新しいことを始めるとき、一番聞いてはいけないのは「〇〇な人」の声
素晴らしい経験をしたのに、その熱量を保ったまま継続するのはなかなか難しいと感じています。
今日は、私たちが新しい物事に向き合うときのプロセスである「未経験」「経験」「継続」の3つの言葉を切り口に、世の中に出回る「声の大きさ」の不思議な法則について考えてみます。
まずは、言葉の定義から。
未経験: まだ経験していないこと。まだやっていない状態。
経験: 実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。知識や技能を得るプロセス。
継続: 前から行っていること(経験)を、そのままやり続けること。
これら3つの言葉を順番に並べると、「まだやっていない状態(未経験)」から、「実際にやってみて知識や技能を得る(経験)」へ移り、それを「日常としてやり続ける(継続)」という、人が新しい物事を身につけていく綺麗な一本の道筋が見えてきます。
しかし、人が他者に対して物事を「熱く語る」ときの熱量(声の大きさ)は、この順番通りではないと感じています。私の主観では、その熱量は以下の順番になります。
経験(直後) > 未経験 > 継続
一番熱く語るのは、間違いなく「経験した直後」の人です。次に熱く語るのは、実は「未経験」の人。そして最後に、最も静かなのが「継続」している人なのです。

なぜ、このような熱量の逆転現象が起きるのかな?
未経験者が「やらない理由」を熱く語る心理
まずは、2番目に声が大きい「未経験者」について考えてみます。未経験の人は、物事に対して特にネガティブな先入観を強く主張する傾向があります。
この心理の根底には、保身や防衛本能が働いているのだと思います。 誰しも変化は怖いものです。現状維持のままでいたいというバイアスが強く働きます。「経験する」ということは、多かれ少なかれ自分に変化をもたらす大きな出来事です。
だからこそ、うまくいっている人をうらやましく感じつつも、踏み出せない自分を正当化するために「やらない言い訳」を並べる。あるいは、もし自分が挑戦して失敗したときのダメージを減らすために、あらかじめ「あんなのやらない方がいいよ」と防衛線を張っておく。
未経験者がリスクばかりに目を向け、ネガティブな発言を大きな声で繰り返すのは、まだ見ぬ喜びや楽しさが想像できず、目に見える恐怖や不安だけが極端に大きく映っているからでしょう。
なぜ経験者はポジティブな発言をし、そして継続者は静かになるのか?
では、1度目の経験をした人が、最も強くポジティブな発言をする理由はどこにあるのでしょう?
これは多くの方が実感している通りです。初めて味わう喜び、初めて食べた美味しいもの、初めて見た絶景。こうした初めてのポジティブな体験は、脳内の報酬系を強く刺激し、快楽物質であるドーパミンを大量に分泌させます。
だから当然、家族や友人に「あれ、最高だったよ!」と熱く語りたくなるのです。インスタグラムへの写真アップなど、SNSの投稿にこのパターンが多いのではないかと思います。
しかし不思議なことに、その喜びを知り、継続し続けている人たちは、だんだんとそのポジティブな経験を自分からは語らなくなっていきます。
決して、楽しくなくなったわけではありません。質問されれば「すごくいいよ、楽しいよ」とポジティブな答えがいつでも返ってきます。しかし、聞かれない限り、自ら大声でアピールすることは減っていくようです。
その理由は、それが日常になり、生活の中に深く組み込まれたルーティンワークになったからです。ドーパミンによる強烈な高揚感は、良くも悪くも時間とともに落ち着いていきます。
1回目の感動が「非日常」だとすれば、継続によってそれが「静かで楽しい日常」へと変化したのです。わざわざ他人に話す必要のない、自分だけの豊かさとして定着した証拠だと言えます。

数字で見る「声の大きさ」のカラクリ
この「未経験・経験・継続」の熱量の違いを、具体的な人数の比率(私の推測)で表すと、世の中の情報の偏りが見えてきます。
たとえば、「投資」について。
未経験: 50%(一度もやったことがない)
経験(離脱): 20%(始めたが、やめてしまった)
継続: 30%(現在も続けている)
未経験者が半数を占めています。声の大きい未経験者が「元本割れするからやめとけ」とネガティブな発信をするため、SNSなどではどうしても投資へのネガティブな声が目立ちます。
これから始めようとする人は、そのネガティブ情報をシャワーのように浴びてしまうため、なかなか動き出せません。 しかし数字を見れば、始めるハードルさえ越えてしまえば、実は離脱する人(20%)よりも、静かに継続している人(30%)の方が多いのです。
