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【#3】10年付き合って結婚した彼女が11年目に別人になった話


前回の話はこちら↑↑↑


第3話 ヒモ男


そしてミナは、
少し黙ったあとに言った。

「私が養うから」

僕は意味がわからなかった。

するとミナは続けた。

「好きなだけ、
好きなことすればいいじゃん」

たぶん、
普通は逆なんだと思う。

男が言う側で、
女が支えられる側。

でもその時のミナは、
驚くほど男前だった。

情けない話だけど、
その瞬間、
僕はまたミナに惚れ直してしまった。

結局、
僕たちは別れなかった。

大学最後の1年。

僕は単位も取り終わっていて、
ほとんど授業はなかった。

だから、
バンド活動をしながら、
時間ができれば埼玉のミナに会いに行く。

そんな生活をしていた。

将来なんて、
まだ何も見えていなかった。

でも、
不思議と不安は少なかった。

たぶん、

「この人がいるなら大丈夫」

と、
どこかで思っていたんだと思う。

ただ――

今思えば。

その頃から少しずつ、
ミナばかりに
“支えさせていた”
のかもしれない。


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