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娘と手をつないで歩くだけなのに、私はなぜかいつも急いでいた

数あるnoteの中から、この記事を見つけてくださってありがとうございます。理学療法士として10年、今は整体師として活動しながら、夫と7歳の子どもとウサギと暮らしているピノです。

今日は、娘のものを買いに行った時の話です。
なんてない買い物がかけがえのない「今日」だったと気づいたお話です。

頭の中で、勝手に「効率」を組み立てていた

なんてことのない、ただの買い物でした。時間に遅れそうなわけでもない。次の予定があるわけでもない。それなのに、私はなぜか、早く歩いていました・・・。

おもちゃ屋さんに行って、次は100円均一ショップ、それから、ごはん屋さん。

歩きながら、私はいつのまにか頭の中でルートを組み立てていました。
「あそこに行ったら、次はこっち。あの店とこの店は近いから、この順番で回ると効率がいいな」と。

誰に頼まれたわけでも、時間を計られていたわけでもありません。
ただ、私が勝手に、そういうスケジュールを組んでしまっていたんです。

そして気づけば、娘の手を引っ張るようにして歩いていました。
強く引いたわけではないんだけども、「あれ?私、急かしてる?」と、ふと我に返った瞬間がありました。肩にも、いつのまにか力が入っていました。

つないでいたのは、いつもの「あの手」だったのに

以前、「手のひらの力」という記事で、娘と手をつなぐと、なぜか私の方がホッとするという話を書きました。ただ触れているだけなのに、不思議と心が落ち着く。あの温かさに、私は何度も助けられてきました。

あの日も、私はずっと娘の手を握っていました。
同じ、あたたかい手。本来なら、それだけで落ち着けるはずの手です。

なのに私は、頭の中のスケジュールを気にすることに忙しくて、その温かさにまったく気づいていませんでした。つないでいたんだけど、感じていなかった。

それに気づいたとき、なんだかもったいないことをしていたな、と思いました。

娘は、何も言わずについてきていた

歩いている間、娘は特に何も言いませんでした。
「はやい」とも「まって」とも言わず、黙ってついてきてくれていました。

途中、気になるお店やイベントに目を引かれている様子はありました。本当は、そっちに行ってみたかったのかもしれません。それでも、私が決めた目的地に向かって、ただ静かについてきていました。

娘が手を離した瞬間、我に返った

そんな中、娘がふっと手を離して、自分の見たいところへ向かっていってしまいました。

もともと買い物があまり好きではない娘ですが、自分のものを買ってもらう日だけは違います。気になるものを見つけて、目を輝かせながら近づいていく。その楽しそうな様子を見たとき、私はやっと思い出しました。

「あ、そうか。今日は、娘のものを買いに来たんだった」

急いでいた正体は、時間じゃなかった

振り返ってみると、私を急かしていたのは、時間そのものではありませんでした。

「あそこに行ったら、次はこっち」と、自分で勝手に作ったスケジュール。誰かに決められたわけでもないのに、それを守ろうとして、前のめりになっていたんです。

効率よく回ることが、目的ではなかったはずなのに。
いつのまにか、それが一番になっていました。

ペースを緩めたら、見える景色が変わった

娘の楽しそうな顔を見て我に返ったあと、私は効率のことを一旦横に置いて、ペースを緩めてみました。

すると、不思議なもので、それまで素通りしていたお店が目に入るようになりました。「あ、こんなものも売ってるんだ」と、興味もわいてくる。肩の力も、すーっと抜けていきました。

ここで、ちょっと体のお話を。
体が前のめりになって急いでいるとき、重心は無意識に足の指先の方へ寄っていきます。そんなときは、一度思いっきり背伸びをして、かかとをストンと下ろす。それだけで、前に寄っていた重心が、すっと自分の真ん中に戻ってきます。

あの日も、知らず知らずそうやって、自分を取り戻していたのかもしれません。同じ時間、同じお店の中にいたのに、見えているものがまるで違いました。

この時間そのものが、愛おしい

娘と手をつないで、お店をまわる。この時間は、実はそう長く続くものではないのかもしれません。

そう遠くない未来に、娘は「一人で行きたい」と言い、手をつなぐことも、隣を並んで歩くことも、当たり前ではなくなっていくのかなっと思います。

そう思うと、効率よく回ろうとしていたあの時間は、実はとても愛おしいものだったんだと気づかされました。何を買ったかより、誰と、どんな時間を過ごしたか。本当は、そちらの方がずっと大切なはず。

なんでもない買い物の時間。なんでもないお店の中の空間。
それすらも、かけがえのない「今日」だったりします。

そんなに急がなくていい

なんてことのない日も、私たちはついつい、急いでしまいがちです。

決められた時間があるわけでもないのに、勝手に効率を組み立てて、勝手に前のめりになって。
娘の手を引っ張っていたことに気づいたとき、私は少し、はっとしました。

でも、それに気づけて、よかった。それで、オッケー。

そんなに急がなくていい。ゆっくりでいい。

これは、あの日の私自身に伝えたい言葉でもあり、今日も何かに追われるように過ごしているあなたに、そっと届けたい言葉でもあります。

つないだ手の温かさに、ちゃんと気づけるくらいの速さで。
愛すべき日常を、ぎゅっと抱きしめられるくらいの速さで。
今日は少しだけ、歩いてみませんか。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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【保有資格・経歴】
理学療法士(臨床10年)
3学会合同呼吸療法認定士
ボバース成人アドバンスコース修了
ボバース小児ベーシックコース修了
整体師


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