現代美術から言語への理解を深める
詩担当の草間です。
9月29日から10月5日まで開催されていた展示「Shifting Society~感性で、社会をかき混ぜる~」(企画・Makaira Art&Design)にて、わたしの詩集『ハルシネーション』も展示いただいていました。
会場は、三軒茶屋のギャラリー「CLINIC」。
5名の気鋭のアーティストが参加し、アートを起点に多角的な側面からいまの社会へ切り込みます。
参加アーティスト
青山 悟
岡田 裕子
齋藤 帆奈
團上 祐志
西山 美なコ
渡邊 英弘
主催に関わるマカイラCEOの藤井さんは、とても素敵な詩を書く詩人でもあり、野村喜和夫さんの現代詩の教室を通じて知り合いました。
情報の可視化ばかりが叫ばれるいまの時代に、多様な価値観を持つためにはアートの存在が欠かせないという信念(というか危機感)を持っておられ、わたしもそのポリシーに共感したこともあり、今回のコラボレーションが実現しました。
アートはとかくビジネスとの相性が難しく、利用するされるの関係に陥ってしまったり、利益が絡むばかりに消費者の受け止め方が制作者が意図したものではなくなってしまったりと、成功事例が少ないように感じます。また、時代が変わってもアーティストの経済圏が旧来のままであったりと、解消すべき課題が山積しています。
それらへ対して即効性のあるソリューションを提供するには至らないにしても、「宣言する」という点において、本企画は有効であると考えています。
展示に際し、詩集にはこのようなテキストを寄せました。
物事の可視化を強いられ、立ち現れた形からとりこぼされてしまったものを拾うのがアートであると考えています。
実は、詩もおなじです。なまじテキストであるがあまりに、言語化されたものと思って読むと、その内容のつかみどころのなさに迷われることもあるでしょう。
その多様なつかみどころのなさを、わからないまま受け容れ、書き手とともに自問を繰り返すこと──それが、詩を読むという行為です。
せめぎあう価値の時代に生きるあなたとわたしの感性のレジリエンスを高め、社会を再認識していく試みの一環として、ぜひ詩に触れてみてはいかがでしょうか。
この詩集『ハルシネーション』は、武力抗争、ジェンダー、先端技術と身体性、そして気候変動などに焦点を当てながら書きました。
詩は、光景をそのまま差し出すものではないですが、触れた方々の目に映る光景の角度をすこしだけ変えるものになるという可能性を秘めています。本を閉じたあなたが見つめる世界が、より希望あるものとなっていることを願ってやみません。
2025年9月 草間小鳥子
【書誌情報】
詩集『ハルシネーション』(草間小鳥子・著 七月堂)
2024年10月25日 刊行
第75回H氏賞受賞
初日に行われたオープニングパーティーへもお邪魔し、アーティストのクロストークを拝聴。
なかでも、かねてから関心のあった粘菌のバイオアートを実践していらっしゃる齋藤帆奈さん、そして蜂とともに作品を制作されていらっしゃる團上祐志さんからお話を伺うことができたことは大きな収穫でした。
齋藤さんの作品は、生きている粘菌がライブペインティングをするものもあり、絵がどのように変化しているのか気になって、5日後にもう一度訪れました。


團上さんの作品は、GINZA SIXの個展でも観ることができると伺ったので、そちらも見てきました。
大きい絵が本当によかった……!



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