ゲームばかりだった息子が、フルートに本気になった日 「やればできる」と言う前に、親が見落としやすいこと
ゲームばかりの子を見て、不安になる親へ
フルートに本気になった息子を見て考えたこと
ゲームなら何時間でもできるのに、宿題になると急に動かない。
友達との約束なら準備が早いのに、明日の学校の準備はなかなか進まない。
好きなことなら自分から調べるのに、親がしてほしいことになると、声をかけてもなかなか動かない。
子どもを見ていると、そう感じることがあります。
親としては、やっぱり不安になります。
やる気がないのかな。
甘えているだけなのかな。
このままで大丈夫なのかな。
私も、そう思ったことがあります。
うちの長男も、学校から帰ってきたら友達とゲームをするのが、ほぼ毎日の日課でした。
外で遊ぶ日もたまにはありますが、基本的には家に帰るとゲームをしている時間が多かったと思います。
親としては、気になります。
このままでいいのかな。
何かに本気になる日は来るのかな。
うちの子は、何に向いているんだろう。
同じように、子どもがゲームやスマホばかりしている姿を見て、不安になったことがある親御さんもいると思います。
ただ、この記事で書きたいのは、ゲームをやめさせる方法ではありません。
勉強しなさい。
もっと頑張りなさい。
やればできるでしょ。
そう言う前に、子どもがどこで少し動き出しているのかを、見落とさないことも大事なのではないか。
長男のフルートの話を通して、そんなことを考えたので書いてみます。
長男がフルートを選んだ日
長男は中学1年生になって、吹奏楽部でフルートを選びました。
正直、少し意外でした。
運動が嫌いなわけでもなく、手先を使う遊びも好きで、ゲームも好き。そんな長男が、ある日からフルートの話をよくするようになりました。
フルートを希望した生徒は3人で、選ばれるのは2人だけ。
長男は、フルートじゃなきゃいやだと言いました。
そこから、家での様子が少し変わりました。
部活ではフルートを吹き、家では私が渡したペットボトルで息の練習をしていました。
正しい練習方法かどうかはわかりません。フルートをしている人が見たら、笑うかもしれません。
でも、本人は真剣でした。
そして選考の日、長男はフルートに選ばれました。
その日、ニヤニヤしながら帰ってきた顔を、今でも覚えています。
練習しなさいと言わなかった理由
その後、長男は誕生日プレゼントに練習用のフルートがほしいと言いました。
私はフルートを買うとき、長男にこう伝えました。
毎日、何時間も練習しなくていい。
部活でできなかったところ。
悔しかったところ。
もう少しうまくなりたいと思ったところ。
そこだけ練習したらいい。
それから、部屋から同じフレーズが何度も聞こえるようになりました。
曲全部ではありません。
数小節だけです。
音が外れると、また吹き直す。指が合わないと、同じところからやり直す。少し音がつながると、もう一度そこを吹いてみる。
私は、練習しなさいとは一度も言っていません。
それでも、長男は自分で同じところをくり返していました。
その姿を見て、私は思いました。
人が動き出すときは、根性だけではない。
本人が何かに反応して、自分で直したい場所を見つけたとき、親が言わなくても動き出すことがある。
長男のフルートを見て、私はそこを考えるようになりました。
私自身も、きっかけと教え方で変わった
私自身も、子どものころから勉強に向かうタイプではありませんでした。
成績は中くらいで、塾も苦手だったので、一度も行ったことがありません。家で予習復習をするより、ゲームをしている方が多かったと思います。
でも、専門学校に進んでから少し変わりました。
きっかけは、先生の教え方でした。
合格点を取るために勉強するのではなく、100点を取るつもりで勉強する。
この考え方が、私にはすごく合いました。
授業中の聞き方が変わり、わからないところをそのままにしなくなりました。簿記やパソコン関係の資格も、すべて一発で合格できました。
急に頭がよくなったわけではありません。
何を見ればいいのか。
どこを覚えればいいのか。
どう考えれば点につながるのか。
そこが見えたことで、勉強への向き合い方が変わったのだと思います。
長男のフルートを見ていると、そこに近いものを感じました。
やればできる。
この言葉は、励ましにもなります。
でも、使い方を間違えると、ただの根性論にもなります。
本人が動き出すときには、何かしらのきっかけがあります。そのきっかけを見落としたまま、もっと頑張れと言っても、なかなか動けないことがあります。
親の言葉が足りないのではなく、見る場所が少しずれているだけのこともあるのかもしれません。
好きなことには動くのに、親がしてほしいことには動かない
子どもを見ていると、どうしても気になる場面があります。
ゲームなら集中するし、友達との約束なら準備も早い。好きな動画なら同じものを何回でも見ますし、気になることなら、こちらが止めるまで調べていることもあります。
