安藤百福さんのマーケティング視点
チキンラーメン
カップヌードル
いずれも日本の食の歴史に
新たな一ページを刻んだ
「金字塔」的な商品です。
これらを発明したのは、
日清食品の創業者である
安藤百福さんであることは
多くの人が知るところ。
その安藤百福さんの側近として
20年以上行動を共にしてきた
安藤百福発明記念館横浜の
前館長・筒井之隆さんが、
『致知』2026年1月号に記事を
寄せていました。
百福さんの人生は、NHKの
朝のテレビドラマのモデル*
として取り上げられたので、
ご存じの方も多いでしょう。
*2018年10月~2019年3月まで
放送された『まんぷく』
記事を読んで非常に興味深く
感じたポイントをいくつか
ご紹介します。
まず、彼が様々な新しい発明を
成し遂げた源泉について、
当時のご自身の振り返りとして
紹介されている言葉が、非常に
滋味深いものでした。
何か人の役に立つことはないか。
何か世の中を明るくする仕事はないか。
そう思って周辺を見渡すと、事業のヒントはいくらでも見つかった。
消費者、生活者が抱える
「不」「無」「未」「非」を
解消することができれば、
人の役に立ちますよね。
そして、こうしたネガティブな
要素を解消することができれば、
世の中を明るく変えられます。
百福さんは、世の中を常にそんな
視点で眺めまわしていたのですね。
このような視点と、
それに基づく行動というのは、
正にマーケティングそのもの。
日清食品は、食品業界のみならず、
あらゆる業界を通じて、日本に
おける有数のマーケティング巧者
であることは間違いありません。
そのDNAは、創業者に遡るのだと
言うことがひしひしと感じられる
エピソードではないでしょうか。
チキンラーメンの発売当初の発言
にも、マーケティングの本質を
突く言葉が含まれていました。
発売して間もない頃は、鳴かず
飛ばずだったチキンラーメンも、
地道に商品の価値を伝えて回る
ことで徐々に売れるようになって
いきます。
このチキンラーメンを大量生産し、
大量流通、大量宣伝、大量販売する
という、当時としてはとても新しい
仕組みを導入した百福さん、こんな
言葉を残していました。
私はラーメンを売っているのではない。
お客様に時間を提供しているのだ。
当時、うどんや他の乾麺に比べて
割高だったチキンラーメンの価値が
「お湯をかけて3分で食べられる」
という簡便性にこそあると喝破。
通常ラーメンを作ろうと思ったら
準備に30分はかかっていたところ、
たった3分程に短縮したことを誇りとし、
だからこそ値段を下げることなく
価値訴求を続けて、最終的には
消費者から大きな支持をいただける
ようになったのです。
自分の事業の本質的な価値を
鋭く読み取った百福さんの
「マーケティング」視点に、
改めて稀代の起業家の凄みを
感じました。
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