🌸経営未来手帳・第193号「なぜ、期待することで、自分が求めていることが叶うのか」―人は、信頼された方向へ動き始める
🌸経営未来手帳・第193号「なぜ、期待することで、自分が求めていることが叶うのか」―人は、信頼された方向へ動き始める
(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
今日は日曜日なので、心を整える静かな時間、内省と振り返りの時を分かち合いましょう。
■はじめに
先日、以前読んだレス・ギブリンの『人望が集まる人の考え方』を読み返しました。
カーネギーの『人を動かす』と並び、人間関係の本質を伝える名著です。
その中で、改めて心に残ったのが、「期待すること」の力でした。
経営者や管理職は、部下に対して、つい「これをやってほしい」「もっと頑張ってほしい」と要求します。
しかし、人は要求されたから動くのではありません。
「あなたならできる」と信じられたとき、自分でも気づいていなかった力を発揮することがあります。
■人を動かす秘訣
本書には、ナショナル・バンカーズ生命保険の社長を務めたピアーズ・ブルックス博士の言葉が紹介されています。
博士は、誰かに何かをしてほしいと直接求めることは、ほとんどなかったそうです。
まず、その人が「それをやりたい」と思える理由を見つける。
そして、
「あなたなら、きっとやってくれる」
「あなたには、それを行う力がある」
と信頼を伝え、最後は本人の自主性に任せるのです。
その結果、失望することはほとんどなかったといいます。
(参考・引用:レス・ギブリン著『人望が集まる人の考え方』ディスカヴァー携書)
■人は、自分で選んだときに動く
この言葉が伝えているのは、
「人は命令されたときより、自分で選んだと感じたときに動く」
ということです。
ここには、三つの原理があります。
一つ目は、意味です。
人は、押しつけられた仕事より、自分なりの意味を感じた仕事に意欲を持ちます。
二つ目は、期待です。
人は信頼されると、その期待に応えようとします。心理学では、期待が相手の成長や成果に影響することを「ピグマリオン効果」と呼びます。
三つ目は、自主性です。
目的を共有した後は、方法まで細かく指示せず、本人に任せる。そこから責任感や創意工夫が生まれます。
■期待とは、圧力ではない
ただし、期待することと、結果を強制することは違います。
「期待しているのだから失敗するな」と言われれば、期待は重荷になります。
本当の期待とは、
「あなたの中には、まだ使われていない力がある」
と信じて待つことです。
人を動かすとは、相手を操作することではありません。
その人の中にある「やってみたい」「自分にもできるかもしれない」という気持ちを引き出すことです。
そのために必要なのは、次の三つです。
1.本人が意味を感じられる理由を見つける
2.相手の力を信じ、期待を言葉で伝える
3.最後は本人の自主性に任せる
■編集後記
「期待されること」は、人を大きくする秘密なのかもしれません。
今回の文章を書きながら、高橋尚子さんを育てた小出義雄監督の『君ならできる』という言葉を思い出しました。
高橋尚子さんは、2000年のシドニーオリンピック女子マラソンで、日本女子陸上界初の金メダルを獲得しました。
もちろん、本人の努力があってこその結果です。
しかし、その努力の奥には、自分以上に自分の可能性を信じてくれる人の存在があったのではないでしょうか。
人は、自分一人では信じられない自分を、誰かに信じてもらうことで、初めて信じられることがあります。
■今日の問いかけ
あなたは最近、誰かに「あなたならできる」と伝えたでしょうか。
そして、あなた自身は、誰かに信じてもらったことで、ここまで歩いてこられたのではないでしょうか。
■ネコのつぶやき
「期待されると、ネコでも少し高い所まで登ってみたくなるにゃ」
■今日の結論
人は、命令された方向ではなく、信頼された方向へ動き始める。
第4弾🌸「初めての方へ|目的別に読む3選」
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n2dc0707c09b3
🌸経営未来手帳の編集長が選んだ40選はこちら
─経営者が未来を読むための“構造地図”
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n3596a857d755
■感想をぜひお寄せください
yasumura@biz-noukai.com まで。
いただいたご感想には、必ずお返事いたします。
■次回7月20日(月)予告
「なぜ、組織構造を再構成するには『人間理解』からなのか」
■安村 明史
経営未来手帳
「疲れた経営者が、少し言葉を預けられる場所として。
―#経営者の深夜食堂」
組織・経営の相談役
ビジネス能力開発株式会社
一般社団法人 組織開発協会
■付録