それなのに、宿題になると急に動きが重くなる。
片付けを始めたと思ったら、途中で別のものを触り出す。
明日の準備をしないまま、寝る時間が近づいてくる。
親としては、そこで思ってしまいます。
好きなことには動けるのに、どうしてこれはできないんだろう。
やればできるはずなのに、どうしてやらないんだろう。
このまま大きくなって大丈夫なんだろうか。
そう不安になるのは、親として自然なことだと思います。
ただ、その見方だけで子どもを見ていると、別の場所で出ている小さな動きを見逃すことがあります。
ゲームの中で何度も失敗して、次は違うやり方を試している。
好きなことなら、自分から調べている。
うまくできなかったところを、あとから何度も気にしている。
誰かに見てほしくて、わざと近くでやっているような行動をする。
親がしてほしいこととは違う場所で、子どもはもう動いていることがあります。
そこを見ないまま「やらない子」と決めてしまうと、親の声かけはどうしても強くなります。
ちゃんとしなさい。
早くやりなさい。
やればできるでしょ。
もちろん、言わないといけない場面もあります。宿題もありますし、生活習慣もあります。守らないといけないこともあります。
ただ、言葉を強くする前に、一度見ておきたいことがあります。
この子は、本当に何にも動いていないのか。
それとも、親がしてほしい場所とは違うところで、少し動き出しているのか。
ここを分けて見るだけでも、子どもの見え方は少し変わると思います。
「やればできる」を、追い込む言葉にしないために
やればできる。
この言葉を、私は嫌いではありません。
できないと決めつけるより、まだ出ていない力があると見る方が、ずっといいと思っています。
でも、使い方を間違えると、子どもを追い込む言葉にもなります。
やっていないだけでしょ。
本気ならできるでしょ。
努力が足りないんじゃないの。
そう聞こえてしまうと、子どもは動き出すどころか、余計に動きにくくなることがあります。
親は子どもを責めたいわけではありません。
できるようになってほしい。あとで困ってほしくない。本当は力があると思うから、もったいなく見える。
だからこそ、つい言葉が強くなる。
私も、いつもできているわけではありません。
言いすぎることもありますし、あとから、あの言い方は強かったかなと思うこともあります。
でも、長男のフルートを見てから、少し考えるようになりました。
子どもは、親が思っている場所とは違うところで、もう動き始めていることがある。
そこを見つける前に、やらない子と決めてしまうのは、少しもったいないのかもしれません。
動き出すきっかけは、立派な理由じゃなくていい
動き出すきっかけは、立派な理由とは限りません。
かっこいいと思った。
友達と同じことをしてみたかった。
負けたくなかった。
選ばれたかった。
できた瞬間がうれしかった。
そのくらいの理由から、子どもは動き出すことがあります。
親から見ると小さく見える理由でも、子どもにとっては大事なきっかけになることがあります。
だから、まずは見てみる。
何の話になると、いつもよりよく話すのか。
失敗したあとに、もう一度やろうとする場面はどこか。
うまくできなかったことを、あとから気にしている様子はないか。
誰かに見てほしくて、わざと近くでやっているような行動はないか。
そこに、子どもが動き出すきっかけが隠れていることがあります。
フルートじゃなくてもいいんです。
スポーツでもいい。
絵でもいい。
ゲームでもいい。
友達との会話でもいい。
何かを調べている時間でもいい。
親が期待している形ではなくても、その子が反応している場所があるなら、そこには何かあるのかもしれません。
私は、そこを見ずに「やらない子」と決めてしまうのは、少しもったいないと思うようになりました。
この記事で一番伝えたかったのは、子どもは「動かない」のではなく、親が見ている場所とは違うところで、もう自分から動き出していることがある、ということです。
ただ、実際の子育てでは、ここからがむずかしいところです。
好きなことには動くのに、宿題には動かない。
親が声をかけると、すぐ反発する。
やる気がないように見えるけれど、本当は別の理由があるのかもしれない。
同じ「動かない」に見えても、中身は同じではありません。
強く言えばいいわけでもなく、見守ればいいだけでもなく、褒めれば全部うまくいくわけでもない。
ここから先は、家庭ごとの状況によって見る場所も変わってきます。
そのことをもっと具体的に書いていくと、とても長くなってしまいますので、この記事はこれくらいで、まとめようと思います。
長くなっても読んでみたいと思っていただけた方は、読んでみてください。
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