Google流の合理性と、JTCの不条理。その「理想と現実」の埋め方。
正月休みにAudibleで、ピョートル・フェリクス・グジバチ氏の著書『世界最高のチーム — グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』を読了しました。
著者がGoogleのHR(人事)時代に培った経験をもとに、Googleの理念に根ざしたマネジメントの要点がまとめられた一冊。帯にもある通り、最終的には「心理的安全性」が重要という結論に至るのですが、その中身は決して「仲良しグループ」を推奨するものではなく、非常にシビアで合理的なものでした。
本書を聴きながら、自分のチームですぐにでも取り入れたいと感じた「5つの施策メモ」を公開します。
1. 目標設定は「ボトムアップ」で納得感を最大化する
チームの「パーパス(存在意義)」をボトムアップで策定する手法は以前から関心がありましたが、本書を読み、「目標値そのものもメンバー自身に決めさせる」というアプローチに可能性を感じました。
もちろん、会社としての評価指標は別途存在しますが、自分たちで決めた数値であれば、達成への納得感が格段に違います。「やらされる目標」から「自分たちの目標」へ。この転換がチームの熱量を変える鍵になりそうです。
2. 定例会議の「進捗確認」を卒業し、「課題解決」に特化する
本書で最もハッとさせられたのが、 「定例ミーティングでの進捗報告は不要」という指摘です。
物事が順調なら報告するだけで時間の無駄。会議は「判断が必要な課題」に集中すべきだという考え方です。
これを受け、以下の運用を検討しています。
• 事前共有の徹底: 会議前に進捗をテキストでアップデートしておく。
• 振り返りの場: 月に1回、自分たちで決めた目標に対する「振り返り」の時間を設ける。
• 情報の整理力: メンバーが「判断に必要な情報を整理して伝える」訓練から始める。(ここが一番の挑戦になりそうです!)
3. One on Oneで「キャリアオーナーシップ」を育てる
定期的なOne on Oneを通じて、「自分のキャリアは自分で責任を持つ(キャリアオーナーシップ)」という意識への転換を図りたいと考えています。
単なる業務進捗の確認ではなく、中長期的な視点でメンバーがどうありたいかを対話し、自律的に動ける組織を目指します。
4. OKRが機能しない理由を突き詰める
前の会社でもOKR(Objectives and Key Results)を運用していましたが、まったく機能していませんでした。なぜか。
本書を読みながら気づいたのは、今の運用が単なる「MBO(目標管理)」の延長になっていないか?という点です。目標に対する従業員の「納得度」を高めるためには、OKRの本来の目的である「野心的な目標と透明性」を再定義する必要がありそうです。
5. 心理的安全性の「真意」とコーチング
本書では、扱いにくいメンバーへのコーチング事例も非常に具体的に紹介されていました。特に「問いかけ」によって本人の気づきを引き出すスタンス(GROWモデルなど)は、近々昇格試験を受けるメンバーにも共有したいノウハウです。
また、Googleの強さは「心理的安全性」という土台の上に、「健全な新陳代謝(適切な採用と入れ替え)」があることも忘れてはなりません。終身雇用的な「淀み」を避け、いかにチームの危機感と鮮度を保ち続けるか。マネージャーとして向き合い続けるべき課題だと痛感しました。
読み終えて:明日からのアクション
正月休みにインプットしたGoogle流の合理性。
しかし、現実は甘くありません。
この「理想と現実」の巨大なギャップを、私はどう埋めていくのか。
本書が教えてくれたのは、「心理的安全性」とは決してぬるま湯に浸かることではなく、「高い成果のために、耳の痛いことでも率直に言える状態」であるということ。組織が不条理であるからこそ、現場のマネジメントは徹底的に合理的で、かつ人間に対して誠実でなければならないのだと痛感しました。
まずは情報の透明性を高め、ミーティングの質を変えることから。
道は長い。一歩ずつ、この武器を手に現場をハックしていこう。
読んだ本:
『世界最高のチーム — グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』
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