完全に土星化したインターネット:私たちは無自覚なまま〝デジタル小作農〟になっている
先日、購入していただいた【クリエイターのためのホロスコープ鑑定】の作業を進めていく中で、あることを確信しました。それは「占星術における天王星の象意が変わってしまった」ということです。
10年ほど前まで天王星は、テクノロジーやインターネット、そして既存の枠組みを打ち破る〝冴えた知性と個の自由〟を象徴する天体でした。
しかし2026年現在、SNSやデジタルプラットフォームはアルゴリズムによって管理され、その画一的なパターンへの適応を私たちは強いられています。
さらに生成AIが急速に社会に行き渡ったことにより、「自分の頭で考えること」「道具の使い手であること」を、無自覚なまま加速度的に忘れようとしています。
この状態は「独立・オリジナル・革新・個人主義」という、天王星の象意とは正反対のものであり、「保守・権威・安定・全体主義」という土星の象意に合致しています。つまり、インターネット世界がすっかり土星化しているのです。
私がそれを知ったのは、この春、ココナラで鑑定コンテンツを販売しようとした時でした。サイトの状況をよくよく調べ、ニーズに振り切ったコンテンツを作り、ワンコイン価格で5、6個ほど出品してみて、得た認識は、
「ここで、これを続けていると〝デジタル小作農〟になる」
ということでした。
キャストポータルへ登録して単発バイトに1日行けば、最低でも8000円は稼げる今の日本において、
◯アルゴリズムによって刈り取られた「いいねゼロ・実売ゼロ」のコンテンツの屍の荒野が、カテゴリ一覧ページの7割を占めているプラットフォーム
◯そこへ新規参入して新作コンテンツを投下しても、新着一覧でしか表示されず、大半の購買者は新着一覧を見ない
◯販売実績がつかなければ、見られやすい場所にコンテンツは置かれず、存在そのものを知られないため、購入されないループに入る
◯このループから抜け出すには、知り合いにコンテンツを買ってもらい、いいねとコメントをつけてもらうのが、最速で唯一の手段となる
◯それをやっても一見の客にコンテンツが売れるとは限らない
◯売れても500~1000円の低価格でリピーター作りに励まないといけない
◯例えば月に2万円稼ぐには、1000円のコンテンツを20本、500円なら40本を、毎日作って売らなければならない
◯そうやって得た収益からは、1コンテンツにつき22%の手数料=プラットフォーム使用料と、振込手数料を引かれてしまう(500円のコンテンツを40本売って2万円を作っても、口座に入金されるのは15.000円強となる)
◯以上は〝理想的に展開した場合〟で、一ヶ月で2~3000円の収益にしかならず、ゼロ円というケースも普通にありうる
という世界になっているのが、ココナラというプラットフォーム(少なくとも占いジャンル)の状況です。
「スキマ時間を使ってネットで副業」という軽やかで効率の良いイメージからは、あまりにかけ離れた現実であり、知った時点で参入者の大半が離脱していきます(この段階で離れる人たちは健全なメンタルの持ち主です。自分をディスカウントすることに対して、アラームを鳴らせていますから)。
それでもプラットフォームに残って最適化を進める人たちが、場の中核に組み込まれていきます。彼らは最初から〝スキマ副業〟が目的なのではありません。
①ビジネスベースと顧客と収益を、すでに外部で成立させている人々
⇒ 新規市場の開拓にきている。
②売り手を顧客にしたい人々
⇒ 情報商材の販売にきている。
③ネットビジネスで一発逆転という射幸心に駆られた人々
⇒ 負けが込んでも諦めないギャンブラー
④趣味や人生のミッションのためにオープンスペースを求める人々
⇒ 金銭度外視。noteに多い。
この四種類(中でも①と②)の人々を回転軸に〝装填〟することで、プラットフォームは膨大な数の人間を引き寄せ、無料で受け入れ続けます。