継続している人は資産形成が順調な人ですが、日常になっているので、ポジティブ発言を積極的にはしてくれません。だから、なおさら、未経験者のネガティブ発言ばかりが届いてしまいます。
◇ ◇ ◇
「FIRE(経済的自立と早期退職)」というライフスタイルに至っては、さらに顕著です。
未経験: 98%
経験(離脱): 1%
継続: 1%
こんな圧倒的な比率(私の推測)ですから、日常でFIRE達成者に出会うことはまずありません。メディアが「FIREブーム」と騒いでも、世の中に出回るのは98%の未経験者が生み出すネガティブな憶測ばかりです。
先日、あるFIREオフ会でこの話題が出たのですが、やはり皆さんも未経験者からのネガティブな意見をよく耳にしていました。
面白いことに、人間には「実際にFIREを継続して満足している人」の生の声よりも、「やったこともない未経験者」のネガティブな情報を信じてしまう傾向があります。数の心理が働き、多数派の声が真実のように思えてしまうのでしょう。
私自身、FIREライフスタイルを始めて4年ほど経ち、毎日とても満足した生活を送っていますが、いまだに未経験者から「FIREなんか絶対やめたほうがいいぞ」と忠告されることがあります。やったこともない人が、いま幸せに継続している人に向かって「やめろ」と言う。とても不思議な会話ですよね。
かつては私もそちら側にいたから、気持ちは痛いほどわかる。でも、こちら側の景色を知ってしまった今となっては、ただ微笑ましく聞いてしまいます。
日常のマイブームにも当てはまる法則
投資やFIREのような大きな決断だけでなく、日々の趣味や買い物など、あらゆる事象がこの構図に当てはまると感じています。
私のいまの生活には、音楽が欠かせません。楽譜を作ったり、音楽スタジオに通ってドラムを叩いたり、ギター弾き語りをしてYouTubeに公開したり、音楽友達と会話したりすることに、大きな幸せを感じています。
始めたばかりの頃は「みんなもやればいいのに!」と強く思っていましたが、継続して生活の一部としてルーティンになった今は、自分から熱く語る時期は過ぎました。ただ静かに、深い満足感とともに楽しんでいます。
また、最近はアイススケートも楽しんでいます。フィギュアスケートの「りくりゅうペア」の金メダルや中井亜美選手の可愛さを見て、これからスケートブームが来る予感もしています。気になっているなら、ぜひその波に乗ってみればいいと思います。
しかしここでも、スケートをやったことがない未経験者は、大きな声で「転んで怪我するよ」「危ないよ」とネガティブな発言をします。
確かに、派手に転んでスマートウォッチが激しい転倒を検知してしまうようなリスクはあります。
(参照記事リンク→りくりゅうペアを夢見る少女たちの横で、Apple Watchに通報されそうになっている話)
ですが、それをはるかに上回る「氷の上を滑る爽快感」や「新しいことができるようになる喜び」があるのです。未経験者にはその喜びが全くわからないので、リスクだけを過大に語ります。
誰の声に耳を傾けるべきか
さて、タイトルの回収です。
新しいことを始めようとする時、一番聞いてはいけないのは「やったことがない人(未経験者)」の大きな声です。その声は、恐怖と保身から生まれたノイズでしかありません。一切、聞かなくていいと私は思います。
私は投資を30年継続していますが、SNSに溢れる投資未経験者、あるいは始めたばかりの右も左も分からない素人のコメントが溢れています。一切聞かなくていいですよ。
信頼している両親や親友に相談したりしてませんか? 信頼していもいいけど、信用しちゃダメですよ。信用とは過去の実績や客観的根拠に基づき信じること。両親や親友は、あなたが新しい何かを始める時、すでに経験して継続していないのであれば、信用はしてはいけないんですよ。
信頼と信用を間違えないでね。
だから、ぜひ、今も継続している人を見つけ出して、こう質問してみてください。
「初めてやった時はどうでしたか?」
「そして、続けている現在はどうですか?」
普段は自ら語らない継続者たちも、質問されればきっと、経験直後のあの強いポジティブな記憶と、継続しているからこそわかる深い喜びについて、惜しみなく教えてくれるはずです。
普段は語らない「継続者」の頭の中を覗いてみたい方はおられますか?
実は私自身が、FIREというライフスタイルを経験し、継続している当事者として、その本音や深い喜びを1冊の本にまとめています。
私が経験し継続している体験談です。無料で読めるキャンペーンもやっているので、ぜひ読んでみてください!
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