野生生物の宝庫マダガスカルを巡る旅 ⑫
2025/Aug./15 FRI.
ノシ・ベの島一周を企てる

6:30に起床。4泊もしたこのVilla les Orchidéesは超快適だったのでもっと滞在してゆっくりしたい気分であるが、本日、もうここを離れなければならない。ベランダから見るこの素敵な景色ともお別れか。残念。部屋中にとっちらかっている荷物を全てバックパックに収納していく。あらかた、その作業が終わった所で、大きな窓を完全に開放してベッドの上でゆっくり。朝の空気は気持ちイイ。
8:20になって、朝食を摂りにアンバトゥルアカの街に出る。その前にビーチを覗いてみると、今日もエクスカレーションに参加する人々が続々ボートに乗り込んでいる。楽しんでおいで!

メインストリートに戻り、昨日一昨日と見掛けた露店の美味そうなフランスパンのサンドイッチを食べてみよう。パンがめちゃくちゃおいしい国だから間違いないだろう。ただ、正直、衛生面がちょっと心配。3つのバケツが床に置いてあるので、多分これらを使って順番に置き水洗いをしているだけだろう。おなかに多分大丈夫と言いきかせて、この路上で売っているフランスパンのサンドイッチを1つ買い求める。すると、並んでいる長いフランスパンを三分の一ほどにカットし、それを半分に割って、そこに瓶から取り出した何かを塗りたくっている。何かのペーストらしいが、察するに、この場所柄、魚だと思われる。更にそれに生野菜を挟む。これがローカルが食べる普通の朝食らしい。当然、安く、たった2000アリアリ(約66円)。これを道端に立って頬張る。ただ、お味は期待までには届かなかった。
それを食べ終えると、このメインストリートを走っているトゥクトゥクを止めてそのドライバーと交渉を始める。本日、ここノシ・ベを離れ、飛行機で首都アンタナナリボへと戻ることになっている。ただ、そのフライトは夕刻なので、まだノシ・ベで過ごす時間はあと半日ある。そこで、最後までしっかりこの島を満喫しようということで、本日はこの島を一周することを計画。

滞在しているアンバトゥルアカの街中には何軒かレンタルバイク屋さんがあり、比較的安く借りて、この島内を巡ることが簡単にできそう。しかし、道は悪く、交通マナーも酷いので、昨年タイでバイクを借りて走った私でも自信が無い。しかも、バイクを借りると、また、ここまで戻って来なくてはならなく、それから島の反対側にある空港まで行かねばならない。だったら、たくさん走っているトゥクトゥクをチャーターしちゃった方が良いのではという考えだ。
ちょっと複雑な交渉になるので、まずトゥクトゥクドライバーが英語が話せるかを確かめてから、これから6時間チャーターできるかを確認。1人目は断られたが、2人目はOKそう。そこで"最低限行きたいのはCap DoreとMont Passotの2カ所で、フライトのために15:00にはNosy Be Fascene Airportに着いていたい"ということを伝える。更に、"その他にも良いフォトスポットがあれば寄って欲しい"ともお願いをした。で、あとは料金である。最初、ドライバーは150,000アリアリを提示してきたが、私が"100,000アリアリ(約3333円)でどう?"と返した所サクッとOK。もっと安くできたかも。
賑わうエル・ヴィルの市場とトゥクトゥクで巡るノシ・ベ北部
早速、そのトゥクトゥクの後部座席に乗っかり、まずは一旦、ホテルに寄ってもらう。そして、部屋からまとめてあった大きいバックパックをピックアップし、このホテルをチェックアウト。その後、再びこの黄色いトゥクトゥクに戻り、大きなバックパックは後部座席の後ろに置かせてもらう。
ちなみに今回の旅行に際し、大きな荷物はコロ付きのキャリーケースか、大きなバックパックか悩んだ末、後者にした。舗装されていない場所も多いし、舗装されていたとしても凸凹なので、コロを壊さない意味でも正解だった。 また、こういう場面でも何かと取り回しに便利なバックパックで大正解だった。

