見出し画像

「日本が大嫌い」から「日本人」へ! 外国人言語学者がガチでハマった世にも奇妙な日本語の魔力

この記事で紹介する本はこちらです。
※この記事にはAmazonアフィリエイトリンクが含まれています。

翔平 : この本はね、すごく長いタイトルなんだけど、アメリカ出身の応用言語学者、アン・クレシーニさんという方が書いたものなんだ。彼女は日本語と日本文化をこよなく愛していて、2023年にはとうとう日本に帰化されたんだよ。

奈美 : 元アメリカ人の言語学者が、日本語について書いているんだ。どんな内容なんだろう。

翔平 : 彼女は日本に来て25年も経つけど、最初は日本文化になじめなくて「日本が大嫌い」だった時期もあるんだって。でも、ある日、Kiroroの歌の歌詞に感動して、そこから日本語の魅力にまんまとハマったそうだよ。

奈美 : 日本が大嫌いだったのに、日本語に救われたなんて、なんだかドラマチックだね。日本語のどんなところに惹かれたんだろう。

翔平 : 彼女は、語学の勉強には、その言語を話す人々と深い絆を作ることと、その国の文化や価値観に触れることができるという、コミュニケーション以上の役割があると考えているんだ。

奈美 : なるほど、言葉を通して文化や人とのつながりが見えてくるんだね。でも、日本語って外国人にとって習得がすごく難しいって聞くけど、実際どうなんだろう?

翔平 : 難しいのは確かだよ。アメリカ国務省の発表では、日本語は英語話者にとって最も習得しにくいカテゴリー4にランク付けされているんだ。

奈美 : え、最難関なんだ!何がそんなに難しいんだろう?

翔平 : 理由がいくつかあってね。まず、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字が必要なこと。そして、数えきれないほどの漢字と、それぞれのたくさんの読み方があること。さらに、会話の80%を理解するには5000語の語彙が必要なんだって。

奈美 : 5000語!それは大変だね。著者のアンさんは、そんな難しい日本語をどうやって使いこなせるようになったんだろう。

翔平 : 彼女は自分には語学の才能はないって笑っているんだけど、実は他の3つの言語(フランス語、中国語、韓国語)を頑張って勉強したけど、どれもダメで諦めているんだ。

奈美 : 語学の才能がないのに、日本語は話せるようになったんだ?その理由が知りたいな。

翔平 : 彼女が日本語を習得できた理由は主に4つあると言っていて、そのうち3つは努力と環境と勉強法なんだ。例えば、死ぬほど勉強したことや、日本に住んで「使わないと生活ができない」という必要性があったこと。

奈美 : 環境と努力は大事だよね。あとのひとつは何かな?

翔平 : それが少しミステリアスなんだ。彼女が覚えた日本語の2割くらいは、まるで「天から降りてきた」ような気がする、と言っている。努力の結果がほとんどだけど、習った記憶がない文法や単語が口から自然と出てくることがあるらしいよ。

奈美 : すごいね、日本語を話すために生まれてきたみたいね。本の中では、日本語のどんな謎に触れているの?

翔平 : 例えば、外国人を困惑させる日本語の「曖昧さ」について詳しく解説されている。市役所で「それはちょっと難しいですね」と言われたとき、ポジティブなアメリカ人として「頑張ればできる」と思ったのに、実は「絶対に無理」という意味だったというエピソードが紹介されているよ。

奈美 : ああ、日本人特有の遠回しな言い方だ!それは外国の方にはわかりにくいかも。

翔平 : 日本では、他人を傷つけないように物事を丸く言うことが礼儀だとされているからね。この本では、話し手の真意が伝わらなかったら、聞き手に「空気を読む力がない」と判断されるという、日本語のコミュニケーションの不思議にも触れているんだ。

奈美 : 「空気を読む」文化が関係しているんだね。他には、言葉と文化が強く結びついている例はある?

翔平 : とても興味深い例として、「単身赴任」があるよ。アメリカには軍隊の派遣を除いて単身赴任の制度はほとんどないから、著者は最初、日本人は仕事を最優先にしていると誤解していたんだ。

奈美 : 誤解?でも、単身赴任って仕事のための転勤だよね?

翔平 : 実際はその正反対で、受験制度の違いなどから、子どもの教育方針や進路を変えなくて済むように、子どものことを何より大事に考えているからこそ生まれた制度だと、この本では説明されているんだ。

奈美 : なるほど。言葉の背景にある文化を知らないと、まったく逆の意味に捉えてしまうんだね。

翔平 : 他にも、日本人の夫婦が「愛している」と滅多に口にしない理由についても触れられている。著者は最初は愛し合っていないのかと思っていたけど、実際は「月が綺麗ですね」のような、日本文化にふさわしい様々な愛情表現があることを発見したんだ。

奈美 : 外国人の方には、日常的な「ありがとう」や「お風呂が沸きましたよ」が愛情表現だなんて、想像もつかないかもしれないね。

翔平 : それにね、この本には、著者の人生を救った、ある日本語についても書かれているんだ。彼女は25年間摂食障害に苦しんでいたんだけど、「いただきます」の本当の意味を知って、病気を克服できたんだよ。

奈美 : 「いただきます」の意味で、人生が変わったの?

翔平 : そう。「いただきます」は単なる「食べましょう」(Let's Eat)という意味だけじゃなくて、「命を捧げてくれた動物と植物に感謝し、調理してくれた人にも感謝する」という意味だと教えてもらったんだ。この気づきが、食べ物を敵視していた彼女にとって大きなターニングポイントになったらしい。

奈美 : そんな深い意味が込められていたんだね。なんだか、普段何気なく使っている日本語を見つめ直したくなるね。

翔平 : この本では、普段意識しない助詞の「が」と「は」の使い分けのルールや、外国人にとっては「呪文にしか聞こえない」と言われるオノマトペについても解説されているよ。

奈美 : 私たちが感覚的に使いこなしている言葉のルールを、改めて言語学者の視点で知ることができるんだね。

翔平 : そうだね。そして、私たち日本人がよく使う「お世話になります」や「ビミョー」といった言葉が、いかに英語に訳しにくくて便利かということも、ユーモアたっぷりに書かれているんだ。

奈美 : 外国人の視点から、私たちが当たり前に使っている言葉の謎が解き明かされていくなんて、すごく面白そう!私も自分の言葉や文化について、もっと深く知りたくなったわ。

いいなと思ったら応援しよう!