る側」でもあるということです。

アプリの名前「BeReal」は、「Be Real=リアルであれ」というメッセージそのもの。
開発者のアレクシス・バラット氏は、Snapchatのヨーロッパ担当として勤務した経験を持ち、SNSの内側をよく知る立場からこのアプリを生み出した。「完璧さではなく、正直さを共有しよう」
その思想は、ロゴにも機能にも、細部まで一貫して貫かれています。


なぜ若い世代に爆発的に流行したのか

BeRealが正式リリースされたのが2020年
だが、広く知られるようになったのは2022年のことです。
App Storeのダウンロードランキングで首位を獲得し、アメリカの大学キャンパスで口コミで広まり、瞬く間に世界的なムーブメントへと発展した。2022年末には月間アクティブユーザーが2,000万人を超えたとも言われています。

なぜこのタイミングで爆発したのか?

背景にあるのは、コロナ禍という特殊な時代。
外出自粛が続いた数年間、人々は「映える投稿」を作ることが物理的に難しくなった。
旅行もできない、外食もしない、イベントもない。
それでもSNSの中では「充実した日常」を演じ続ける同調圧力があった。
この矛盾が積み重なり、「もう飾るのをやめたい」という欲求が社会に蓄積されていたのだ。

また、子供のころからIT関連に触れてきた、SNSリテラシーが高いZ世代の台頭も見逃せない。
彼らは幼少期からSNSに触れ、その「演出された世界」の虚構性を肌で理解している。
InstagramやTikTokに「疲れた」と感じる層がまさにこのZ世代であり、BeRealはそこに刺さったのです。


若者に刺さる心理的メカニズム

BeRealが単なる「新しいアプリ」にとどまらず、多くの若者の心を掴んだのには、心理的な理由があります。

①「映え」からの解放と心理的安全性

まずは「映え」からの解放。
前触れもなく通知が来て、その2分以内に投稿を迫られる。
過去の画像は使えない、加工もできない。
だからこそ、特別でない日常がそのままコンテンツになる。
見栄を張る必要がないこの空間に、多くの若者が「ここなら本当の自分でいられる」という安らぎを見出したです。

②同時性がもたらす連帯感

BeRealの通知は全員に同時に届く。日本時間の昼間であれ、深夜であれ、通知が来た瞬間、フレンドリスト上の全員が同じタイミングで「今の自分」を記録している。
「みんな今これやってるんだ」という感覚が他のSNSにはない、リアルタイムの共有体験となる。
SNSが往々にして「過去の自分の記録」を発信する場であるのに対し、BeRealは「今この瞬間の切断面」を全員で共有する。
このライブ感が、特に仲間意識を大切にするZ世代に強く響いた。

③相互性の仕組みが生む健全な関係性

「自分が投稿しないと他人を見られない」という仕組みは、単なる機能的制約ではないです。
これはギブ・アンド・テイクの強制であり、SNSによくある「一方的に消費する」という非対称な関係性を崩す試み。
全員が同じルールの下でさらけ出すという対等性が、親密な関係を築きやすくする。
友人の素の姿を見ることで生まれる「あ、この人もこんな感じなんだ」という安心感が、現実の人間関係を深める会話のきっかけにもなっているのです。


BeRealのデメリットとリスクを直視する

美しいコンセプトを持つBeRealだが、当然ながら課題もあります。

通知への縛り

「いつ来るかわからない」という仕組みは、同時に「常にスマホを手放せない」という拘束感にもなりうるもの。
会議中、食事中、運動中・・・タイミングを選ばず鳴る通知に振り回される感覚を持つユーザーは少なくないです。
「通知が来たのに撮れなかった」という罪悪感が積み重なれば、それもまた新たなストレスになりうるでしょう。

「何もない日常」への不安

BeRealを続けていると、ある悩みが出てきます。
毎日自宅にいる、移動がない、仕事が同じ繰り返し・・・
そんな日常が続くと「投稿内容がマンネリだ」という焦りが生まれる。
ありのままでいいと言いながら、もっと面白い日常を送らなければという新たなプレッシャーが生まれることもある。

人間の承認欲求は非常に根強い。BeRealもまた、その欲求から完全に自由なツールではないのかもしれない。

プライバシーのリスク

予期しないタイミングで撮影を要求されるということは、意図せず写り込む可能性のある情報も増えるということです。
背景に映り込む住所、郵便物、家族の姿、職場の情報など
本人が意識していないプライバシー情報が露出するリスクが大いにある。

また、フレンドリストの管理が甘いと、本来見せたくない相手に日常を覗かれることにもなりかねない。
リアルであることのリスクは、SNSリテラシーとセットで考える必要があるでしょう。

「リアル」の演出という新たな矛盾

興味深いことに、BeRealが広まるにつれて「意図的に面白い状況を作ってから投稿する」という行動が観察されるようになっているようです。
通知が来る前から「映える日常」をセッティングしておくという手間をかける。
これはBeRealの精神に真っ向から反する行為です。
加工を禁じれば演出が生まれる。人間の自己呈示欲求はそれほど強い。


情報漏洩のリスクはあるのか?

結論から言うと、使い手の意識次第で、物理的な情報漏洩のリスクは高いと言えます。

注意すべきポイント

  1. 位置情報:
    デフォルト設定で位置情報がオンになっていることが多く、自宅や勤務先が特定される原因になります。

  2. 映り込み:
    内カメラと外カメラを同時に撮影するため、自分の背後に写っている書類、PC画面、鏡に映った部屋の様子などが意図せず流出する恐れがあります。
    西日本シティ銀行や仙台市立小学校、病院などでの情報漏洩は、そうやって無意識に映ってしまった情報なのかもしれません。

  3. デジタルタトゥー:
    アプリ上では投稿後24時間で消えるとはいえ、それのスクリーンショットを撮られれば他SNSに永遠に拡散され続けるリスクはゼロではありません。


まとめ

BeRealは、デジタルな世界で「人間らしさ」を感じられる素晴らしいツールです。
しかし、その「リアル」ゆえに、情報の取り扱いには他のSNS以上の注意が求められます。
最低限のガードを固めた上で、飾らない友人との時間を楽しみましょう!


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