そして、再出発。念の為、もう一度、"もしGood placeがあれば寄ってくれ"と繰り返すと"エル・ヴィルはどうだ?"と言われた。"エル・ヴィル?"ノシ・ベ島南部にある一番大きな街がエル・ヴィル。昨夕、行こっかなと思って、結局止めた場所だったので、いいアイデアだ。そこでまずはアンバトゥルアカから東に行き、そこに向かってもらう。
途中、ガソリンスタンドに寄っていたので30分くらい掛かったが、ほどなくエル・ヴィルの街に差し掛かった。さすがにこの島のキャピタルだけあり、道が混んでおり、トゥクトゥクが列を成す。あまりにもその渋滞が酷いので、街の入り口辺りで降ろしてもらい、30分程時間をもらって、この辺りを1人散策する事にした。
本土とのフェリーの発着地点になっていてこの島の玄関口にあたる街だが、地元の人が多く住んでいる街だからか、リゾート要素は皆無。かなり雑多な雰囲気で、非常に活気溢れる街だ。生活感たっぷりな店や屋台が並ぶ通りを500m程南下すると、クラシカルな塔の前に大きなロータリーがあり、この付近はトゥクトゥクと牛車で凄く混み合っている。

この一角に同じ柄のビーチパラソルがたくさん並ぶ箇所があり、その奥は体育館のような建物がある。そこに入ってみると大きな市場だった。面白そう。ここを覗こう。ここには野菜や穀物、フルーツなど地元に密着する物がたくさん売られている。更に (飲み干されたミネラルウォーターのペットボトルに入っている) 手作りソースも売っており、 これはかなりスパイシーだろう。また肉や干物には、ハエがうじゃうじゃたかっている。そんなマーケット内は、地元の方々で賑わっているが、 観光客はあんまり、と言うかほとんど見掛けない。だからか、お土産品を扱う店はほんのちょっとで、珍しく品物には値段の表記もあった。ここで地元の人々の熱気を十分に楽しんでからトゥクトゥクの元へと戻る。
エル・ヴィルから一旦、来た道を引き返し、次は時計回りで島を巡るべく北へと向かう。このトゥクトゥクドライバーは速い。ドンドン前を行く車、トゥクトゥクを抜かす。スピードが出ているためか、後部座席は風が気持ち良い。

ただ、ここはマダガスカル。舗装されているアスファルトの道路でも所々陥没しているし、速度抑制用のバンプも多くあり、そのため車体は左右に激しく揺れる。また、凸凹が来たら減速し、それを超えたらスピードを上げるため、そのスピードの緩急にも酔ってしまう。更に路上には人もトゥクトゥクも自転車も牛も鳥もいるので、そのドライブは簡単ではなさそう。自分でバイクを借りて運転するのは止めておいてホント良かった。
トゥクトゥクはこの島の西海岸を駆け抜けて行くが、意外とこの道沿いには良いビューポイントがない。そこで淡々と通り抜けるだけ。そして、ドンドン北へと行き、お願いしておいたキャップドール(Cap Dore)へ。その岬に向かう坂道をトゥクトゥクは唸りをあげて登っていく。

そして、この岬の丘の頂上付近で降ろしてもらい、ドライバーには木陰で待ってもらうことにして、私はこの辺りを散策する。青く晴れ渡った空にカラフルな花々が映える。この岬の頂上からは四方を眺める事ができ良き眺め。素晴らしい。数々の島と海のグラデーションが見事で、絵の具を溶かしたと例えられるホントにキレイな海だ。
また、北側にはキレイなビーチが広がっている。どうやら、高級リゾートの前に広がるプライベートビーチの様。この辺りにはこうしてちらほらリゾートホテルやお洒落なヴィラもあるが、マイナーな場所らしく静か。こんなにキレイな景色の中、過ごせるなんて羨ましい限り。
最高峰パソ山訪問後、ノシ・ベ一周は早めに終了

