野生生物の宝庫マダガスカルを巡る旅 ➉
2025/Aug./13 WED.
ノシ・イランジャへのツアー
外が明るくなってきた6:00頃、目が覚める。大きなガラス窓の先を見ると昨日と変わらず、曇った空の下に広がる海。今日は絶対に晴れて欲しいのに…
リゾートにいるのだから、それを満喫するために、本日もここ発着のエクスカレーションに参加予定。今日の行き先はここノシ・ベに来たからにはどうしても行きたかった"ノシ・イランジャ(Nosy Iranja) "という場所。ハネムーナーにも人気の場所との事で、お金がいっぱい使える彼らはその島にある豪華リゾートに滞在してゆっくり満喫するらしいのだが、小金しか持っていない人は、ノシ・ベからの日帰りツアーに参加することになる。
で、昨日のツアーの際に、おしゃべりで世話好きなおばちゃんに"明日はどうするの?"と聞かれたので、"ノシ・イランジャ に行くつもり"と、答えたものだから、"じゃあ、一緒に行きましょうよ"と、あれよあれよと話を進められた。で、約束したのは朝8:00に、昨日出発したビーチとなっている。そこで、7:20にホテルの部屋を出て、まだ静かなメインストリートを散策した後、ビーチに出て待つ。ビーチで待っていると帽子、フルーツ、パレオと物売りが次々と声を掛けてくる。

約束より20分程遅れて、昨日のメンバーがやって来た。そこで、笑顔で挨拶を交わす。で、その支払いだが、昨日の時点で"プライスは?"と聞くと"昨日と同じ"とだけ言われている。入島税はマダガシーと外国人では違うし、そもそもノシ・イランジャに入島税がかかるのかも分からない。このため、いくらかは分かっていない。
結局、このビーチに昨日と同じエージェントがやって来て、料金を徴収。"昨日との同じだ"と言うので、"だったら入島税を加味すると140,000-10,000-40,000+10,000だから、100,000アリアリだよね"とロジカルに確認すると、すると"ノシ・イランジャは遠いから"とロジカルでないことをおっしゃり揉める。で、結局、私が折れ、ここでは100,000アリアリ(約3333円)を払い、入島税10,000アリアリ(約333円)は別途現地で私が払う形になった。
ちょっとお高いが、ここではこうしたツアーがあり、これに参加すれば全てアレンジされていて楽だともいえるので良しとしよう。モロンダバのツインギーを思い出すとチャーターしか手段はなくて、大変だったもん。
ノシ・イランジャはまるで天国
今日もビーチで1Lのミネラルウォーター1本を受け取って、ツアー客が揃うまで浜辺でしばらく待機。そして、9:00頃にようやく参加者が全員揃ったらしく、指示されたボートに乗り込む。今日は昨日のメンバーだけでなく、他の観光客も乗り込み総勢で25人程もいる大所帯。このためか、昨日より一回り大きいボートで、ボートの縁にベンチがあるタイプで横向きに乗る事になる。

このボートはスピードボートでヤマハ製のエンジンを2機積んでおり、出発するとぐんぐんスピードをあげる。目指すノシ・イランジャはノシ・ベから50kmも西にあり、約80分もかかるとの事。外洋なので、波しぶきを顔に浴び、めっちゃ揺れるのではと思っていたが、意外にも海上の波は高くなく、時折ジャンプする程度である。
延々と猛スピードで波の上を進むボート。ノシ・ベはあっと言う間に遥か彼方となり、進行方向左手にはマダガスカル本島が見えている。上空はと言うと、西に向かうにつれ、青空が部分的に広がってきたが、まだ日差しはなく、日除けが少ないこのボートの上は快適。
やがて前方遠くに見えていた島が、どんどん近付いてくる。どうやらあれがノシ・イランジャらしい。実際には2つの島から成り立っており、南島は"イランジャ・ケリー"と呼ばれる小さな島で、北島は"イランジャ・ベ"と呼ばれる大きな島で、この2つの島は真っ白な砂州で繋がっている。

ボートはその砂州の真ん中あたりを目指し次第にスピードを落とす。すると、先程までずっと群青色だった海の色が、美しいエメラルドグリーンに変わる。間違いなく最高に美しい海の色だ。ヤバい。楽園感出まくり。テンションが上がる。この鮮やかな海水は、確かに訪れる人々を魅了してやまないはずだ。
ノシ・イランジャの砂州を歩む
そして、ここで錨を下ろす。早くこの世のものとは思えない島に上陸したいが、ギシギシの25名も乗っていたので、順番順番。その前に、日焼け止めを塗りたくる。この後の予定は13:00から北島でランチなので、それまで自由行動とのこと。ただ、"まずはそのランチの場所に荷物を置きに行きましょう"とガイドさんに言われたが、この島での1分1秒を無駄にしたくない。このため、ボートを降りたら、私はすぐに単独行動を取り、この砂州の上を歩きだす。ちょうど、今が干潮の時間らしく、潮が満ちてしまうとこの砂州は海の中に隠れ、通れないという惨事に見舞われてしまうので、まずは早速、この砂州を歩いて渡るハイキングを開始。この"ノシ・イランジャ"で体験すべき最も貴重なイベントが優先だ。

