前に進めないとき、心の中で起きていること
先週の記事で、
「自己肯定感が高いからといって折れないわけではない」
という話を書きました。
自己肯定感が高い人は折れないのか?──戻るために本当に必要な力|まっちゃん🎈|主体性の専門家×心の一級建築士:パスファインダーアカデミー主宰
今回は、僕自身の経験でさらに深めていきたいと思います。
一級建築士試験、3回目の不合格の結果を受けた時。
努力はしていました。資格学校からは「合格圏内」と言われていました。
それでも落ちました。
悔しさはありました。
ただ、それ以上に強く残っていたのは――
「また受けるの?」と思われる怖さでした。
3回も落ちたのに、まだ挑戦するのか。
その視線を想像するだけで、足が止まりそうでした。
そんな思いを持ちながらも、表ではこう言っていました。
「まあ仕方ない。次どうするかだよね。」
でも内側では、別の声がしていました。
「もういいだろ。」
「向いてないんじゃないか。」
「田舎で一級建築士って本当に必要か?」
さらに、こんな思いもありました。
「この図面で合格する試験なら、そんな資格に価値はない。」
それは強がりではありませんでした。
自分の図面が、まだ納得できる水準に達していないと感じていた。
資格学校からは「合格圏」と言われていました。
でも、僕自身は疑っていました。
「本当にこれでいいのか?」
受かりたい気持ちはあった。
でもそれ以上に、
【納得できる自分で受かりたい】と思っていた。
あの時の僕は、「もっと自分を信じよう」とは思えませんでした。
いわゆる【自己肯定感を高める】という方向では、どうしても前に進めなかったのです。
自分の未熟さのほうが、はっきり見えていたから。
あの時、僕の中には少なくとも三人いました。
やめたい自分。
周囲の目を気にする自分。
完璧を求めて自分を責める自分。
そして現実的な問題もありました。
資格学校に通うお金がなかった。
やめる理由は十分にありました。
ここで、はっきりと見えたことがあります。
人は失敗で止まるのではありません。
周囲の評価。
自分の理想。
現実の結果。
この三つがズレたとき、心の中で「分裂」が起きる。
前向きであろうとする自分と、もう十分だと言う自分。
その綱引きが、エネルギーを奪う。
動けなくなるのは、弱いからではありません。
心の中で声がぶつかっているからです。
もし今、あなたが止まっているなら、
それは能力の問題ではないかもしれません。
まずは、その声に気づくこと。
分裂している自分を否定しないこと。
どこがズレているのかを、静かに見ること。
分裂は弱さではありません。
理想を持っている証拠です。
ただ――
理想を持っているだけでは、人は進めません。
「自分を信じること」だけでも足りません。
分裂したまま、どう扱うか。
そこにこそ、本当に必要な力があります。
そしてそれは、
自己肯定感を高めることとは、少し違います。
あなたの心の扱い方を知ること。
そこからしか、前には進めないのです。
