見出し画像

野生生物の宝庫マダガスカルを巡る旅 ⑪

2025/Aug./14 THU.


今日のディスティネーションはノシ・サカティア

外が明るくなってきた6:15に目が覚める。エアコンを点けて寝るとシーツ1枚だと寒かった。ただ、窓を開け放つと湿気が凄い。それでも、小鳥の囀りが聞こえてきて、気持ちのイイ朝だ。上空には雲も多いが青空も見える。まずは、広々としたベランダに出て、イイ景色を見ながら歯磨きをし、その後、いつものように身支度を整える。
毎日よく食べているので、朝のお勤めも毎朝だ。ここマダガスカルのトイレ事情に触れておくと洋式が多く、このホテルなどもアラビックウォシュレットまである。ただ、水流が弱いのか、紙質が良くないのか、新興国にありがちなようにトイレットペーパーは便器に捨ててはならず、必ず横に備え付けられているゴミ箱に入れる必要がある。あと、どうでもいい話だが、食べ物に保守的な私は、まだ、お腹を壊していない。

ノシ・ベで予定していたアクティビティはこなしたので、今日はどうしょうかという話だが、また、世話焼きおばちゃんに、"明日はノシ・サカティア(Nosy Sakatia)に行くけど、一緒にどう?"と誘われた。"ノシ・サカティアって何処?"なので、一旦、保留にしたが、ホテルに戻ってから調べてみると、このノシ・ベからはそれほど離れていない素朴な離島で、シュノーケリングが楽しめるとのこと。昨日はできなかったので、そのプランが良いのではないか。
ということで、今日も離島に行く事にした。ホント毎日がアクティブ。特に最後はゆっくりできる離島が良さそうなので、やや知名度の低い島が行き先でも良かろう。
で、おばちゃんに夜からお願いしても、結局、あのエージェントだし、出発直前に料金で揉めたくないので、昨晩、一昨日利用した旅行会社のブースに行き、そこで申し込んでおいた。今回の料金は10,000アリアリの入島税込みで100,000アリアリ(約3333円)。

8:30集合なので、少し前にいつも場所となった、ビーチの待合箇所であるベンチに座って待つ。こういったツアーに参加するのは意外とローカルも多く、外国人と半々くらいだろうか。相変わらず、出発前の観光客を狙って帽子、マグネット、パレオ、バニラなどの物売り攻撃の激しい。ただ、地元だから安いんだろうが、あのバニラなんてパティシエでもない素人が買った所でどうするんだ??
いつもの様に出発前に1リットルのミネラルウォーターが1本渡され、8:40に乗船を促される。ただ、あの2家族はやって来ない。やめたのか?それとも他のグループになってしまったのか?この船の客は私以外はイタリア人の男性カップルのみで、これで出発する様子。いつもの様に、どこかが壊れているオレンジのライフジャケットを渡され、それを装着し乗り込む。
一昨日と同じサイズの小さな船は、ホントこの3人のツアー客にクルー2人のみで出港。他の船は鈴なりなのに、やはり人気の無いディスティネーションなのだろうか??
今日の船はスピードボートではなく、エンジンが1基のみなので、群青色の海の上を比較的ゆっくり進む。本日は、白い雲もあるが、目指す方向の上空は晴れ渡っているので、今日も天気は問題なかろう。

ノシ・サカティアはノシ・ベの海岸からわずか数kmの所に浮かぶ島だが、公共フェリーの様な定期航路はなく、こうして、ツアーに参加するか、都度、チャーターボートになる。なので、こうしてツアーで訪れることが出来るのはありがたい。

ノシ・サカティア沖でシュノーケリング

30分程進んで、ようやくノシ・サカティアに到着、と思ったら、ビーチではなく、こんもりとした山の沖合いで錨を下ろす。なんと、ここでシュノーケリングタイムらしく、ボートエントリーだ。ラッキー。
嬉々として、今日も持ってきたマイ・シュノーケルを装着してドブンと海の中に入る。朝だからか、チト水が冷たい。で、海の中を覗く。岸から50mくらいの位置だが、ボートエントリーだから、ここにはサンゴが広がっているのかと思いきや、荒れた海底で、サンゴどころか岩もない。当然、魚もほとんどいない。見所がわからなく、視界もそれほどクリアでもない。つまんない。なぜ、ここでシュノーケリングなのかがわからない。価値はないなと思っていたら、動いている岩のような物体を発見。ウミガメだ!!