続いては、島の中央部に向けてトゥクトゥクを走らせてもらう。メインの道路から脇道に逸れ、唸りをあげて坂を登り、目指すはこの島のナンバーワン・ビュースポットであるパソ山(Mont Passot)。ここノシ・ベの最高峰であるこの山には、頂上付近までトゥクトゥクで登ることができて楽チン登山だ。
頂上近くの駐車場にトゥクトゥクを停めてもらうと、ここから先は有料みたいなので、駐車場の脇にある建物で入場料を払う。外国人は1人15,000アリアリ(約500円)と結構な値段を取る。そして、ここにあるマップを見ると、1.5H~3Hまでの幾つかのトレッキングコースもあるみたいだが、私はここの展望台だけで十分なので、ここから5分程かけて坂道を登って行く。すると、お土産屋が並ぶ場所があり、その前が展望エリアになっていた。そこには階段で登る高い展望台と広い展望台があるので、それぞれからの景色を眺める。

ここから見る景色がとてもユニークで、山の中だと言うのに、この山頂の周りには湖が幾つもあり、静かに碧い水を湛えている。そして、その周りは木々で囲まれた深い森が広がり、その向こうに海があるという、他ではなかなか見られないビューポイントになっている。改めて"この島は穏やかな海に囲まれた緑豊かな島なんだなぁ"という事を実感。
この展望台には、日本のそれと同じ様に、晴れたら見える景色が絵で描いてあるのだが、今日は晴れ渡っているため、全くそれと同じパノラマが広がっている。北側には、先程行ったキャップドールまで続く北部の半島がきれいに見渡せ、西に広がる海の沖合いには昨日訪れたノシ・サカティアが浮かんでいる。そして、南西から南にかけては、これまた行ったノシ・コンバとノシ・タニケリーの各島だけでなく、チラっとではあるが4泊もしたアンバトゥルアカの街もわかった。
ここは高い位置にあるためか、他の場所より多少涼しくて、心地良い風が渡る。気持ちイイ。西側に開けているので、ここは夕日もキレイなんだろうな。

ここには素敵なテラスカフェもある。そのメニューを覗くとアイスクリームがあり、そこにイランイラン・テイストがある。8,000アリアリ(約267円)と観光地価格だが、どんな味がするのだろうと興味が沸き、これは食べない訳にはいかない。グラスに美しく盛られて出てきたそれはフラワーと同じ淡い黄色だったが、一口食べて感じた。失敗かも…確かにイイ香りだが、申し訳ないが、芳香剤の香りとしか思えない。マダガスカル特産のバニラを使った物の方が良かったかも…ただ、この頂からの最高の景色を見ながら特産物をいただけた事が至福の時間。
頂を降り駐車場で待っていたトゥクトゥクへと戻ると、ドライバーは後部座席に横になって寝ている。気持ち良さそうだ。ただ、そんな彼を起こして、私がそこに乗り込む。
トゥクトゥクはガソリンをケチってかエンジンを切ったまま山を降り、それから更にこの島を時計回りに進む。島の北側には住む人も少なく、その分緑が多く、自然豊かな島の表情が伺える。

車体後部で左右に揺られていると、なんだか眠くなってくる。これは時折、走行中のトゥクトゥクの中でも感じる、ほんのりと漂ってくる良い香りのせいか??風に漂うこの香りの正体はイランイランだ。昨日教えてもらった特徴的な形をした木が島中の至る所で栽培されており、その木に生えている花が咲き乱れていて、周りに香りを放っている。この島は別名"香水の島"とも呼ばれているのも納得。
この島をほぼ3/4周し、空港までやって来たので、駐車場の料金所の前で止めてもらう。これで約5時間のトゥクトゥクで巡るノシ・ベ旅は終了らしい。ここで約束通りの金額は払うがチップは払わない。結局、エル・ヴィル以外は、私が指定した場所しか回らず、"良い写真が撮れる所があれば寄って"とお願いしたのだが、それもなく、また、まだ時間的に余裕があったので、途中ビーチの脇を通った際に"ここに寄れないか?"と2度もお願いしたが、"No"と言われた。"そんなヤツにチップを払う必要はない"という事をしっかりと伝えておく。
長時間の待機の後、空路アンタナナリボへ

