【第163回】ディズニー映画「アーロと少年」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
アーロ: You've got some nerve coming here. It's all your fault! My poppa would still be alive if it weren't for you! 「よく戻ってきたな。お前のせいだ!お前がいなきゃパパは生きていた!」
You've got some nerve coming here. 「よく戻ってきたな」
食べ物を盗んだ少年に対してアーロが言った言葉です。
nerve は「神経」ですが、ここでは「図々しさ」「厚かましさ」という意味で使われています。
ですから「あなたはここに来るという図々しさを持っている」が直訳ですが、そこから「ここに来るとは図々しいね」と表現できます。
他にも「まあよくもここにこれたもんだ」や「どの面(ツラ)下げてここに来たの?」とちょっと汚い言い方も可能です。
日本語を考えるのも面白いですね。この nerve を使った表現はポジティブな意味でも使えます。
You’ve got some nerve helping him in such a dangerous situation! 「そんな危険な状況で彼を助けるなんて、すごい勇気だね」
ここでは You’ve got some nerve …ing ですが、You’ve got some nerve to … と to 不定詞でも表すことができます。
You’ve got some nerve to ask me for help after ignoring me for weeks.
「何週間も私を無視しておいて、私に助けを求めるとはいい度胸だ」
アーロ: You! I should've killed you the first time. This is all your fault. Get over here. Get over here. Get away. Get away. Get away. Get away! That's right. You better run! Where am I? Where's home? 「最初からやっつけておけばよかった。お前のせいだぞ。来いよ。あっち行け」
川に流されたアーロが岸にあがると、少年スポットと偶然出会います。スポットは食べ物を盗んだ泥棒で、父親が死んだのはスポットのせいだとアーロは詰め寄りますが…
① Get over here. 「来いよ」
字幕の通り“こっちに来る“ように命令する時に使われます。でも「こっちに来いよ」は Come here! が一般的ではないでしょうか。
そこでこの2つの違いが気になりChatGPT に聞きました。
“Come here” is neutral and polite, while “Get over here” feels more forceful or emotional.
“Get over here” often implies impatience or urgency, while “Come here” is more casual.
まとめると「 “Come here” は中立的で丁寧な表現でよりカジュアルであるのに対して”Get over here” は緊急性を含むことが多くより強い命令口調や感情的なニュアンスがある」です。
この違いも面白いですね。基本は Come here. でOKですが、より強く緊急性のある場合には Get over here. を使った方がその場に合っているというわけです。
アーロは少年スポットと向き合った時、Get over here! と威圧したのです。その場での戦いなので緊急性もあります。
Come here! では相手はビビらないかもしれません。でもでも… 次の②に進んでください。
② Get away! 「あっちへ行け!」
away は“離れた” なので、字幕の通り「あっちへ行け!」です。
アーロンは Get over here! と強気になって少年を威嚇したのですが、少年がアーロに近づくと急に怖くなって Get away! と叫んでしまったのです。アーロの心優しい一面が出たセリフです。
Get over here! と Get away! は反対の意味を表す熟語なのでまとめて覚えておくと忘れにくくなると思います。
ここでもう一つ疑問が湧きました。それは Go away! と Get away! の違いです。どちらも「あっちへ行って!」ですが、違いを ChatGPT に聞きました。
“Get away” emphasizes creating distance immediately (often implying danger or frustration).
“Go away” emphasizes leaving entirely and not staying nearby, but it feels less urgent.
「Get away は早急に距離を取ることを強調し、しばしば危険やイライラした感情を含んでいる。それに対して Go away は完全にどこかに行って近くにいないことを強調するが、緊急性は少なく穏やかな印象を与える」とのことです。
go away は「行って離れる」の通り、話者の目からいなくなることです。ただ、go なので単に“行く”だけで緊急性は感じられないのでしょう。
それに対して get away の get は“着く”( get to…) というニュアンスもあり、“離れてそこにいろ”という強くて攻撃的なニュアンスが出てくるのではないでしょうか。
でも私の頭の中がまだスッキリしてないです。今後もっとこの go と get を深掘りしていきたいですね。
アーロ: I am still gonna squeeze the life out of you. But before I do, can you find me some more? Uh, here, more of these. 「僕は今だってお前をひねりつぶそてやりたい。でもその前に…もう少しくれる?ほら、これだよ」
少年スポットがベリーを持って現れます。そして空腹のアーロはそのベリーを食べまくり無くなってしまいます。
I am still gonna squeezethe life out of you. 「僕は今だってお前をひねりつぶそてやりたい」
squeeze は「絞り出す」で、squeeze A out of B で「BからAを絞り出す」なので「お前(少年スポット)からまだ命を絞り出してやりたい気分だ」という意味です。
ちょっと物騒ですが、ユニークなのはアーロはこのセリフを言う前に少年がとってきたベリーを食べて、しかももっとベリーを持ってきてくれ(can you find me some more? )と言っているのです。
全く脅しになっていないですよね。ここでも無邪気で人のいいアーロがいるのです。
でもこの squeeze the life out of you は次のように比喩的に使う場合が多いです。
She finally met his son after 30 years, so she hugged him so tightly it felt like she was squeezing the life out of him. 「30年ぶりにやっと息子に会えた彼女は、彼から命を絞り出すように強く抱きしめた」
この squeeze を hug に変えて I hugged the life out of him. のように hug (ハグする)を使っても同じ意味を表せます。ただ、squeeze の方が hug よりも大げさな意味になるのは想像いただけると思います。
アロー: What's with you? They're right here. Crazy critter. 「何だよ。木の実はそこだろ。変な奴」
What’s with you? 「何だよ?」
探していた木の実が目の前にあるのに取りに行こうとしない少年のスポットにアーロが言った言葉です。
これは相手の態度に対する苛立ち、驚き、困惑、心配などに対して言う表現です。
アローのこのセリフも木の実を取りに行かないスポットに対する苛立ちを表しています。字幕の「何だよ?」は苛立ちを表すピッタリの日本語ですね。
これに wrong を加えた What’s wrong with you? もよく使われますが、違いは wrong がある方は、“悪さ”がより強調されてると推測されます。そこで違いをChatGPT に聞いてみまた。
“What’s with you?” is more neutral and flexible, often without assuming something is seriously wrong.
“What’s wrong with you?” is more direct and often implies that something is problematic about the person.
「What’s with you? は、よりニュートラルで柔軟な表現。特に深刻な問題があると決めつけずに使える。他方、What’s wrong with you? は、より直接的で、相手に何か問題があると仮定しているニュアンスが強い」
という違いがあります。
でも「どうしたんだ?」は What’s wrong with you? がよく使われると思うのですが、強めの表現なので、軽めのトーンで伝えたい時は What’s with you? が適切だというのがわかります。