なんでもこのノシ・サカティアの沖はダイビングでも有名で、季節によってはジンベイザメにも出会える海洋生物王国で、人気スポットらしい。しかもその中でも、数が多いのがウミガメらしいのだが、それにいきなり出会えるとは。しかも近い。一昨日と同じだが、人間がこんなに近くにいるのに全く気にせず、この辺りの海底に生えている海藻をむしゃむしゃ食べている。よく見ると甲羅に変わった模様がある。1.5mほどの巨体だが、これは何ガメなのであろうか?
餌を食べたり、呼吸するのに海面に出たりする姿をずっと見ていたが、ライフジャケットをするのを忘れてしまったもんだから、泳ぐのに疲れてきた。そこで、このカメさんにお別れを言って、ボートに戻ろうとするが、この海域に何艘もボートが泊まっているもんだから、どれが自分の船かわからない。確か白っぽかったのだったが、同じ様な船ばかりだ。このため、自分の船を探すために泳ぎ回り、更に疲れてしまった。

そして、なんとか船上に上がり"大きなシータートルを見たよ"と報告すると、先に上がっていたイタリア人達は2匹も見たとのこと。この海域にはたくさんいるんだと思ったら、ボートの上からもアカウミガメがプカプカと浮かんでいたり、黒い影が移動していくのが見える。こりゃ凄い。ウミガメ天国だ。

ノシ・サカティアの村の農園

30分足らずのシュノーケリングが終わると、すぐ近くのビーチまで移動し、ここで荷物を持ってビーチに降り立つ。ここノシ・サカティアは昨日行ったノシ・イランジャとは異なり、住んでいる人は少ないため、手付かずの自然が広がっており、美しい砂浜とターコイズブルーの海が素晴らしい。しかも、観光化はあまり進んでおらず、とても静かでのんびりとした雰囲気がイイ感じ。

本拠地となる(このあとのランチ場所になる)藁葺き屋根の下のテーブルに荷物を置いたら、船頭さんが"付いて来い"と言うので、私一人付いて行く。海の方向とは逆、藁葺きの小屋が並ぶビレッジを抜ける。この集落にも教会や広いグランドがある学校がある。そして、その建物の間を抜けると色々な植物があり、それらを案内してくれる。ジャックフルーツ、パパイヤ、マンゴー、バナナ、パイナップル、コーヒーなどなど。あまり日本ではお目にかかれない南国(南半球なので北国??)の植物ばかりで珍しい。どうやら、この辺り一帯が村の農園になっているみたいだ。そして、この農園で中心となって栽培されているのが、地元では"ランギランギ"と呼ばれている"イランイラン"だ。

ノシ・ベは別名"香料の島"とも呼ばれており、香水やエッセンシャルオイルの原料として使われる花"イランイラン"の産地としても有名。甘く官能的な香りから"夜の香水"とも呼ばれており、なんでもノシ・ベ産のイランイランはかの有名な香水、シャネルNo.5の主原料になっているそうだ。それはなんでも催淫効果もあるといい、あのマリリン・モンローが素肌に纏って寝たという話もある。イランイランはノシ・ベの島中の至る所で栽培されているとは聞いていたが、その横にあるこの小さな島にもそのプランテーションがあるとは驚きだ。
その木に成っている淡い黄色のフラワーの香りを嗅がせてもらう。確かに花自体から甘い香りが広がる。ただ、ちょうど収穫後なのか、花を付けている木はそれほど多くはないが、この辺りはそのフィールドになっていて、このイランイランの木が至る所にある。ちなみにイランイランはノシ・ベが産地なだけあって、お土産としてもそのオイルがたくさん売られているが、ホテルでお土産として小さいの一瓶はもらってある。
このイランイランのフィールドから、小高くなっている丘の上に登る。ずっと赤土の獣道だが、船頭さんは裸足で構わず登って行く。慣れれば、そっちの方が楽なのかも。

丘の上まで行くと、ここからは様々な青色をした海と、様々な緑色をした山を見渡せる。なかなか素晴らしい眺めだった。
その後も船頭さんから色々な説明を聞きながら様々な場所を巡り、結局、トータル45分近くかけてぐるっと一周し、ようやく拠点となる元のビーチに戻ってきた。

長閑なノシ・サカティアのビーチでリラックス

私一人のために随分親切に案内してくれた船頭さんにチップを渡す。そして、その際に"これから海に行くんだけど、シュノーケリングするならどの辺りが良い?"と聞いてみる。この時間、かなり潮が引いていて、目の前の海は100m以上歩かないと波打ち際まで行けないが、更にその先に良いポイントがあるらしい。だが、チップが効いたのか、私のシュノーケリングのためにわざわざ船を出してくれると言う。そりゃ、ありがたい。