4日前に降り立ったばかりのノシ・ベ空港だが、予定より1時間近く早くまだ14:10だ。そのチェックインカウンターは珍しく室内ではなく外に面している。で、チェックインしようとすると、"今行っているのは国際線のアジスアベバ便のみで、アンタナナリボ行はこちらで待つように"と言われる。先客は2人のみ。改めて、Madagascar Air のWebサイトを開いてフライトステータスを確認すると、なんと17:50発予定になっている。しかも誇らしげに"Scheduled on time"と書いてある。何がオン・スケジュールなのだ!昨日、Webチェックインをした際は16:50発だったではないか!!しかも、私がこの航空券を買った時は14:40発だったぞ。この便の予定変更については、Eメールの連絡さえも来ていない。なかなか酷い航空会社である。
こんな小さな空港にも空港によくあるカートが置いてあるので、それに荷物を乗せた上、ベンチ代わりにそれに座って待つ。座るためにある道具ではないので、当然座り心は悪い。徐々にこの列は伸びるが、一向にカウンターでのチェックインは始まらず、みんな地べたに座り込んでいる。

2時間以上、(屋根はあるが)野ざらしの場所で待ち、ようやく16:20になって カウンターでチェックインが始まった。ただ、子連れを優先するので、また待たされる。カウンターは3つあるのになぜだか1つしか使われない。はぁ。そして、ようやく、私の番が回ってきて手続きをし、昨晩Webでアサインしておいた座席の搭乗券を受け取る。
チェックインが終わればセキュリティチェックで、ここにはX線検査機もある。これら手続きはアッと言う間に終わったが、その先には軽食や飲み物を販売している小規模な売店しかない待合エリア。ただ、ベンチがあるのがありがたく、西日を浴びながら大人しくそのベンチに座って待つ。ただ、暇なので、近くにいた小さな子に折り紙を折ってあげて時間を潰す。が、相変わらず、受け取ってはくれるものの大喜びはしてくれない。天井では大きなファンがぐるぐる回っている。
わかってはいるが搭乗券に書かれている通り17:25なんかに搭乗が始まるわけない。なんせ乗るべき飛行機が無いのだから。太陽はとっくに沈み、ようやく17:55に折り返しの飛行機がここに到着した。
マダガスカルの国内線は"遅れるのが当たり前。その日に飛ぶだけ良い"と聞いていたけど、そう思うしかない。結局、私が搭乗した4回の内、大幅に遅れたのはこの1回のみ。確かに、数週間前にスケジュールチェンジはあったのだけど、旅程を組み直さねばならない程の影響は無かった。ただ、こんなマダガスカル航空に合計で12万円近く払っている…

そして、ようやく18:15に搭乗開始となったので、ゲートでの改札を受け、歩いて飛行機に向かい乗り込む。残照がわずかに残っている時間になってしまった。ちなみに今回はビジネスクラスではなくちゃんとエコノミークラスを抑えてある。このため、前方窓際の4Aの座席に座る。
そして、MD2323便は18:28、プロペラを唸らせて、首都アンタナナリボに向け離陸。マダガスカル随一のリゾート地でのバカンスも終わり、雑多な首都へと向かう時が来た。
1時間半程のフライトだが、エコノミークラスでもモロンダバに行く時に出たのと同じちっちゃい紙袋に入ったサンドウィッチが振る舞われる。ただ、それよりも欲しい物が飲み物。飲み物がない中、4時間以上も待ったので、喉がカラカラなのだ。このため、コーラと水を1杯ずつもらって、ありがたくいただく。

マダガスカルの大地の景色を楽しもうと窓際の席を取ったのだが、この遅れで外はもう真っ暗で景色は全く楽しめない。しばらくすると飛行機は徐々に高度を下げ、街の灯りが見え始めたと思ったら、間もなくアンタナナリボのイヴァト空港にドスンと着陸した。時刻は19:58。ドアが開いたら後方の出入口からタラップを降り、また、ぞろぞろ歩いてターミナルビルへと向かう。
ただ、こりゃ寒いくらいだ。アンタナナリボは高原地帯にあるため、亜熱帯のノシ・ベとの気温差は大きく、毎日強い日差しを浴びていたので、余計にその差が大きく感じる。Tシャツ1枚では耐えられないので、長袖シャツを取り出して羽織る。
イヴァト空港から初めてアンタナナリボ市内へ

