猫は執着しない|猫から学ぶ「手放す」という生き方
私は、保護猫活動や猫との暮らしの中で、猫たちからたくさんの気付きをもらってきました。そして今もなお、日々いろいろなことを教えられています。
その中でも、とくに考えさせられるテーマのひとつが、「手放す」ということです。
「手放す」という言葉を聞くと、
執着をなくすこと
何も求めないこと
諦めること
流れに任せること
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
けれど私は、猫を見ていると、「本当の手放す」とは少し違うように感じることがあります。
猫は“結果”に執着しない
猫は、とても自由に見える生き物です。
気が向けば甘えてきますし、嫌なら静かに離れていく。欲しい時にはしっかり要求しますが、執着していつまでも引きずることはあまりありません。
たとえば、ごはんを要求して鳴いていても、もらえないとわかれば、ある程度で切り替えて眠り始めることがあります。
遊びたい時には全力で誘ってきますが、相手にされなければ、自分で別の楽しみを見つけることもあります。
つまり猫は、「行動」はちゃんとするのです。
でも、その結果に強くしがみつかない。
私は、これが「手放す」の本来の意味に近いのではないかと思っています。
手放すとは「何もしないこと」ではない
手放すというのは、「何もしないこと」ではありません。
願うことをやめることでもありません。
ただ待ち続けることでも、現実から逃げることでもない。
やるべきこと、感じたこと、伝えたいことは、ちゃんと行動する。
でもそのあとに、
「思い通りの結果にならなければならない」
という執着を握り続けない。
それが、本当の意味での“手放す”なのかもしれません。
人は未来を握りしめすぎてしまう
人はどうしても、
こうなってほしい
認められたい
失いたくない
こんなに努力したのだから結果が実ってほしい
思い通りになってほしい
という気持ちを抱えやすい生き物です。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
けれど、その気持ちが強くなりすぎると、不安や苦しさに変わっていきます。
猫を見ていると、「今この瞬間」を生きている感覚を強く感じます。
無理に未来を握りしめない。過去を引きずり続けない。
必要なら動く。疲れたら休む。離れたい時は離れる。
そしてまた、自然に戻ってくる。
そんな姿を見ていると、「執着しない」というのは、“冷たいこと”ではなく、“流れを信頼している状態”なのかもしれないと思うのです。
私が里親探しで学んだこと
私は、この「手放す」という感覚を、里親探しの時によく自分へ言い聞かせています。
譲渡会へ参加する。
SNSで発信する。
声をかける。
できる行動は、ちゃんとする。
でも、すぐに里親さんが見つからなかったからといって、「うちの猫は人気がない」と落ち込まない。
誰からも連絡が来なかったとしても、「この子には縁がないんだ」と決めつけない。
きっと、その時が来たら、最善のタイミングでご縁はやってくる。
だからまた、次の譲渡会へ行く。発信を続ける。
ただ、それだけです。
そして私は、ときどき猫自身も、その流れを理解しているように感じることがあります。
最後に
猫は何も語りません。
けれど、ときどき、こちらの心の中を静かに見透かしているように感じることがあります。
「もっと軽やかに生きてもいい」
「力を入れすぎなくていい」
「結果を握りしめすぎなくていい」
そんなことを教えてくれているように思うのです。
だから私は、猫から学ぶ「手放す」とは、
“諦めること”ではなく、
行動はする。
でも結果に縛られすぎない。
自分の流れを止めない。
そういう在り方なのだと思っています。
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