少し沖合いに小さな岩礁があり、ここが良いと言うので、ボートを係留してもらい、またマイ・シュノーケルを装着して私一人、船から飛び込む。この美しい青緑色の海の透明度は高く、この底には岩礁があり、元気にサンゴが群生している。しかもそのサンゴに損傷も少なく、その周りには多彩な海洋生物が存在し魚影も濃い。水深はこの岩礁の上だと2mもないくらいなので、魚達からもそれほど離れておらず、近くで観察できシュノーケリングに理想的なスポットだ。色々な種類のサンゴに加え、きれいな蝶々魚、ベラ、オヤビッチャなどがおり華やか。サンゴ礁と熱帯魚の宝石箱だ。ただ、それほど大きな岩礁ではないので、この周りをクルクル回り、30分近く赤や青、黄色の魚達といっしょに泳ぐのを楽しんでから、ボートに戻り、またビーチまで送ってもらう。

その後、まだランチタイムまで時間があるのでこのビーチを散歩する事にする。海岸線に広がるビーチでは、のんびりと日光浴をしてリラックスしている人もいるが、人影はまばら。1km以上はあろうかという長いビーチは昨日の白色とは違い褐色で、フカフカしていて裸足で歩くと気持ちイイ。そして、端っこのマングローブの林まで行って引き返す。ホントここのビーチは長閑で土産の売り込みも激しくなく、観光客ズレしておらず、ユルイ感じ。
12:00にベースとなっているテーブルに戻る。すると、何処に行っていたのか知らないがイタリア人の2人組も戻って来たので一緒にランチだ。テーブルにカラフルな布が敷かれており雰囲気が良い。メニューは、ほぼ昨日一昨日と一緒で、フランスパン、サフランライス、パパイヤと人参のサラダからはじまり、ゼブ串、エビ串、焼き魚のメインが大皿で出てくる。そして、ユニークなのがここのマングローブ林で採れたのだと思われるマッドクラブの煮物。これらを3人で分け合って食べる。マッドクラブは硬い殻を割らねばならず少し食べにくいがオイシイ。それよりも美味だったのが焼き魚。味付けは、もしかして海水だけかもしれないがとんでもない絶品。これは感動物で、史上最高の味だ。ただ、これら料理にハエが群がってくるのが難点。最後に1人1本バナナのデザートが出てきてこのランチは終了。けど、毎昼食べ過ぎ。ただ、きれいな海を眺めながらの豪勢な料理に大満足。贅沢なことこの上なし。

食後、先程とは違う反対側のビーチを散策してみる。こちら側は岩場になっている箇所もあり、その磯では小さな魚や蟹がいるのは日本と一緒。一方、海側はというと、干潮の時間が近いらしく、はるか先まで干上がった砂の上に出来た文様がきれいで、干潟のずっと先に広がる海の水は生温かい。凄い遠浅の海で、干満の差が激しい場所だ。この干上がった砂の上で小さい蟹を捕まえて童心に帰る。
そういえば、昨日、一昨日のローカルの2ファミリーには結局、このノシ・サカティアでは出会えなかった。実際には今日、ここに来なかったのか?、もしくはすれ違いで会えなかっただけなのか??

再びシータートルと泳いだ後、アンバトゥルアカへ

14:00過ぎ、少人数だからスケジュールがあってないようなもんだが、なんとなく出発する事になった。遠浅で遥か彼方に停泊しているボートに戻る。そして、ボートに乗り込むと、船頭さんに"帰るか?もしくはタートルか?"と聞かれたので、私は、いの一番に"タートル!"と返事。さすがに、先程のビーチでは干潮時だった事もあり浅瀬でウミガメを見る事はできなかった。ただ、ここの右手にある山の麓に行けば、かなりの高確率で観察できるはず。ウミガメと一緒に泳ぐことなんて、そう簡単にできないもんね。
朝より少しビーチ寄りの場所に止めてもらい、船からドボンとエントリーするが、入った所は何もない。そこで少し陸側に向かうと軽いドロップオフになっており、そこに魚がチラホラいる。ただ、今日の目的は魚でなくウミガメ。そこで、辺りを捜索する事にし、もう少し浅い方に行ってみると、一面に海藻が生えた草原の様な場所があり、そこに岩みたいなのがある。アレだ。大きなウミガメが無心に海藻を食べている。カワイイ。ジャマだとはわかりつつ、その周りを泳いで写真を撮りまくる。けど、こいつも背中の文様がキレイ。

