なぜ「女性管理職」に挑戦できなかったのか #2
【前回記事の振り返り】
時間を持て余した育休中の私。なんとか有意義な時間にしよう!と思い、ありきたりではあるが「今までのキャリア」を振り返り、「これからのキャリア」について考えることに。なぜ私は管理職に挑戦しようとしなかったのか。前回の投稿では、1つめの言い訳「まずは自信をつけてから」について思いを綴った。
言い訳②「ライフイベントが定まらない」
会社に毎年提出するキャリアシートに「今後5年・10年のキャリア展望」を記入する欄がある。
でも、女性にとって5年・10年のキャリアプラン書けってむずくない?いつ結婚するか、子供が生まれるかもまだ分からないのに。
いつかは結婚したいし、子供もほしい。仮に管理職になって、1年もしないうちに産休に…なんてことになったら。周りに迷惑かけちゃうし、なんていったって嫌われたくない。
そんなことを思い続けて、キャリアシートには「まずは今の仕事に一生懸命取り組んで、経験を積みたい」と書き続けた。
結局、結婚したのは32歳、子供が生まれたのは34歳のとき。
夫はやさしくて真面目で素晴らしい人だし、子供も本当にかわいい。相手を妥協してでも早く結婚すればよかった!なんて後悔は全くないけど、、、
10年以上子供いないんだったら、もうちょっと早く管理職挑戦しても良かったんじゃない?と思ってしまう。たられば言っても仕方ないけどさ。
ライフイベントはいつ定まる?
「結婚して、子供が生まれたら、産休・育休の時期の目途も立つし、キャリアについても見通しを立てやすくなるに違いない」という思い込みがあった。
でも、実際に子どもが生まれてみると、そんなことはない。
「もし病気がちな子だったら仕事なんて言ってられなくなるんじゃない?」
「ってか待機児童多いじゃん。まさかの保育園入れないパターンある?」
「え、小学校に上がったら、ひとりで留守番できるもんなの?」
「なんて言ってるうちに親の介護がくるのでは…」
不安は次々に浮かんでくる。
将来、いつ何が起きるかなんて分からない。ライフイベントというものはある程度の想定はできても、定まる瞬間なんて一生訪れないのだ。
言い訳③「目指すべきロールモデルがいない」
入社3年目の頃、女性社員だけを集めたキャリア研修があった。
第一部は外部講師の講話、第二部は育休から復帰した先輩ワーママのパネルディスカッション。
外部講師で呼ばれたのは、いわゆる均等法世代のバイタリティ溢れる女性だった。離婚してシングルマザー、子供の世話は全て親に任せ、家事・育児は一切しない。毎日多忙すぎて倒れそうだけど「私は!し・あ・わ・せ・です!!」。そんな強めの語り口に、圧倒されてしまった。
会社から提示されたのは「仕事と家庭を両立」ではなく、「家庭は頼れる誰か任せて、100%仕事に振り切って頑張ってくれ!」というメッセージ。正直、「目指したいのはこうじゃないんだよなぁ」と思ってしまった。
パネルディスカッションでは、育休から復帰した先輩社員、妊娠中に上司からひどいことを言われたらしく、「私はあの上司に言われたことを一生忘れません」と言葉を詰まらせ、泣き出す始末。
まさに地獄の空気だった。
そんな経験があって「ロールモデルとなる女性がいない」「楽しそうに働いている女性管理職はいない」という考えが脳内にこびりついてしまったのだと思う。
ロールモデルは今、まさに生まれ続けている
「ロールモデルがいないこと」に関する心の中のモヤモヤを晴らしてくれた1冊がある。ジャーナリストの浜田敬子さんの著書『働く女子と罪悪感』だ。
浜田敬子さんは、いわゆる均等法世代の女性。どんな風に働いてきたのか、自身の経験や想いについて赤裸々に語った内容は、とても読み応えがあった。
そして次のように綴っている。
そして、今は管理職に就くことを躊躇している女性たちにも、是非伝えたい。仕事の面白さを味わうには、管理職に一度はチャレンジした方がいいよ、と。人は誰でも同じ仕事だけをしていけば、いつかは飽きる。誰にだって成長したいという思いはある。一段でも階段を上ると、見える風景も入ってくる情報も、人間関係も変わる。そうなった時、仕事はよりダイナミックに進められるし、達成感も大きくなると思う。
今まで女性管理職に仕えたこともあったが、「大変だよ」「コスパが悪いよ」とあまり前向きなことを話してくれた上司はいなかった。謙遜だったのかもしれないが。
管理職の仕事を「面白い」と胸を張って語ることができる女性。かっこいいな、と思った。こんな女性いたんだ。知らなかった。
冷静に考えてみると、あの地獄の女性キャリア研修から10年近く経った。コロナ禍を経てリモートワークも浸透し、働き方の柔軟性も高まった。時代は変わってきている。社内外にしっかり目を向ければ、家庭とうまく両立しながら生き生きと働いている女性は、今この瞬間にも増え続けている。
目指すべきロールモデルはいないんじゃなくて、自分が探そうとしてこなかっただけなのかもしれない。
私が管理職に挑戦しなかった3つの理由は、結局のところ「臆病な私が挑戦を避けるための言い訳」だった。
今のわたしには「もし管理職に挑戦すべきか悩んでいる後輩がいたら、私を反面教師にして、ぜひ管理職に挑戦してみるべきだよ!」ということしか言えない。我ながらどうしようもなくダサい。ダサすぎる!
でも、こんなダサい自分だけど、いつか浜田敬子さんのように「管理職の仕事は面白いよ」と、自分の言葉で語ってみたい。
だから、もし次に管理職のチャンスが訪れたら、今度はちゃんと掴みに行こうと思う。
前向きに生きるかっこいい女性でありたいし、息子にとってかっこいい母でありたいから。