国内線はアンタナナリボがハブになっているため、国内線移動の度にここに立ち寄ることになり、今回の旅行でこのイヴァト空港を利用するのはこれで5回目。しかし実際に街中に出るのは初めてになる。ターミナルビルでベルトコンベアを流れてきた私の荷物を受け取り、出迎えの人が多い到着ロビーに出る。
さて、このイヴァト空港からアンタナナリボ市内へ移動するには、乗り合いバスである"タクシー・ベ"かタクシーになるが、前者は抱えられる程の荷物しかない場合のみであり、私は大きめの荷物があるのでタクシーを使うしかない。ターミナルを出ると早速、たくさんのタクシードライバーが声を掛けてくる。いや、正しく言うと白タクドライバーである。私にとってはどっちでも良いので、"ダウンタウンまでいくら?"と聞くと、80,000アリアリから始まり、ターミナルからドンドン離れていくとその価格は70,000アリアリ、60,000アリアリと安くなっていく。落としどころは60,000アリアリかなと思っていたのだが、向こうから"55,000アリアリ(約1833円)"と言ってきたドライバーがいたので、すぐにそれに反応し"Good priceだ"と言って、その人に決定。
ターミナルビルから離れるに連れて、安くもなるが、車もオンボロになるという法則があるのだが、空港の駐車場の外に止っていたこの人の車はボロくない。
それどころか、このシトロエンの助手席に乗り込み走り出して分かる。スピードメーターがちゃんと動いているだけでなく、乗り心地がこれまで乗った車で一番良く、加速も凄い。これはアタリだ。

空港を出て、しばらくすると道が立派になる。このドライバーは非常に英語がうまいのでよく話を聞くと、なんでも数日後に、ここアンタナナリボでアフリカの国家元首が集まる国際会議が開かれるらしく、そのゲストである各国の首脳を迎えるためにこうした立派な道路を作っているんだと。ホスト・カントリーの意地ってやつだ。ただ、まだ工事中の区間もあり、今、昼夜を徹して作っているのだとか。果たして間に合うのだろうか??
市内に近付くと、今までモロンダバやノシ・ベでは全く見なかった近代的なビルもあり、大きなハイパーマーケットもあり立派な都市だ。さすがこの国の首都だけはある。更に驚いたのが、なんとみなとみらいにある横浜エアキャビンにそっくりなゴンドラが新設され動いている。こりゃ想像もしていなかっただけに驚きだ。
朝夕は渋滞するので1時間くらいかかることもあるらしいのだが、結局、イヴァト空港からダウンタウンにある予約してあるホテルまでは、たった30分程で辿り着いた。お金を払った後は、すぐに予約してあるHotel de L 'Avenueの中に入る。が、このホテルはカジノを併設しているからか、妙に怪し気な光を放っている。

