少しだけ 願うこととは 違えれど 打診を受けて すべては善きに┃特別養子縁組┃1本の着信②
確かに今思えば、あの時の児相の方の最初のひと言は、性別希望の確認だけで、私達のもとに依頼するなんて何ひとこと言ってないのに、私の返事の仕方で、もう我が家に迎える前提での会話になっていた。
児相の方は「男の子でもいいんですね?男の子ですが本当にいいんですね?」と、しつこいくらい何度も念押しで聞いてきて、男の子では嫌だとでも言われる方がいるのかと思いながら、その聞き返しが忘れられなかった。
電話でのやりとりの中で話を進めながら、近いうちに児相に来られませんか?と言われ、明日の午後に話を聞きに行くこととなった。元々、長距離移動で疲れるだろうから、次の日もゆっくり体を休められるようにと、お互いもう1日休みは取っていた。
本当は面接が1、2時間くらいだろうと思い、新幹線と特急で帰り、夜遅くに帰宅する予定だったが、思ったより面接に時間がかかったのと、その後の電話と電車の乗り継ぎ、そしてコインロッカーに荷物を取りに行っては着替えたりと、あっという間に時間が過ぎていた。
何もなければ夜行バスで翌朝京都に着いては、鈍行でゆっくり揺られて帰ろうと言い、それも初めてのことで楽しみにはしていたが、連絡を受け少しでも早く帰れるよう、京都から特急で帰ることになる。
話がトントン拍子に進み、明日行くことが決まってソワソワしている私。「 なんだか話がこんなふうに来るなんて、本当に思ってもいなかったね!」と言うと、「 まだ決まってはいないんだからね…何組か他にも伝えているかも知れないから糠喜びしたらあかんで…」と主人から何度も釘を差されていた。
それなのに、空が薄暗くなる中で車窓から見えていた、ライトアップされた西松屋のうさぎの看板を思い出し、「 色々ベビー用品とか揃えないとだよねー!」と言っては1人浮かれつつ、子どもが来るか来ないか分からないうちから揃えていたベビー用品が、ようやく日の目を見ることになったかと1人喜んでいた。
面接の後の1本の電話の話です。
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それにしても、本当にこんな形で報われるとは思ってもいなかった。主人は迎えるまでは、そして監護期間が終わって確実に特別養子縁組が法の上で成立するまでは、まだ本当に分からないとのことを言っていた。
確かに落ち着いて考えればそうだった。産みの親が急に心を変えて、やっぱり自分で育てますと言うこともあるだろうし、マッチングが合うか、監護期間は無事に終わるかなど、色々な細かいハードルがあるため、親子関係が成立する最後の最後まで糠喜びはできない。
けれど表情を変えない主人の心も、本当は色々とドキドキしていたのだろうと、今になって思うのだ。まだ確実ではないからね、と何度も言われながらも、やはり私の頭の中はベビー用品。
『決定の時が来たら準備の時は過ぎ去っている』
その言葉がふと浮かび、今のうちに準備できることはしておこうと、何が必要か色々と考えていたが、数時間前のこの世の終わりくらいに思えた面接での悲しみが、少しずつ拭い去られるような、そんな不思議な感じで時間は過ぎていった。
私たちは、民間のクリニックでのご縁をずっと待ちわび願っていたが、まさか児童相談所を介して、0歳の子どもを迎えることができるなんて、全くもって思っていなかった。
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次は【 児童相談所からの打診① 】
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