人生で最初に公開した自作曲 | PostWater | Track#1 | 耳の奥に残しておきたい自分の曲 #7
人生で最初に公開した自作曲 | PostWater | Track#1 | 耳の奥に残しておきたい自分の曲#7
最近はスマホ録音の曲を公開しているけれど、何度か書いているように、昔はきちんと機材を揃えて宅録していた時期があった。
大学時代、バイト代を全部つぎ込んで買い揃えた機材たち。これがちょうど2000年、1回目の富士急で開催されたサマソニに行った頃だ。
駅で野宿して風邪をひき、ゲホゲホ言いながら帰宅して、そのまま録音していた記憶がある。
今思うと無茶だけど、あの頃の自分はああいう無茶さでしか動けなかった。
1回目のサマソニは、Sigur Rós 初来日。
まだ知名度も低く、体育館みたいな2ndステージの2番手。
Teenage Fanclub も Flaming Lips も同じように2ndステージ。
あの頃の空気のことは、また別で書こうと思う。
宅録に戻るけど、当時はBOSSの8トラックMTRを使って録音していた。
演奏よりも、各楽器の音量、左右の振り分け、奥行きの感覚──
そういうものを掴むのにとても時間がかかった。
ポストロックにも出会い、耳が開いていく時期だったけれど、
バンドを組むつもりはなかったし、ひたすら一人で録音していた。
聴いてくれるのは本当にごく近い人だけ。
そして自分でも「悪くないけど、これでいいとは言い切れない」という感覚だけが残っていた。
レコ屋で働き始めてからもギターは時々弾いていた。
店員の中にはバンドマンもいて、彼らから MySpace の存在を知った。
「自作曲を公開できる」「プロとも繋がれる」
そんな話が、当時の自分の心を一気にざわつかせた。
アップできる音源はなかったけど、
「知らない誰かに聴いてほしい」
その気持ちだけで作ったのが、今回の曲。
これが、知人以外に初めて公開した曲。
初めて「公開しても大丈夫」と思えた曲。
良かったら聴いてみてください。
アーカイブから曲を発掘してYouTubeで復活させてくれた方には、改めて感謝している。
調べたら、この曲は2006年の録音だった。
もう19年前のことだと思うと、軽くめまいがする。
この曲のテーマには「テレパシー」があった。
“テレパシーで通じ合えたらいいのに。
でも本音が全部わかると、人は傷ついて生きていけないから言葉を発明した。”
当時はそんなことを考えていた。
曲からテレパシーが感じられるかはわからない。
でも、この曲を MySpace に公開したことで、
海の向こうのまったく知らない誰かが
「CD送ってくれない? 友達に紹介したい!」
と言ってくれたり、
別の海外の 3 人が、失われた曲をYouTubeに復元してくれたり、
そんなことが現実に起きた。
今思うと、あの頃の自分の“テレパシー”は、
届くべき人には届いていたのかもしれない。
19年経った今は、状況も心もすっかり変わってしまったけれど、
仕事で擦り減りながらも、
それでも切り離せない音楽で、
ひっそりと痕跡のようなものを残せたのは、やっぱり良かったと思う。
追記:
当時、静かに反響があったのは、むしろこちらの曲でした。
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