わたしが代書屋をはじめたのは(読書記録2026#13)
27歳からライターをはじめて、35歳でNGOに転職しました。あ、わたしのことです。ありがたいことに小さな仕事がちょびちょびあって、地味に書くことを続けています。転職したころに小川糸さんの『ツバキ文具店』に多大なる影響を受けて、代書屋と名乗らせていただいております次第です。
書くことで毎月サラリーをもらっていたころは、会社員としては当たり前ですが、その会社の売り上げに貢献できるようなことを書かなければなりません。わたしが得意な悪ノリのおちょくりを発揮すると、「はい、書き直し」と上司に朱を入れられます。というのは至極当然なこと。書くのを仕事にするのはやめようと思って、2年ほどふらふらしていたとき(実際はIT企業で働いていた、けど、長い人生で考えると、あれはふらふらだった)、大きな会社で働いている友人が部署異動をしたいという悩みをわたしに打ち明けてきました。行きたい部署にするっといけるほど大企業は甘くない。どうやら、その部署で働きたい動機と、「自分がそこに異動したらこんなに活躍出来ちゃんだからっ」というような作文をしないといけないとのこと。それらの書類を出してみて、結果を待つのだとか。
作文、ってことで、わたしに依頼が来たのです。ほほぅ、その類いは、わたし得意かもしれない、いや絶対得意だ。ということで代書をしてみたのですが、友人は、するっと希望の部署に異動しやがりました。おめでとう! くくく。(まったくもって作文のおかげだけではないのだけども)わたしの代書がうまく行ったのだという達成感のようなものが湧きまして、とこのとき、思いついたのです。代書をコソコソやっていこうと。
小川糸さんの『ツバキ文具店』の素敵なところは、代書屋なんだけど、文具店だってこと。この副業感がなぜか響きます。そしてわたしは、NGOの職員になったけど、代書屋を裏稼業としているのです。9年前に、カンボジアのプノンペンに住まいを移しましたので、”プノンペンの片隅でいとなむ代書屋”と名乗っています。こっちでは、そんなに代書依頼がないのですが、最近、おかっぱ書房として「子ども作文教室」をはじめました。書くことって、ノってきちゃったらペンを持つ(いまはもっぱらキーボードだけど)手が追いつかないくらい楽しいことだから、子どもたちに、嫌いになってほしくないな、と思ったのです。そして、AIに任せるのもいいけど、AIにお願いするのだって、文章次第とも思っています。なお、わたしもかなりAIを使いますが、丁寧な文章によってお願いしているから? AIとはたいへん仲良しです、あしからず。
読書記録のつもりで書いていたのに、関係ないことばかり。
『ツバキ文具店』シリーズの『椿ノ恋文』を先月読みました。主人公鳩子の祖母、先代のラブレターが出てくることで展開される物語。先代の恋のお相手は伊豆大島在住だったということで、大島を訪れる場面があります。去年の4月、わたしも幼馴染たちと4人で大島を旅したので、場面が鮮明に見えて、それもまた楽しかったんです。それで、ツバキ文具店の由来の椿って大島の椿なのかぁ、という伏線を回収したような不思議な満足感。このシリーズが大好きなので、また原点に戻って『ツバキ文具店』を読みたくなりました。
さて、おかっぱ書房の代書屋、未だラブレターの代書をやったことがなく、いつかやりたいと思っているので、ご依頼、お待ちしております。こんな時代だからこその、あえてのお手紙、いいですよね〜。