落ち着いて、辺りを見渡すと、もう一匹いる。こちらは今まで見たことのないサイズで2mくらいはあり、まさにジャイアント・タートル。これだったら甲羅に乗って竜宮城まで連れてってくれそうな浦島太郎に出てくるサイズだ。彼はほとんど泳がず、同じ場所でむしゃむしゃ食べてばかり。少し距離をおいて観察しようとするが海流のせいで意図せず近付いてしまう。すると、顔を上げて、邪魔というような目付きでこちらを見る。
こうして、20分程の遊泳だったが、たっぷりウミガメと一緒に泳げて大変満足。白い船までまた泳ぎ、梯子を使って上がる。すると、イタリア人達は海に入っておらず、どうやら私1人だけがシュノーケリングを楽しんでいたらしい。

ここの錨を上げれば、帰路へ。午後は波が出たのか結構、船が揺れた。しかし無事30分程で、アンバトゥルアカのビーチまで戻ってきた。時刻は15:30。泳ぎ疲れたので、トボトボ歩いてホテルへと戻る。そして、ホテルのプールサイドのシャワーでサンダルをしっかり洗って砂を落とし、これでこの旅直前に購入した新しいサンダルの今回の旅でのお役目は終わり。更に部屋に戻ってからシャワーブースでしっかりと体に付いた潮を落とす。
ほんとだったら、この夕方はノシ・ベ南部にある繁華街、エル・ヴィルにでも行こうかと思っていたが、予想以上にこの3日間のエクスカレーションで疲れたので、やめておく。このため、このリゾートホテルのベランダでのんびり過ごす。風が渡り、暑くもない。また、景色も最高。イイ時間だ。

アンバトゥルアカの最後の夕暮れ

このベランダでずっと夕暮れ時を過ごすのも良いが、やはりなんとなく夕日を見にビーチに出たくなる。そこで、今日も16:50になった所でカメラを持ってお出掛け。人の少ないビーチの南の方まで行ってみると、地層がむき出しになった崖があり、その前は磯になっている。そこに押し寄せ砕け散る波。潮はどんどん満ちて来ている。それ越しに見るサンセットが綺麗だ。ここでは私だけではなくローカルの人達も見守っている。

そして、日が沈んだ後のビーチを散歩する。ただ、今日は少し渇いているのか、そんなに空は赤く焼けなかった。ただ、湿気が少ない分、海風が心地良い。けど、冬の今は暗くなるのも早い。
18:30とまだ早いような気もするが、ホテルへの坂の往復が大変なので、ホテルへと戻る前に、夕飯を先程声を掛けられた宿近くの名もなき食堂で食べちゃおう。怪しげなネオンが輝くメインストリートを離れ、ホテルへの赤土の通りの途中にあるトタン屋根のお店に入る。ここでまず飲み物にコーラをお願いすると、もちろんコカ・コーラではなくワールド・コーラが出てくる。これがデフォルトらしい。そして、メニューは外に置いてある黒板にフランス語で書かれている。ここで、グーグルレンズの出番。その中から今晩選んで頼んだのはCrevette sauce(小エビのトマトソース煮込み)。しばらくして、出てきたそれは、見た目はエビチリに似ているが、実際にはトマトベースのシチューと言ったら良いだろうか。ただ、私の嫌いなピーマンが入っているのがイマイチ。そして、味濃い目なので、別に出てきたご飯が進む。やはりここでも料理を頼むと白飯は自動で付いてきたが、相変わらずそのご飯はてんこ盛りで、だんだんこれが普通だと思う様になってきた。ただ、これまでどこも料理の量が多かったのだが、ここは珍しくメインの料理の量は控えめ。このため、白米は残してしまった。

ホテルの部屋に戻るともう19:15過ぎ。これからはまたリラックスタイムということで、大きな浴槽にお湯を張る。けど、今日もだいぶ日焼けしたので、かなり温めが良い。上半身はUVカットの速乾性のパーカー着ていたから問題ないが、無防備だった足はこの温いお湯でもヒリヒリする。そしてWi-Fi使ってスマホを弄りながら過ごすこと45分。シャワーブースに移動し、シャワーを浴びる。圧倒的な水量と熱さ、そして何より無臭。今日も素晴らしいバスタイムだった。
そして、その後はクーラーで涼みノンビリ。これだけで幸福な気分になる。極楽パターンと呼ぼう。そして、いつもの様にカメラ、スマホの充電を仕掛け、22:00近くなったので、消灯。昨晩は蚊に悩まされたので、今晩は念の為、予め蚊帳をセットして寝る。


いいなと思ったら応援しよう!