見出し画像

猫は宇宙から来た?猫が教えてくれるもうひとつの世界の見方

保護猫活動をしながら、私はバンコクで10年以上、会社員として働いています。

昼間の私は、時間に追われ、組織の中で役割を担い、ルールに従い、他人と比較され、売上や利益を追い、成果と評価を求めて競い合う——そんな生活を送っています。
いわゆる、物質中心の「三次元的」な世界です。

その一日を終えて帰宅し、猫たちの静かで気ままな姿を見ると、ふと思うのです。

ここは、別世界なのではないか、と。

自由で、気まぐれで、媚びない。
群れより個を大切にし、言葉よりも気配に反応する。

そんな猫の在り方は、昼間の「三次元的な世界」とはあまりにも異なり、私はまるで異次元に迷い込んだような感覚になります。


猫という“無為自然”の在り方

私は以前、「猫は宇宙から来た生き物」という言葉を聞いたことがあります。

その真意は定かではありません。
けれど、この表現は猫の在り方をよく捉えているように思えます。

猫は、命令では動かず、支配もしない。
上下関係よりも、場の空気や波長に従う。

理屈よりも感覚。言葉よりも沈黙。

それは、世界をコントロールする対象としてではなく、
自分もまたひとつの流れの中にあるものとして生きているような姿です。

これは東洋思想でいう「無為自然」に近い在り方です。

無理に何かを起こそうとしない。
しかし、必要なことは自然に起きていく。

猫は、それを思想ではなく“在り方”として体現しているように見えます。


「役割を持たない存在」という在り方

人は、外側の基準によって自分の価値を確かめようとします。

何かの役に立つこと。
誰かに認められること。
結果を出すこと。

つまり、「あるがまま」ではなく、「こうでなければならない」という前提のもとで生きがちです。

群れで生きる犬は、人に寄り添い、認められることに喜びを感じるなど、どこか人間社会に近い性質を持っているように見えます。

けれど猫は違います。

ただ眠り、ただ眺め、気が向けば寄り添う。

彼らには特別な役割はありません。
それでも、ただ存在しているだけで満ちている。

猫は、それをそのまま生きているのです。


猫が好む“宇宙人っぽい人”の正体とは

ここでいう「宇宙人っぽい」とは、変わっている人という意味ではありません。

既存の常識よりも、感覚や本質を大切にしている人。
周囲に合わせるよりも、自分なりのリズムで生きている人。
競争より調和を好み、支配より共鳴で関わろうとする人。

そういう人のもとに、なぜか猫は集まりやすいように感じます。

猫は、肩書きや表面的な優しさには反応しません。

むしろ、匂い、気配、沈黙といった、言葉にならない“在り方”を見ているように思えます。

つまり「宇宙人っぽい」とは、
この社会のルールだけに縛られず、外側をコントロールしようとする力を手放している人とも言えるのかもしれません。


猫は“在り方”に反応している

保護活動をしていて感じるのは、猫は思っている以上に人を見ているということです。

捕まえようとすると逃げる子が、こちらの意地や執着を手放し、「この子の意思に任せよう」と思えた瞬間、ふっと近づいてくることがあります。

里親探しも同じです。
「譲渡に出したい」と強く思っているときほどご縁は遠のき、
「もう、この子はこのままでもいい」と心から受け入れたときに、ふと声がかかることがあります。

理屈では説明しきれない出来事ですが、こちらの状態の変化を、猫は確かに感じ取っているように思えるのです。

猫は、言葉ではなく“在り方”に反応している。

そう考えると、「猫は宇宙から来た」という表現も、ひとつの比喩として、すっと腑に落ちてきます。


猫が思い出させてくれる感覚

猫と暮らしていると、人間社会の中で忘れがちな感覚を、ふと思い出すことがあります。

急がなくていいこと。
支配しなくていいこと。
ただ在ることに価値があること。
そして、「今この瞬間にいること」。

未来への不安でも、過去への後悔でもなく、ただ今。

猫は、それをあたりまえのように生きています。

窓辺の光を眺める。
風の匂いを感じる。
静けさに身をゆだねる。

それだけで、満ち足りている。

それは、競争を前提とした人間社会とは異なる在り方です。

人が修行の中でたどり着こうとする境地を、猫はごく自然に生きているようにも見えます。

猫は、その存在そのものによって、
三次元の世界で生きる私たちに、何か大切な感覚を思い出させているのかもしれません。


まとめ

猫は本当に宇宙から来たのかもしれませんし、そうではないのかもしれません。

ただ確かなのは、猫が人間とは少し異なる“在り方”を持っているということです。
そしてそれは、人間がどこかで手放してしまった感覚なのかもしれません。

もしあなたのまわりに猫が集まるなら——

常識より感覚を信じ、
目に見えないものを感じ取り、
支配ではなく共鳴で生きようとしている。

そんな少し“宇宙人っぽい”在り方を、すでに持っているのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!

バンコクで保護猫と暮らす丨Yoko いただいたお気持ちは、保護猫たちの医療費や生活費など、猫たちのために大切に活用させていただきます。