【短編小説】テキサスのおっちゃんと孫がキャップを交換する話
テキサスのおっちゃん、
リアルにしすぎちゃった。
🧢🧢🧢
本当に、じいちゃんのキャップがかっこよくて欲しかったんだ。
その時の僕は、本当にガキだった。
多分8歳くらい。
じいちゃんちには、冬休みと夏休みに行く。
毎日農場でトラクターに乗ってるじいちゃん。
そのときは夏休みで、ついてきていいぞっていうからトラクターのキャビンに乗せてもらった。
タイヤがめちゃくちゃデカくて、乗り込むのにはしごで登ったんだ。
中は全然土っぽくなくて、エアコンが効いていて、じいちゃんが好きな昔の曲がガンガンに流れていた。
それで家畜の餌になる牧草を刈り取ってるじいちゃんが、たまらなくかっこよかった。
その時じいちゃんがかぶっていたのがジョン・ディアの褪せた緑の帽子。正面に鹿が飛び跳ねいているマークが黄色い糸で刺繍されていた。
僕もじいちゃんみたいになりたくて、どうしても欲しくて、じいちゃんにお願いしたんだ。
「お前のかぶってるやつと交換ならいいぞ」って言ってくれた。
その時僕が被ってたのは、地元の野球チームのやつ。子供用のサイズもあったんだけど、大人用のやつとはデザインが違くてかっこ悪かった。
だから僕は大人用を買ってもらって、無理やり調節して被ってた。
すごい気に入っていたけど、その時の僕にはじいちゃんのキャップのほうが断然クールだった。
じいちゃんからもらったジョンディアの帽子は、汗臭くはなかったけれどたくさん洗ったみたいで、使い古して年季を感じるキャップだった。
今もあのキャップは、僕の部屋の見えるところに飾っている。
ジョン・ディアっていうのはトラクターのメーカーらしい。
僕は都会に住んでいたから、トラクターのメーカーなんてさっぱり知らなかった。
それ以来、僕は冬と夏にじいちゃんちにいってキャップを交換してもらっている。
最初の頃は使い古したやつをくれてたんだけど、いつの頃からかすごい綺麗なやつをくれるようになった。
じいちゃんは僕がトラクターのメーカーのキャップが好きなんだと思っているみたいだ。
じいちゃんなりに、僕を思ってくれてるだろうから、どうしても本当のことが言えてない。
それに、もう直ぐ進路を決めなきゃいけない。
僕はでかいトラクターを難なく乗りこなすじいちゃんみたいになりたいんだ。
だから僕は、農学部がある大学に行くつもりだ。
次会った時に言おう。
僕はじいちゃんがいつもかぶってる帽子が欲しいって。
🧢🧢🧢
お読みくださってありがとうございます。
私の服について書いたエッセイに出てきた
テキサスのおっちゃんの、孫視点の小話です。
気がついたら書き上がってたので
勿体無いので掲載しておきます。
それにしてもナンダコレ😅
私とテキサスのおっちゃんのクローゼットが
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