このアンタナナリボにはたんさんのアコモデーションがあるが、安い所は虫が出たりするらしいので、それを避けたいと思うとちょっと高くなる。更に観光に便利な立地を求めると選択肢が限られる。ということで選んだのがこのホテルだが、正直ボロい。もう少しお金を出さないと国際水準のホテルに泊まれない様だ。ただ、このホテルの立地は良く、スアラノ駅からまっすぐに伸びるこの国最大の目抜き通り独立大通りに面している。そこで、部屋に荷物を置いたら、早速、アンタナナリボの街に出てみよう。
さて、マダガスカルに入国して11日目で、ようやく初めてこの国の首都であるアンタナナリボにやって来た訳だが、現地の人からは親しみも込めて通称"タナ"と呼ばれている。この街は人口約370万人を有する大都会。そのために光と影があり、排気ガス、ごみの散乱といったありがちな都市問題の他、貧富の差が激しい場所でもあり、治安も深刻な問題で、スリが多く、外国人旅行者だけではなく現地人も多く被害に遭っているらしい。それだけでなく、強盗に襲われることもあるとか。もうマダガスカルに来て10日以上も経つが、今までのノンビリした田舎の雰囲気を忘れて用心用心。
しかも、今はもう闇夜に覆われた時間帯。地元の人でも夜は怖く、出歩かない人が多いみたい。そんな街にかなりビビりながら出てみた。目の前の大通りはどうみても真っ当ではない人がいるので、そそくさ歩みを進める。
アンタナナリボの美味しいフレンチ料理
こうして、怖いのに外に出たのは夕食のためである。ここアンタナナリボはさすが大都市だけあり、食の選択肢は、今まで滞在したどの街より豊富。伝統的なマダガスカル料理の他、フレンチ、イタリアン、中華などのレストランもたくさんあり、食べ歩きを楽しめる。なんでもここアンタナナリボは本格フレンチ料理を世界一リーズナブルなお値段で食べられるという事でも有名。
時刻はもう21:15だが、狙っていたフレンチレストランが22:30閉店なので、なんとかギリ間に合う時間。そこはホテルからは近く、グーグルマップに寄ると徒歩8分なので行ってみることにした。ただ、怖いと思った大通りから1本中に入ると更に暗い夜道。
外務省が出しているマダガスカルの危険情報・感染症危険情報はレベル1の"十分注意してください"。世界最貧国の一つと言われているマダガスカルの首都ここアンタナナリボでは、昼間でも外を歩く際にはスリや物乞いに要注意。しかも夜間の危険度は言わずもがななので、とにかく油断は禁物だ。
念のため、カメラも持たず、財布とスマホのみの手ぶらで出て来たが、とにかく、この真っ暗な通りでは、建物沿いを歩くのは避け、車が来ようが構わずに危険を承知で車道の真ん中を思いっきり早足で歩く。両脇のシャッターが降りた建物をチラッと見ると、その前には路上生活者が布団にまるまっていたり、売春婦と思われる人が立っている。怖い。唯一の救いは、交差点に立っていた銃を持った警官と思われる人。

今までにないくらい早足で進み、少し、明るい照明があるお目当てのサカマンガ(Sakamanga)という看板が見えた時は心底ホッとした。どうやらここはホテルに併設しているレストランらしくて、ガードマンからは"レストランなら階段を上がって2階へ"と案内された。そして、ドアを開け店内に入ると結構、混んでいる。しかし、もうこの時間だから帰る客も多い様で、すぐに席に着くことができた。ここの玄関付近の小庭も素敵だったが、このレストランの店内もこれまたイイ感じの雰囲気。ただ、気取った感じではなく、カジュアルでもある。また、メニューにも英語表記があるのもありがたい。そのメニューを見ると実際にはフレンチというより、地元のマラガシー食材を活かしたヨーロッパ料理と言ったところで、パスタなどもある。しかし、3日前の衝撃の味が忘れられないので、ここは迷わずFille de zebu grilleにフライドポテトという同じ組み合わせをオーダー。

ミディアムで頼んだそれは程なく出てきた。前回とほぼ同じくらいのサイズでボリューミー。早速、口に運ぶと美味い。実際には、さすがに最初の感動からは薄れるが、やはりゼブ肉のフィレは柔らかく最高。あっという間に平らげる。そして、今晩は更に贅沢ということで、デザートにクリームブリュレもいただく。マダガスカルのバニラの生産量は世界の6割を占め品質も世界一と言われているが、やはりマダガスカル産のバニラをふんだんに使っているのだろうか、イイ香りがして美味しい。
しかも、一皿はこれまで入った観光客向け レストランとそれほどかわらない価格で、全て合わせてまさかの53,000アリアリ。デザートを食べたので、もちろん今までで一番高い食事となったのだが、日本円だと1800円弱。信じられないコスパだ。時刻は閉店時間の22:30になり、ほぼ最後の客となったので、支払いを済ませたら店を出る。

帰りの夜道もまた怖いのでとにかく早足でホテルへと戻る。そして、42号室へと戻ると、もう時刻も遅いので、とっととシャワーだ。そして、シャワーのサーモスをお湯側に倒すがほぼ水。かなり待つとようやく温くなってきたが、水圧が超弱い。これでは気持ち良くは浴びれない。ただ、このシングルベッドを2つくっつけたダブルの部屋は、今までより狭いがキレイだし、なんだか、日本のビジネスホテルに泊まっている感じで落ち着く。
もう、24:00近い。寝よう。アンタナナリボの夜は暮れていく。