まずは南島を目指す。歩き始めてしばらくすると、太陽を隠していた大きな雲が移動し、ようやく日が差してきた。グッドタイミング。真っ白な砂州が浮かび上がる。ついつい一歩一歩写真を撮ってしまう程で、この世の物とは思えない世界で、まさにヘブンだ。この砂州はフカフカの白砂で作られていて、気持ちがイイ。しかし、日が照ってくると、遮る物は無く日差しが厳しい。ただ、私を含めて観光客が多い。無人島のイメージだったのだが全然違う。素敵な白い砂州の上は観光客だらけだ。
ようやく辿り着いた南島の一番北側には、東屋があり、対岸の北島を望むことができる。ここは砂とヤシの木だけの絵に書いたような一島リゾート。ここから更に奥に行こうとすると、ここのスタッフに"ここから先はプライベートエリアだから"と制止された。この南島は1軒の高級リゾートホテルが占有しており、外来客はこの小さな島では自由に歩くことはできないらしい。

そこで、北島方面に引き返す。更に潮が引いてきて砂州がどんどん広がっている。イメージとしては、歩いていると、右から左からザブンザブンと波が打ち寄せ足元をさらってゆき、歩き辛くフラフラする、って所をイメージしていたのだが、左右共に風紋が広がった砂地になっており、クリスタルな水は遥か先。このため、少し水際まで行ってみる。水がめっちゃ綺麗で砂もキュっとしている。ただし、海水は生暖かい。そこをどんどん進んで行く。先にある北島はすぐそこに見えているのだが、歩いても歩いてもなかなか近付いている感覚がない。それもそのはず、砂州の長さは1.5km程と結構な距離がある。
ノシ・イランジャでゆっくり
ようやく辿り着いた北島は南島と比べるとかなり大きく、現地の人々が暮らす小さな集落もあり、こちらは誰でも島を散策できる。昨日訪れたノシ・コンバ同様、ビーチ沿いには島の人達が経営するお土産屋が幾つもあり、この島の特産品であるカラフルなパレオや刺繍を施した布の他、細々した雑貨を売っている。その布が欲しいなと思って少し探してみるが、ちょうどいいサイズ、マテリアル、柄、色がない。残念。

ここには小高い丘があるので、階段をつたって登ってみることにした。この階段の両脇にも売り物のカラフルなパレオとテーブルクロスで囲われていて飽きない。そして階段を登り切った頂上と思わしき所に白と黒のシマシマの大きな灯台が立っていた。ただ、木々が邪魔をしており、ここからの眺望はあまり良くない。そこで、少し先に行った所まで行くと、この2島を繋ぐトンボロの全景を見下すことが出来た。

ここから見るエメラルドグリーンの海に挟まれたS字の砂浜はまさに天国。この光景はこの世のものとは思えないくらい美しく幻想的で絵になる。マダガスカルを紹介するパンフレットやビデオにもたびたび登場する程。ビーチとしてはまさにアフリカ一の絶景と言っても過言ではないだろう。ただ、数日前が満月だったから、大潮に近く、今日は少し潮が引き過ぎで、ちょっと理想の絵ではなかった。
約束のランチの時間である13:00に村中に行く。昨日のノシ・タニケリーと同じ様に大きな屋根が設けられており、その下にはテーブルが幾つも並んでおり、大人数でランチが摂れるが、それが何棟もあるので何処だろうと探していると、今日のガイドさんが私を見付けてくれた。
昨日と同じで、ノシ・ベ近辺の離島ツアーに参加すると、だいたいランチが付いてくるのがデフォルトらしい。みんな思い思いこの素晴らしい島で2時間を過ごし、全員揃ったところでランチタイム。メニューは昨日とほぼ一緒だが豪華。フランスパン、サラダ、ココナッツで炊いたライスから始まり、お魚のシチュー、ゼブ牛やエビの串焼きといったメニューが大皿に載って出てくる。

