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実質賃金が5ヶ月連続プラス。なのになぜ、日経は下がったのか

今朝の記事で「7万円台の攻防が続く」と書いた。

今日のJP225の終値は69,737円だった。7万円を割って終えた。

しかも今日は、朝に賃金データが発表されて「実質賃金が5ヶ月連続プラス」という良いニュースが出た日だ。良いニュースが出たのに、株が下がった。

「意味が分からない」と感じた人も多いと思う。今日はその「なぜ」を話したい。

今日の賃金データ、中身を見ると少し複雑だった

今朝8時30分に発表された5月の賃金データ。見出しは「実質賃金5ヶ月連続プラス」と明るい数字だった。

名目賃金(額面の給料)は前の年と比べて3.2%増。実質賃金(物価を引いた後の実際の購買力)は1.4%増。5ヶ月連続でプラスを維持した。春闘の最終集計でも5.01%という高い賃上げ率が確認されていて、賃金の上昇基調は続いている。

でも中身をもう少し掘ると、気になる数字があった。

ボーナスなど「特別給与」の伸びが前の月の10.3%増から5.2%増に大きく鈍化した。名目賃金の伸びそのものも4月から少し減速している。「上がっているけど、勢いが落ちてきた」という印象なんだ。

「良いニュース」なのに株が下がる理由

ここが今日一番伝えたいことだ。

なぜ良いニュースで株が下がるのか。答えは「相場は今日のニュースより、明日以降を先に読んでいるから」だ。

株や指数の価格には、すでに「これから先の期待」が織り込まれている。つまり、今日発表されたデータが良くても、それが「みんなが予想していた通り」か「予想より少し悪い」なら、価格は下がることがある。

今日の賃金データも、実質賃金がプラスなのは市場も分かっていた。でも名目賃金の伸びが鈍化して、ボーナスが大きく減速したことは想定より少し弱かった。「想定内か、少し下振れ」という受け取り方をされた瞬間に、買いの勢いが止まる。

さらに、今夜は日本経済より大きな材料が控えている。明日のFOMC議事録だ。アメリカの中央銀行の会議の中身が明日明らかになる。このビッグイベントを前に「今日はリスクを減らして様子見しよう」という動きが出やすい。これも今日のJP225が7万円を割った一因だと俺は見ている。

今朝「7万円台の攻防」と書いた通りになった

今朝の記事で「直近高値付近での攻防が続いている」「ここで失速するなら一段の調整も頭に入れておきたい」と書いた。

それが今日の終値69,737円という形で現れた。「予言した」と言いたいわけじゃない。ただ、「節目付近では失速しやすい」という原則は、今日もきちんと機能したということだ。

こういう場面で俺が思うのは「相場は正直だな」ということだ。7万円という大台付近では利益確定の売りが出やすい。そこにイベント前のリスク回避が重なった。チャートで見ると、今日の下落は大きな上昇トレンドの中の一時的な押しとして解釈できる段階だ。

じゃあ賃金データは株にとってプラスじゃないのか

ここで誤解してほしくない。

今日の賃金データそのものはポジティブだ。実質賃金が5ヶ月連続でプラスということは、物価の上昇より給料の増加の方が大きい状態が続いているということ。生活の実感として少しずつ余裕が出てきている、という方向だ。

これは長い目で見れば「消費が増える→企業の売上が増える→株高」という流れにつながる可能性がある。今日一日で株が下がったのは「今日のデータの解釈」と「明日のイベント前の様子見」が重なった結果で、賃金上昇のトレンドそのものが崩れたわけじゃない。

短期の値動きと、長期のトレンドは別物として考える。この視点が身につくと、日々のニュースに振り回されにくくなる。

US30・GER40は補足として

今夜時点で、米国市場は取引中、欧州市場は引け後だ。GER40は今日の欧州時間に昨日の急落からの回復を続けた後、引けを迎えている。US30は明日のFOMC議事録を前に、一進一退の動きが続いている状況だ。

どちらも明日の議事録後に方向感が出てくる可能性が高い。今夜は様子見が正解だと思っている。

俺の見立てと明日の焦点

JP225は今日7万円を割ったが、これで下降トレンドに転換したとは見ていない。大きなトレンドはまだ上向きで、今日の下落は節目での調整だ。問題は、明日のFOMC議事録が「タカ派」の内容だった場合に、円高・株安の流れが強まるリスクがあること。そうなればJP225がもう一段押される展開もあり得る。

逆に議事録が「慎重派」の内容なら、ドル売り・円高でもJP225は底堅い可能性がある。国内の賃金が上がっていて消費が支えられるなら、円高でも内需株を中心に持ちこたえる可能性があるからだ。

どちらになるかは明日の夜まで分からない。だから俺は今夜も触らない。待つのが仕事だ。

今回の学び

①「良いニュースで株が下がる」のは普通に起きる。相場は今日のニュースより「予想との差」と「これからの期待」で動く。

②賃金データの「見出し」と「中身」は違う場合がある。実質賃金プラスは事実だが、名目賃金の減速やボーナスの鈍化という中身まで見ることが大事だ。

③「節目では失速しやすい」という原則は今日も機能した。大台の手前での攻防は、どの銘柄でも繰り返される。

こういう場面でも自分の基準で動けるように、いつ入っていつ待つかをルール化している。その考え方を有料記事にまとめてある。JP225でもルールがあれば、今日みたいな「良いニュースで下がる日」も冷静に対応できる。

明日はFOMC議事録が出る。その結果と市場の反応を、また一緒に見ていこう。


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