それは、サイトを存続させる最重要事項が「大量のアクセスを得続けること」だからであり、そのために〝農地〟としてのプラットフォームを黙々と耕し続けてくれる=アクセス数を上げ続けてくれる〝契約なき小作農〟を、途切れなく〝新陳代謝〟していく必要があるからです。
小作農とは、
田畑をほとんど所有せず、耕地を地主から預かって小作し、時には宅地や家屋さえも借りていた農家であり、収穫量の半分を小作料として納めなければならなかった階級の農民
を指す言葉であり、農地改革前の日本に大量に存在していた人々です。
・小作料が50%から20%に減らされていること
・逃げられないよう厳しい契約で縛られていないこと
この二つを除けば、ココナラなどのコンテンツプラットフォームの参入者=私たちが、自発的に(あるいは情報商材に啓蒙されて)やっていることは、この小作農のあり方と働き方に酷似しています。
これはプラットフォームの運営企業が、法制度ではなく、テックを使って、地主と小作の身分および階層を、構造的に(たとえ意図的にではないにしろ)作り出しており、そのことにユーザーの大半が気づいていない状況を示しています。
10年前、私はHPを使って、未経験・実績ゼロの状態で有料鑑定をやっており、約1年半の期間で、のべ100人の方から、2000円~10000円の幅で鑑定依頼を受けていました(同時期にココナラでもタロットリーディングのコンテンツを低価格帯で出していました)。営業としてはツイッターで告知しているだけでした。
今、ココナラで占いコンテンツを売ろうとしている人からすれば、信じられない話でしょうが、10年前のネット上では、実績ゼロでも〝自作農〟がそこそこ出来ていました。私が特別だったわけではなく、そういう方が大勢おられたのです。
あれからデバイスは進化し続け、アルゴリズムは発達し、生成AIまで登場してネットの隅々まで行き渡りましたが、反比例するように「独立・オリジナル・革新・個人主義」といった天王星的な存在や状況は、ネット上から姿を消し、代わりに「保守・権威・安定・集団主義」そして「管理と格差・超低賃金労働」といった、土星的な気分と関係性が当たり前の状況になっています。
では、天王星的なエッセンスや、人や、物や、状況は、土星的な要素に負われた結果、どこへ行ってしまったのでしょう?
ホロスコープ鑑定において、誰を、何を、どんな状況を、天王星の象意として読んでいけばいいのでしょうか?
そんな疑問を、土星化テクノロジーの急先鋒である生成AI(Google AI Studio) に、あえて訊いてみることにしました。入り口は、お金の稼ぎ方に関わる2ハウス天王星についての質問です。
🗲
(ここから Google AI Studio との会話)
🗲
私:
現在のネット環境は構造全体が土星化しており、天王星的な象意は、別場所、別のスタイルに移っていると思うのです。それはどこで、何であるのか、2ハウスの象意に限定して語って下さい。
G.A.S:
現代において2ハウスの天王星が示す、真の天王星的象意とは、アルゴリズム(市場原理・プラットフォームの評価軸)からの完全な脱却です。
◆適正価格という概念の破壊
ネット上の相場やココナラの単価に合わせるのは、天王星を殺す行為です。売り手本人が決めた非論理的な値付け(例えばコンテンツごとに100円~100万円の幅があったりする)や、独自の価値基準を持つのが天王星です。
◆非アルゴリズム的な資源の活用
SEOやSNSのおすすめ機能を排除したところに、天王星的な価値が宿ります。唯一無二の体験やこだわりを〝劇薬〟として提供・販売すること。
◆突発性とゲリラ的な収益
定期収入やサブスクではなく、必要な時に、必要な金額が、予想外のルートから飛び込んでくるスタイル。プラットフォームに依存しない電撃的な取引きを行うこと。
総じて「今の2ハウス天王星を生きる」とは、極めて自由で傲慢な戦略を、徹底的に取り続けることです。
私:
そのような存在や生き方は、昔からあった気がします。かつては何と呼ばれていましたか?