そして、それらを食べようとした所で、ローカルのお母さんの一人が"お祈りしましょう"とお祈りの祝詞を語り出した。ここノシ・ベまでバケーションにやってくるような家族なのだから、相当イイ所の家だとは思っていたが、どうやら熱心なクリスチャンの様で、食事の前には必ず食べ物への感謝をお祈りしている様だ。"日本にもいただきます!という言葉があるんだよ"と伝えたが、マダガスカルにも同じ様な習慣があるのが、すごい意外だった。
ただ、こうして大人数で食事をいただくと楽しい。しかも、物凄い量のシーフードで、しかも新鮮だから文句なくウマい。ただ、こちらは炭水化物のパンとライス両方食べるんだね。とにかくたくさんあった料理だが、みんな良く遊んだからか良く食べて、あんなにあった大皿料理がほぼ無くなった。もちろん、私もお腹いっぱい。最後に出てきたデザートは昨日と同じパパイヤとバナナの切り身。私はマンゴーが好きなので"マンゴーって無いの?"と聞いてみると、今はシーズンでないとのこと。

食後、あと1時間は自由行動。まだ干潮は続いており、どこまでも浅瀬が広がっている。そこには信じられないような透明な水が張っているので、その海水に浸かってみる。ただ中に入ってみても、下は砂地なので生き物の姿はほとんどなく、今日もマイ・シュノーケルを持ってきたが、結局、使わずじまい。そこで、腰丈の深さの所を歩き回ったり、ヤドカリと戯れる。
ノシ・イランジャを去る
帰りの時間と決められた14:40に砂州に停めてあるオレンジカラーのボートに集合すると、おばちゃんが"息子と娘を見なかった?"と慌てている。確かその息子さんとはWhatsAppの連絡先を交換したので、連絡してみようとするが、あらこの離島に電波が無い。まあ、その内来るでしょ。当たり前だが、マダガシーにも時間に几帳面な人もいれば、ルーズな人もいるってことだ。
こうしてローカルの一部が遅れたので、船上で出発を待つ事になったのだが、改めて見ると、ここの海の色はヤバい。ただ、この宝石の様に美しい海の楽園ともお別れだ。

全員が揃い錨を上げ、ボートは碧い海を軽快に進む。帰りも思ったより揺れは少なく、これなら大丈夫。途中に特徴的な形をした3つの島の近くを通り抜ける。が、このボートはその内の1つの島に立ち寄った。なんだろう、ここで最後のシュノーケリングでもするのかなと思ったが、ガイドさんに寄ると、ここはレミュールとエンカウンターできる場所とのこと。早速、船を降り、森の方に行こうとすると私は呼び止められる。今日のツアーに4人のヨーロピアンか同乗していたのだが、彼らのためにここに寄ったのであり、あなたが行くには別途、15,000アリアリを払わねばならないとのこと。なら、いい。
この島の小さなビーチでやる事は無いので、波打ち際で貝殻探しをする。意外と綺麗な巻貝を数個集める事ができた。結局、ここの島の滞在は15分くらいで終わり、またボートに乗り込み、先程と同じ位置に座って再出発。

何かにつけてそうだが、いつだって帰りは早く感じる。ただ、横向きに座っているので、進行方向とは逆側の左ケツが痛くなってきた。それでも、ノシ・ベはどんどん近付き、17:00にアンバトゥルアカのビーチへと戻ってきた。
結果的に、今日は天候にも恵まれ、満足行くノシ・イランジャ訪問だった。唯一無二の景色なのは間違いないが、ただ日本人が遥か遠いマダガスカルのノシ・ベまで来る高額な料金を考えると、フィリピンやタイのビーチにも負けないような素晴らしいスポットがあるので、無理してノシ・ベまで来る必要はないかも、というのが感想。
さて、ビーチからホテルへと戻るのだが、実はこれが地味に大変。このホテルの自慢はその景色でもあるのだが、高台に位置しており、結構急な坂道を登らねばならない。そして、この後また夕食のために繁華街に出ないと行けないとなると、この高台往復は結構辛い。疲れる。

ホテルの受付で鍵を受け取った後は、すぐに部屋には戻らず、ホテルのバーのテラスから夕日を見守る。ここからはブーゲンビリア越しに夕陽を眺めることが出来る。そして、17:42、太陽は雲一つない空を離れ、海の向こうに隠れた。
そしたら、部屋に戻って、シャワーを浴び着替えをする。その間にも、ベランダ越しに空の色が変わっていくのが見える。部屋から刻々と変わる夕空が見えるなんて贅沢。
どうでも良いが、このホテルだけではないが、今回泊まったマダガスカルのホテルにはシャンプーが置かれていない。アメニティは石鹸だけだったのだが、そういう習慣らしい。ただ、ここは、毎日、新品が置かれている。毎回それほど使うもんじゃない石鹸だが、前日ちょっとしか使っていない石鹸は捨てられてしまっている。地球に優しくない。
フランス語のメニューしかないレストラン
すっかり暗くなった18:20にお出掛け。坂を下り、メインストリートに出る。ここを行き来して、まずは明日のエクスカーションの手配をする。
それが終われば、早めの晩ご飯にしよう。意外なことにマダガスカル料理は口に合う。旅行前に抱いていた、マダガスカルでの食事に対する不安は、もうこの何日かの食事で吹き飛んでいる。
なんでもマダガスカル人の遠い祖先は、インド洋を渡って来たアジア人だと言われている。だからか、アフリカでは珍しく主食は米。また、味もアジアの影響を大きく受けている。その一方で地理的に近いアフリカや、1960年に独立するまでの宗主国だったフランスの影響もある。いろいろな国、地域の料理が混ざり合って、それぞれのイイ所を引き立てて、この美味さにつながっているのだろう。

