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500万円を失った話(8)不満
緊張感のある平日が終わる。
週末の競馬で解放される。
そのサイクルが当たり前になり、競馬はなくてはならないものになっていた。
この当時、私はまだ結婚していなかった。
同棲という形で、今の妻と暮らしていた。
だから、金は完全に自分のものという感覚だった。
使うことに罪悪感はなかった。
むしろ、必要経費として正当化していた。
生活費はすべて私持ちだったこと、正社員として働いていることで妻は安心していたと思う。
ギャンブルがバレる理由がなかった。
数か月が経った。
ゆうちょの残高は、もう20万円もなかった。
仕事で、決定的なことが起きた。
Aと直接揉めた。
言い争いになった。
そしてそれは、ドラマのように円満には収まらなかった。
班の雰囲気は悪くならなかった。
むしろ、Aの矛先が私に向いたことで、他の負荷が減ったように思えた。
私とAの不仲もあり、仕事は円滑ではなかった。
私だけが残業をして、遅れた分の穴埋めをする日々が続いた。
やるせなさや憤りは、すべて週末の競馬に向けられていった。
