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続・「金利上昇」の号砲が鳴る - かろうじてつなぎ止めた "利下げ期待"

 「金利上昇」の号砲が鳴る - "周回遅れ" の日本はまたも "先頭ランナー" に?|損切丸 の続編

 "Risk Management Rate Cut" (保険的利下げ)

 パウエル議長にとってこれが任期中最後の利下げになるだろう。 "Risk Management Rate Cut" はとりあえずこれで終了。あとは次期総裁にバトンを繋ぐだけで肩の荷(≓政治圧力)が下りたかもしれない

 今回FRBが腐心したのが世界的な長期金利上昇。米国債市場もECBに倣って「次は利上げ」に走ろうとしたのを「来年もう1回利下げ」を匂わせて金利上昇を止めにいった印象。これで何とか "首の皮一枚" 繋がった

 短期市場流動性逼迫対応の毎月400億ドルのTB(短期米国債)購入と合わせ中期ゾーン(2~5年)の金利低下を好感。NYダウを中心に米株は反発

 ただ反対票が3票もあった事が示すように利下げが長期金利低下を促すとは限らない。インフレを無視したとマーケットが捉えればむしろ金利上昇を招く。だからこその「来年もう1回利下げ」という妥協案だったのだろう

  "首の皮一枚"「円安」もそう。かろうじてつなぎ止めた "利下げ期待" で一気に@160円という展開は何とか防げているが「マイナス実質金利」を続けている以上「円安」も長期金利の上昇も止まらない。今の所 "半年に1度" +0.25%利上げを想定しているようだがマーケットは待ってくれない

 この程度の利上げではインフレを許容していると解釈されスティープニング=長期>短期金利の傾斜化は止まらない。事実先々金利は5-10年(5年後の5年金利)は@2.47%、10-30年に到っては@4.11%と高止まりしたまま

 これは市場からの「利上げ要求」に他ならず「円安」も同じ理屈で動く。現状のターミナルレート(利上げの到達点)は@1.75%まで上がっており一般の日本人が描いている金利と乖離し始めている。それだけこの国のインフレが強まっている証拠「円安」はインフレの一部に過ぎず、世界同様 "肝" は人件費の上昇。食品やエネルギーの上昇 ≓ "コストプッシュ" だけでは説明がつかない。卑近な例で言えばガソリン価格はWTIが@60ドル割れしているのにレギュラーが@150円を割らないのは何故か。考えてみればわかる

 もっとも日銀が "政府の壁" を一旦突破すれば "半年に1度" に拘る必要もなくなる。FXや株式市場、そしてメインにはJGBを見ながら金融政策を調整していく。総裁も述べているが「中立金利」までは金融引締には当たらない

 もう一つの焦点は政府による国家債務の利払い。 "Tariff Man" があんなに利下げに拘るのはこの1点であり、米国債の平均利率が@4%なら利払いだけで▼200兆円超え、@3%なら▼170兆円ほど。だから@1%とか@2%とか騒いでいる訳でマーケットのことなど全く考慮していない。だがFRB的観点から言うと政策金利を@1~2%なんかに下げたらそれこそインフレが暴走長期金利は@5~6%に向かう、つまり国家財政はパンクする。あと3年でいなくなる大統領の言うことなど聞いてはいられまい

 それに比べるとJGBの平均金利が財務省も想定している@1.5%になっても利払いはせいぜい▼20兆円。アメリカとは規模が違う。これまで超長期債も低金利で発行出来ているし、仮に日銀の利上げ前倒しで長期金利を抑制できるならそちらを取るはず。そういう説明はT市首相には為されているだろうし、それで@130円台の円高に戻るなら申し分ない

 ここからの中央銀行の命題は「どうやって長期金利の上昇を抑えるか」

 ECBの「次は利上げ」FRBの「来年もう1回利下げ」日銀の「利上げではなく金融調整」も全てそこに根ざしており、隠れた "肝" は膨れ上がった国家債務の管理だ。金利だけでは調整しきれないので「インフレ税」も同時に走っているのが現状

 「円安」の最大の問題点は「国富」の減少だ。預貯金が1,000兆円以上あるのだから▼40%の減価で▼400兆円以上の「富」が失われたことになる。この点とインフレをゴッチャにすると訳がわからなくなるが、どちらも「お金」の陳腐化という意味ではダブルで衝撃が来る。それほど今の「借金」は返すには膨大過ぎる

 だから「金利上昇」の号砲が鳴るのであり、ある意味必然。FXや株と違ってジワジワ来るので気がつきにくいが "気がついたらいつの間にか" というパターンがほどんど。だから事前の準備が必要なのであり 「固定金利」か「変動金利」か。ー 「銀行」の立場から考えて見る。|損切丸 なんて note. をずっと書いてきた。「金利」は時に「為替」より怖ろしい|損切丸

 だからこそ金融政策には "Forward Looking" (先見性)が求められる。だがこれは我々生活民も一緒。既に終わった事ばかりのメディアの言説や解説を基に行動すれば "Backward Looking" になり上手くいかない。残念ながら日銀の行動はかなり遅れており、そのツケを我々が「円安」という形で負わされている。これ以上の負担を避けるためにも「将来指向」≓ "Forward Looking" に見方を変える努力が必要になる

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