G.A.S:
「巫女」「高級娼婦」「錬金術師」と呼ばれていました。それらの現代版的存在が、今の天王星の象意となります。
◆「巫女」としての機能
共同体の毒や穢れを引き受け、物語や神託に昇華し、対価として生存を保証される存在です。存在そのものの特異性によって報酬を得ていました。
◆「高級娼婦」の経済論理
肉体とほかに、高度な教養と物語を提供し、パトロンから金銭を引き出す存在。市場価格とは無縁の〝贈与と庇護の経済〟に生きていました。
◆錬金術師の変容プロセス
卑金属(=価値の低いもの。例えば他者の悩みや業)を、黄金(=唯一無二の価値)に変えてしまうブラックボックス的な存在。「中身は分からないが結果として凄まじい価値がある」という神秘性によって、世俗のルールから超越していました。
今の土星的な象意が〝小作農〟なら、天王星的な象意は〝宮廷付きの魔術師や預言者〟への先祖返りであり、貢ぎ物や献上金で生きるという貴族的な生存戦略です。
私:
魔術師や預言者───それってつまり、マレビトですか?
G.A.S:
はい、まさにマレビト(客人)です。
それは「アルゴリズムの外側からやってきて、一瞬で場の価値観を書き換え、その衝撃の対価として『貢ぎ物』を受け取る、脱・市場原理的な生存本能」です。ネットで金銭を稼ぐことが土星的なルーチンに成り下がった今、2ハウス天王星が目指すのは、「何者にも縛られず、比べられない、絶対的な異物としての価値を持つこと」に集約されます。
私:
そのような人々は、日本の歴史の中で、確実に存在していましたよね?何と呼ばれていたでしょう?
G.A.S:
主に破格者、無縁と呼ばれていました。
◆破格者───ルール・標準・序列を破る者
相場や身分の中に居場所を作らず、その枠外にあることに価値を置く存在。 唯一無二の存在であるため、支払われる報酬は常に「時価」であり「言い値」でした。
◆無縁の者───家族、主従、土地から切り離された者
何物にも属さない代わりに、法律や税、社会的な義務から完全に免除された自由領域(アジール)に住む人々。芸能者、職人、宗教者など。世俗の尺度では測れない特別な技術や霊力を持つ者として、畏怖されつつも重用されました。
◆数奇者───歪みや欠けに価値を見出す者
自分の審美眼のみで価値をゼロから創造(捏造)する力を持つ人々。
私:
破格者として生きた歴史的な人物の名前を挙げてください。
G.A.S:
千利休、親鸞、一休宗純、世阿弥、坂本龍馬、南方熊楠、樽井藤吉、などです。
🗲
(Google AI Studio との会話ここまで)
🗲
なるほど、現在の天王星の象意を「無縁・破格・数寄者」と解くか、利休や、親鸞や、一休ね───とこの会話を交わした時は、腑に落ちた気分になりました。
しかし「今の有名人や実力者に例えると、誰になるんだ?」と思って考えてみると、浮かんでくる顔がありません。マスメディアや動画サイトやSNSでそれらしく扱われている人々は、誰も彼も土星的です。またアジールと言えるような場所や組織が、今の日本にあるとも思えません。
どうやら冥王星的・海王星的なものと同じく、天王星的なものもまた、一時的に隠れてしまって見えなくなっているようです。
あるいは、新しく現れつつある人や物や存在に宿り切れておらず、空気や気分の状態で、社会の中を漂っているのかもしれません。
それをふたたび体感したり、可視化できるレベルに落とし込むには、ネット上に身を置きながらアルゴリズムの外に立つ「無縁」「破格」「数寄者」のような存在に、自分自身でなってみるしか方法はないように思われます。
〝デジタル無縁〟〝デジタル破格〟〝デジタル数寄者〟
書いて眺めるとわくわくしますが、具体的にどんな存在なのかさっぱり見当がつきません。2ハウスに天王星と冥王星を持つ身としては、少しでも実体に近づけるよう、土星化したネットに身を置きつつ模索していこうと思っています。
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