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カネ文学:零細企業の顔をした大企業 — Jリーグという仕組み

私が愛するアビスパ福岡の実態

私が愛するアビスパ福岡の社員数は、おそらく50人前後だろう。
スクールのコーチも、トップの選手も、ほとんどが業務委託や契約社員。
単体で見れば零細企業そのものだ。

しかし視点を変えると、この構造はまったく違って見える。
J1からJ3まで合わせると60クラブ。
それぞれが独立採算制で別法人の形を取りながら、Jリーグという大きな“ホールディングス”の傘下で動いている。
社員数でざっと見積もれば、グループ全体で1500人規模の「大企業体」と言っても過言ではない。

それなのに、多くのファンやサポーターは「アビスパは零細企業」「財政難の弱小クラブ」などと口にする。
しかしそれは表層だけを見た判断にすぎない。
リーグのスポンサーには明治安田のような一流企業が入っている。
そんな“素性不明な零細”に、彼らが巨額のスポンサー料を払うわけがない。
つまり裏付けられた企業体としての信頼があってこそ、リーグ全体は成立しているのだ。

さらに巧妙なのが、このビジネスモデルの設計だ。
一つのクラブが経営破綻しても、実質的には「支店を一つ閉めた」ようなもの。
だがファンからすれば「地域の零細クラブが消える」という感覚になる。
だからこそ「助けなきゃ!」という声が自然に生まれる。
自治体の補助金も集まりやすいし、クラウドファンディングも成立しやすい。

そしておそらく各クラブの経営会議では、まるで支店会議のように情報共有が行われているはずだ。
「この施策で集客が伸びた」「このイベントは赤字だった」などの報告が飛び交う。
それでもファンの目には、自分のクラブが怠慢に見えることもある。
本当は地域差や戦略の違いにすぎないのに。

アビスパ福岡自身も、数年前に監査法人トーマツと組んで経営改善に取り組んだ。
監査法人が零細企業にわざわざ入ることはない。
これこそ、アビスパが“企業体”として扱われている証左だろう。

Jリーグは単なる地域のクラブ集合体ではなく、緻密に設計された企業グループだ。
それを理解しないまま「うちのクラブは弱小だから」と自虐するのは、もったいない。
私にとってアビスパ福岡は、愛すべき存在であると同時に、ビジネスモデルとしても極めて興味深い企業なのである。

©️カネ文学 ©️雑談文学



©️SOP


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