今日、夕食に選んだのが、メインストリートを一番奥まで行った所にあるロータリーに面した藁葺き屋根の食堂。ここまで来る人は少ないのか誰もいないだけでなく、店内も暗い。が、恐る恐る入ってみる。メニューを見せてもらうと豊富なラインアップがある。ただ、書かれているのはフランス語のみ。
ここで、改めてここマダガスカルの言語について触れておこう。ここマダガスカルの公用語はもちろんマダガスカル語だが、フランスの統治下だった期間が長かったこともあり、フランス語も広く通じる。とりあえず、ここまで会った人を振り返ると、空港の入管の人々、SIMカード売り、トゥクトゥクの客引き、ホテルの受付、ガイドさんなど流暢な英語で対応してくれた人がいた一方で、タクシーのドライバー、市場や一般のお店で働く人などは、英語はほぼダメな人の方が多かった。つまりは、英語の通用度は限られた旅行者相手の商売人くらい。一方、私はフランス語は全く話せない。それがここマダガスカル旅行の心配事の1つだったが、今はスマホがあり、グーグル翻訳があるので、一般人とのコミュニケーションも、なんとかなっている。
で、こういったレストランで役に立っているのがグーグルレンズ。これを通せば、フランス語で書かれたメニューの文字を日本語に翻訳してくれる。それでわかってきたのは、最初にくる単語が料理方法で、brochette 串焼きにしたもの、rôti ローストしたもの、frit(e) 油で揚げたもの、grillé (e) 網で焼いたもの、sauté (e) 強火で焼いたもの、bouilli(e) 茹でたもの、cru(e) 生のもの、agoút 煮込んだもの。続いてくる単語が食材で、poisson 魚、crabe カニ、crevette 小エビ、camaron エビ、langouste イセエビ、huître カキ 、moule ムール、calamar イカ、boeuf 牛、veau 仔牛、poulet 鶏、canard 鴨、porc 豚、agneau 仔羊、grenouille カエル、filet フィレ、foie レバー、foie gras フォアグラ、champignon キノコ といった具合い。これらがわかれば何のどういう料理かはわかる。で、今晩、私の目に留まったのがcalamar。私はイカ好きである。そのcalamarだが、見るといろいろなソースがあるらしい。で、その中で目に付いたのが、calamar sauce mayyonnaise。この文字面を見ただけで、勝手に醤油を塗ったイカの姿焼きの上にマヨネーズが載っかっているのを想像してしまったのだ。しかし、程なく出てきたそれは全然違い、おしゃれなマヨネーズ和えだった。しかも残念ながら、味は回転寿司によくあるいわゆるシーサラダ風味。完全に素材の味を殺してしまっている。しかも思ったより量が少なく、メインにはなり得ない。むしろ付け合わせのPomme friteと呼ばれるフライドポテトの方が圧倒的に多く、しかも揚げたてでおいしかった。

外は、もうこの時間真っ暗。オープンな造りの店なので蚊に刺されボリボリ掻いていると、店員さんが蚊取線香を持ってきてくれる。ありがたい。ただ、私が食べている最中、目の前のロータリーで、工事と思われる作業が始まり、土砂をこねてコンクリを混ぜている。このため、食べ終えたら早々に退散する。今日もお支払いは29,000アリアリと、なんだかんだ、毎晩、夕食は1000円コース。もっとローカルな屋台で食べれば安いんだろうけど、なんか、お腹壊しそうで…あと、そう言えば、レストランでは、一回もチップを払ってないけどそんなもんなのかな??
ホテルの部屋に戻ればまた極楽の湯船時間。日焼け止めを塗っていても、やはり、かなり焼けてしまったようで、少し肌が痛い。かなり水を足す。そんなぬるま湯にまた45分近く浸かりながらスマホを弄り、その後、シャワー。さらにベッドの上でスマホタイム。しかし、22:00近くなると眠くなってくる。そこで消灯。
寝て、すぐに羽音に悩まされる。蚊だ。いつの間に部屋に入り込んだのだ。しかも結構、刺され、ボリボリ掻く。眠気が勝るのだが、これでは安眠できない。無理だ。けど、ベッドの上を見ると蚊帳がある。これを使えば安心だ。ようやく安眠できる。
