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【第173回】ディズニー映画「ソウルフル・ワールド」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

リッバ: With this job, you’ll be able to put that dead-end gigging behind you. And Lord knows we need more teachers in this world. And just think, playing music will finally be your real career. So you’re going to tell them yes, right? 「将来のないライヴにオサラバ。世の中は先生が不足。だいいち、やっと音楽でまともに食べていけるのよ」

「ソウルフル・ワールド」

母リッパは息子のジョーが正規採用の教員になることを望んでいます。

With this job, you’ll be able to put that dead-end gigging behind you.
「この仕事があれば、将来性のない仕事を終わらすことができるよ」が直訳です。

ポイントとなる表現は put … behind you です。「…をあなたの後ろにおく」で、“気にかけていたものを後ろに置いてもう気にしないようにする”というニュアンスが伝わってくると思います。

そこから「…を終わらせて気持ちを切り替える」や「…を過去のこととして割り切る」といった意味になります。

with this job のthis job とは「正規雇用の先生」で、dead-end gigging は「将来性のない仕事」=「非常勤の楽団の先生」なので、「正規雇用の先生になれば、今の将来性のない仕事を終わらせて気持ちを切り替えられるだろう」という意味です。

字幕の「将来性のない仕事とオサラバできる」も日本語のニュアンスが伝わってきますね。

ただChatGPT が答えてくれた次の説明はとてもユニークです。

put … behind you : Doesn’t imply forgetting, just not dwelling on it.

ChatGPT

「忘れるという意味ではなく、ただこだわらないようにすること」が put ... behind you の持つニュアンスであるということです。

forget は「忘れる」ですが、put … behind someone は「こだわらない」です。

この違いを念頭に置いて次の2つの例文を見比べて下さい。
(1) Forget him, and move on someone else.
(2) Put him behind you, and move on someone else.

どちらがより現実的でしょうか?

答えは(2)です。なぜなら(1)の forget を使った文は「(別れた)彼のことを完全に忘れなさい(=心から取り除きなさい)」という意味になり、現実は難しいからです。

それに対して(2)の put … behind you の文は「彼のことにこだわることなく次に進もう」と忘れなくてもいいから次のステップへ行くことが大切だと強調しているのです。

これも困難なことかもしれませんが努力すればできるかもしれません。

You made a mistake, but it’s time to put it behind you and move forward. 「ミスしちゃったけど、もう気にせず前に進もう」

スポーツで選手がミスをした時などに励ますのはよくある光景です。

put … behind someone ー ぜひ覚えておきたいフレーズです。



カーリー: Oh, okay, Mr. Gardner. Hey, look, I’m the new drummer in the Dorothea Williams Quartet, and we’re kickin’ off our tour with a show at The Half Note tonight. 「はい先生。俺、ドロシアのバンドのドラマーで…今夜ハーフノートに出ます」
ジョー: Dorothea Williams! Are you kidding me? Are you kidding me? Congratulations, man. Wow! I would die a happy man if I could perform with Dorothea Williams. 「ドロシア・ウィリアムズ?すごいじゃないか。もし彼女と共演できたら死んでもいい」

「ソウルフル・ワールド」

ジョーの元教え子でドラマーのカーリーが、伝説的ジャズミュージシャンのドロシア・ウィリアムズのバンドに参加することになったとジョーに報告します。

① we’re kickin’ off our tour with a show at The Half Note tonight.
kick off はサッカーの試合などが開始される時に使われます。

「始める」は start が一般的ですがやはりその違いが気になります。そこで ChatGPT で調べてみました。

Start can be used for almost anything: activities, machines, relationships, etc.
Kick off is more idiomatic and often used for events, discussions, or sports.  Kick off can imply an energetic or exciting beginning.
(ex) The festival kicked off with a big fireworks display!

ChatGPT

わかったことは、「Start は活動、機械、人間関係などほぼ何にでも使える。Kick off は慣用的な言い回しで、イベント・議論・スポーツなどに使われる、活気のありワクワクさせるような始まりを意味することもある」です。

例文の The festival kicked off with a big fireworks display! 「祭りは大きな花火で幕を開けた!」はまさしく”活気のある始まり”を表していますよね。

Let’s kick off the party with a toast! 「パーティーを乾杯で始めよう! 」⇦ パーティーが始まる活気が読み取れます。

サッカーで“ワクワクさせる”キックオフを使う理由が腑に落ちました。

② I would die a happy man if I could perform with Dorothea Williams. 「もし彼女と共演できたら死んでもいい

仮定法の文ですが、ここで取り上げたいのは die a happy man というフレーズです。

あまり見ないというか、全く見たことがないフレーズかもしれません。「die の次に a happy manと(人)がくるの!?」となってしまいそうです。

でも、He died young. 「彼は若くして死んだ」は聞いたことがあるのではないでしょうか。young は“若いという状態で”という意味を表します。

同様に a happy man も“幸せな人の状態で”という意味として考えると、「彼は幸せな人の状態で(=人として)死ぬ」となるのがわかってきます。

die a happy man 以外にも

He died a hero. 「彼は英雄としてこの世を去った」

She died a wealthy woman. 「彼女は裕福なまま亡くなった」

などが考えられます。

次のようにdie 以外でもいろいろと応用が効きます。

He came home a different person. 「彼は別人になって帰ってきた」(⇦ 別人の状態で)

She went to bed a happy child.” 「彼女は幸せな気持ちで寝た」( ⇦ 幸せな子供の状態で)

He left the meeting an angry man. 「彼は怒って会議を後にした」( ⇦ 怒った人として)

なかなか馴染めない表現ばかりですが “as”を a different person やa happy child などの前に挿入するとわかりやすいです

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