note1万フォロワーのライターが教える、最後まで読まれるエッセイのコツ
せっかく書いたエッセイ、なんだか読者に届いていない気がする──そんな経験はありませんか?
自分の体験や想いを文章にするとき、「締め方がわからない」「自分よがりになっていないか不安」といった壁にぶつかりがちです。
読者に響くエッセイには「自分らしさ」と「読みやすさ」のバランスが欠かせません。自分らしい表現を大切にしながらも、多くの人に読んでもらえる文章を書くには、どんな工夫ができるでしょうか。
2025年8月18日、個人の情報発信をサポートする「パーソナル編集者®︎」のユーザーコミュニティでは、作家・ライターのゆぴさんと、パーソナル編集者のおばたわたるさんによる「第6回noteコンサル会」を開催しました。
読者を引き付ける導入の書き方やストーリーを生む構成など、今日からすぐに試したくなるアイデアがたくさん出た今回のコンサル会。
その様子の一部をレポートでお届けします!
登壇者プロフィール

いしかわゆき(ゆぴ)
Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆する。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信を続ける。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は4.5万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』『ADHD会社員、フリーランスになる。』など。パーソナル編集者。
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おばたわたる
1998年生まれ、滋賀県出身、京都在住。大学卒業後、地域おこし協力隊や広告代理店などを経験し、フリーランスのライターとして独立。情報発信を中心に、企業や人の魅力を“ありのまま”に伝えるサポートを行う仕事をしている。主な業務は、広報戦略の策定/取材記事の作成/経営者の発信プロデュースなど。パーソナル編集者。
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「はじめまして」の読者にも伝わるエッセイを書くヒント
頭の中にある考えや想いを、他者に伝わる文章にするには?
まずは、エッセイストのまるやまさんのこちらのnoteから。
「自己分析や内省が好きで、自分の頭の中にあることをエッセイにして起こしているのですが、他者に伝わるかたちで書くのがむずかしい」とコメントをいただきました。とくに締めの書き方に苦労していて、3回も書き直したそう。

ゆぴ:エッセイの締め方、たしかに悩みますよね。今回、「あなたも自己分析してみませんか」という読者への語りかけで締めて、「自己分析を啓発するnote」のようになっていますね。でも、個人的にはちょっともったいない気がしていて…。書き直す前はどんな着地でしたか?
まるやま:「ずっと、自分は“お絵描き”が好きだと思っていたけど、よく掘り下げてみるとじつは違っていておもしろかった」という着地をしていました。
ゆぴ:であれば、もう一歩踏み込んで「掘り下げてみて、“どうおもしろかったのか”」までを書けると、まるやまさんの感じたことが読者に伝わりそうですね!

おばた:「書いてみてどう感じたか」で終わらせるのも、エッセイの締め方の一つですよね。
ゆぴ:そうそう、書き手自身の話で終わっても、エッセイ調なら意外と読者が勝手に想像力を働かせてくれるんです。自分事化してくれるというか。
もし味気ないと思うなら、過去を振り返ってみた結果「今はどうなっているか」を追加で書いてみるといいんじゃないかな。たとえば、「“美術館ごっこ=世界観を創ること”が好き」を裏付けるnoteを貼ってみたり、「今はこんな仕事に関わっています」と書いてみたり。
ほかの人のエッセイがどんなふうに終わっているか研究してみると、締め方のバリエーションが広がると思います!
おばた:人のエッセイを読むのは参考になりますよね。僕も受講者さんによく「タイトル、導入、締め方だけでも、いろんなエッセイを読んでみてください」と伝えています。
ゆぴ:このnoteの導入で言うと、「昔、絵を描くのがなによりも好きでした。……と、思っていました。」という一文のあと、「自己分析」の話を挟まずに、すぐに子どもの頃のエピソードへと飛んだほうが読みやすいかもしれません。

ゆぴ:というのも、冒頭を読んだ時点では、読者は「これから昔の話が始まるんだな」と想像しているからです。あえて期待を裏切る、想像しづらい話を書く手法もありますが、読みやすさの観点で考えると“ストーリーがつながっていること”は大切だと思います。
また、子どもの頃の話を振り返ろうと思ったきっかけを早めに提示できると、読者も納得感をもって読み進めていきやすいなと。
あともう一つ気になったのは、「美術館ごっこ」の詳細です。読者にとって馴染みがない言葉だからこそ、「どんなテーマで開催したか」「絵は何枚貼っていたか」など、具体的にどんなふうに遊んでいたのか例を出してあげると読者の解像度が上がって、より伝わるエッセイになりそうです!
💡noteのポイント
・読まれているエッセイの「タイトル、導入、締め方」に注目してみると、エッセイ表現のバリエーションが広がる
・写真がなくても具体例を豊富に書くと、読者に伝わりやすくなる
“自分らしさ”を出しながら、“読まれやすい”も叶えるテクニック
次は、鳥取県生まれ、アフリカ在住のファッションデザイナー・タキアユミさんのnoteです。気合いを入れて書いたnoteなので、もっと多くの方に読んでほしいとのこと。
アユミさんの担当編集者のみかんぬさんからは「アユミさんが大切にしている“タイトルや文章で、説明しすぎないこと”を尊重したい。でも一方で書かないと伝わらないのも事実で、どこまで書くべきか、一読目線での客観的なアドバイスがほしいです」とコメントをいただきました。
ゆぴ:目標が「noteを書き切る」ならこのままで十分ですが、「より多くの方に届ける」なら、タイトルや導入で読者を離れさせない工夫がほしいですね。
たとえば、本文に登場する“イケハラ先生”がどんな人なのかをキーワードで表してみるなど、「これからどんな話が始まるのだろう」と読者を期待させる要素を早めに出せると、アユミさんのファン以外の方にも届きそう。

