音もなき駅前の森にて【空想地名祭・星雪町】
居眠りをしていたら、いつの間にか終点だった。
正確にいえば、終点に着いてから、何時間寝てたのかもわからない。
ここは、どこなんだろう?
駅員らしき人も、乗客らしき人も見当たらない。
プラットホームや駅舎は、煌々と照明がついている。
改札口を通ると、少し広まった空間の真ん中でストーブが炊かれている。
駅舎を出て振り返ると、駅の名前が書かれた看板が見える。
「星雪」と漢字で書かれた上に「せいせつ」とふりがなが振ってある。
知らない地名だ。というか、僕はそんな行先の電車に乗った記憶がない。
いや、待てよ? そもそも僕はどこに行こうとしていたんだろうか・・・
思い出せない。
駅前のちょっとした広場は、よくあるロータリーのようでいて、バス停もなければ建物もない。
まるで森の中なのか?と思わせるように、まっすぐな木が一面に生えている。
そして、視界の真正面には街路灯が立ち並んでいた。
もし町があったなら、メインストリートだったろうか。
そもそも、駅があるくらいだから、ここは町だったのか?
それとも、町なのか??
なんにしても、街路灯のぽつぽつとした光が、目の前の道が一本道であることを教えてくれた。
街路灯に照らされた木の葉っぱを見て、驚いた。
葉っぱが銀色なのだ。まるで雪がしみ込んだかのような・・・
その時だ。少し離れたところに、かすかな灯りを発見した。
ゆらゆらと、揺れている。こちらに近づいてきているようだ。
どうやら人なんだろうか。
地元の人なのか、駅の利用者なのか分からないけど、この「せいせつ」という場所がどこなのか、尋ねてみようと思った。
「すみませーん!」
大きな声で聴こえるように叫んだ・・叫んだはずだった。が。
「え!?」
と思わず声が出そうになった。いや、出したはずだった。
・・・何も聞こえない。。自分の声が聴こえない。
ど、どうなっているんだ?
ひとまず灯りのほうに自分から向かっていこうと思った。
そこでまた、気が付いた。
自分の足音がしない・・・
自分の耳が壊れてしまったのだろうか。
頭を手でコンコンと叩いてみた。いや、コンコンなんて音もしない。
そういえば、駅舎で炊かれていたストーブも、まったく音がせずにただ暖かかったではないか・・・
怖くて足がすくみ上ってしまった。
そうこうしているうちに、かすかな灯りはもう数メートルくらいのところまで近づいてきていた。
「あの・・・」
と言いかけて、やめた。そうだ、喋っても聞こえないのだ。
灯りの主は、ランタンを持っていた。初老のおばあさんだ。
僕に、にっこりと会釈をすると遠くを指さした。
一本道をまっすぐ行け、と教えてくれているのだと解釈した。
「ありが・・」
と言いかけてやめた。あいさつしたって聞こえないのだ。
会釈をしようとしたら、すーっとおばあさんは消えてしまった。
消えた場所には、空っぽの牛乳瓶のようなものが落ちている。
さっきまでは、こんなものはなかった。おばあさんが落としていったのだろうか。
いや、ランタン以外何も持っていなかったはずだが・・・
「なんだこれは・・・」
拾い上げた瓶は、人の体温くらいの、ほのかなぬくもりがあった。
僕は、街路灯の灯と銀の葉っぱが茂る駅舎の前で、取り残されてしまった。
すると・・
なんと、駅舎の照明まで消えてしまった!
僕はどうなってしまうんだ!?そう思った直後・・・夜空が明るくなったのだ。
その直後、僕はこの、音のしなかった街で思いがけない光景を目にするのだった・・・
(続く)
文才もないのに、つらつらと書いてしまいました。
設定を見てベッタベタに書いただけですが・・・なんとなく、町長になりたかったので(笑)
続く、と書いてますが、どなたか気が向いたら続いてくださいませ。
リレー小説みたいなのでも、おもろいかもしれませんね^^
PJさんを始めとする皆さんが主催の「空想地名祭」はこちら。
「星雪町」は、ここにあるみたい!
余談。。
昨年の同じ時期に開催された「ネコミミ村祭り」も、いわば空想地名のイベントでしたね。謎の緩さでいろいろやらせてもらいました。懐かしいなぁ。
今回のイベントも盛り上がりますように!
いいなと思ったら応援しよう!
もし楽曲や記事がいいなと思っていただけたら、創作の励みになります。よろしくお願いいたします。