おばた:あと、アユミさんが現在アフリカにいることが序盤で伝わらないのはもったいないと感じました。“鳥取とアフリカのギャップ”は強いフックになりそうです!
ゆぴ:そうですね。とくに「鳥取で過ごした子ども時代=閉そく感や都会へのあこがれ」と「現在のアフリカ暮らし=自由や自分らしさ」の対比は、ストーリー全体を一気に立ち上げる要素になり、エッセイの輪郭をはっきりさせてくれるはず。

ゆぴ:最初に書いている「(鳥取時代は)何もないことに嫌気がさして、とにかく都会に出たくて仕方なかった自分」をもっと感情的に書くと迫力が出そう。
あと、その直後に「鳥取は宝物のような場所」と語っているので、鳥取に対しての気持ちがどのように変化したのか、その間のエピソードをもっと読んでみたいと感じました。

おばた:ご自身の伸びている記事と今回の記事を比較してみるのも、「読んでもらう」視点でのヒントになるかもしれませんね。
💡noteのポイント
・読者を期待させる要素を早めに出して、まず読み進めてもらう
・過去と現在のギャップや感情の変化を大きく見せて、読者を最後まで引き込む
伝えたいことは、読者が読みたくなる“ストーリー”で届けよう
おばた:ゆぴさんが最近書いたこのnote、個人的に衝撃を受けたのですが、こだわったポイントはありますか?
ゆぴ:15分ぐらいで書き切ったnoteですが、目を引くタイトルと読後感にはこだわりました!あと、ちょっとネガティブなテーマなので、「絶望した」という“感情”はストレートに書きつつも、具体的な“事象”はネガティブに書かないように気を付けています。

おばた:noteを15分で書き切るためのマイルールはありますか?
ゆぴ:意識しているわけではありませんが、何となく「自分の型」は決まっていると思います。
<ゆぴさんのnoteの型の一例>
①一言目で本音を漏らす
②現状の話をさらっと出す
③その背景(昔話)を伝える
④再び現状に戻り、ディティールを深める

ゆぴ:このnoteで言えば、①「今から贅沢なことを言う」→②「最近、ミステリー小説~」→③「以前、香港のディズニーランド~」→④「そんな『刺激物』のようなものを求めて~」という流れです。
冒頭で引きつけ、自己紹介を軽く挟み、昔話とのギャップで広げて、最後まで読んでもらう作戦ですね。読者がスムーズに読めるようなストーリーを組み立てています。
おばた:なるほど!そのうえで、一番意識している部分はどこですか?
ゆぴ:やはり冒頭と締めくくりの1文です!むしろ「締めのメッセージを書きたいからnoteを書く」と言ってもいいくらいで、伝えたいことをいかに歯切れよく届けられるかを大事にしています。
加えて、タイトルやアイキャッチ選び、公開時間もとても重要。「このタイトルとアイキャッチで本当に開いてもらえる?」「この時間に読んでくれる人はいる?」と、今すぐ公開ボタンを押したい衝動を抑えて、編集者視点でチェックするようにしています。
💡noteのポイント
・感情は何を書いてもOK。具体的な事象はネガティブに見えないように気を付ける
・公開前に「編集者視点」を働かせて、タイトル・アイキャッチ・公開時間にこだわる
リアルタイムで自分のnoteを読んでもらうチャンス!次回は9月22日に開催します
エッセイを書いたことがある人なら一度は抱いたことがある悩みと、今すぐ使える実践的なアドバイスがたくさん登場した今回のコンサル会。
海外から現地時間の朝5時に参加してくれたゆぴさんの執筆への情熱と、おばたさんの的確なフィードバックをリアルタイムで聞けた貴重な時間となりました。自分のnoteになんとなく自信が持てないという方こそ、参加してみると思いがけない気づきが得られるかもしれません!
次回のコンサル会は、2025年9月22日(月)12:00~13:00に開催します。お楽しみに!
※「パーソナル編集者®」ユーザー限定のイベントです
