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日本国が与える栄誉【文化勲章・文化功労者とは】書家の受賞者は?

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左:書道家タケウチ 右上:書道家板谷栄司with鯖大寺鯖次朗 右下:ジャズギタリストタナカ


文化勲章、文化功労者、紫綬褒章・・・などたまに耳にするなんだかすごそうな賞。

今回は、文化勲章、文化功労者とは一体どんなものなのか、またそれらの賞を書道家で受賞された人について、取り上げてみたいと思います。

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文化勲章


1937年より。
文化勲章」は、科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績を挙げた者、“文化の発達に関し勲績卓絶な者”に授与されます。

前年までの文化功労者のうちから選考(おおむね5名程度)されます。(文化功労者選考分科会⇒文部科学大臣が推薦⇒内閣府賞勲局で審査⇒閣議で決定)
金品等の副賞は伴わない。(つまり栄誉のみ)

これが文化勲章そのもの

毎年文化の日(11月3日)に授与(天皇から直接授与(親授))され、日本最高位の文化栄典

親授式(宮内庁

勲章への特権付与の禁止とされていた文化勲章でしたが、1951年よりに文化功労者年金法が制定、一律に終身年金(存命者のみ、現在は年額350万円)が支給されています。
※文化勲章は文化功労者から選ばれるため、全員文化功労者でもある。

  • これまでの受賞者は通算400名を超える

  • 受賞者は基本的に日本人だが、日本に貢献した外国人にも与えられている(これまでに数名、全てアメリカ人)

  • 女性の受賞は数%

  • 学術部門、芸術部門、貢献部門、特例の部門がある

  • 大江健三郎(小説家)、熊谷守一(画家)ら数名は受賞を辞退

▼これまでの有名な文化勲章受章者(受賞年)
・横山大観(1937年)日本画
・西田幾多郎(1940年)哲学
・湯川秀樹(1942年)原子物理学,ノーベル賞受賞者
・岩波茂雄(1946年)出版
・六代目尾上菊五郎(1949年)歌舞伎(没後追贈)
・鈴木大拙(1949年)仏教学
・斎藤茂吉(1951年)短歌
・金田一京助(1954年)言語学
・高浜虚子(1954年)俳句
・川端康成(1961年)小説(ノーベル賞も受賞)
・小林秀雄(1967年)文芸評論
・ニール・アームストロング、マイケル・コリンズ、エドウィン・オルドリン(1969年)宇宙飛行士(アポロ11号月面着陸)
・棟方志功(1970年)版画
・小倉遊亀(1980年)日本画
・黒沢明(1985年)映画
西川寧(1985年)書(書の初受賞)
・森繁久弥(1991年)大衆芸能
・森英恵(1996年)服飾デザイン
・十五代千宗室(1997年)茶道
・緒方貞子(2003年)政治学・国際活動・国際貢献
・日野原重明(2005年)内科学・看護教育・医療振興
・瀬戸内寂聴(2006年)小説
・小沢征爾(2008年)指揮
・安藤忠雄(2010年)建築
・三宅一生(2010年)服飾デザイン
・高階秀爾(2012年)美術評論・文化振興
・竹本住太夫(2014年)人形浄瑠璃(人間国宝)
・草間彌生(2016年)前衛美術、絵画
・橋田壽賀子(2020年)脚本
・七代目尾上菊五郎(2021年)歌舞伎
・長嶋茂雄(2021年)(スポーツ)
・ちばてつや(2024年)漫画
・王貞治(2025年)スポーツ
・十五代目片岡仁左衛門(2025年)歌舞伎
・コシノジュンコ(2025年)服飾デザイン

Wikipediaより

書における文化勲章受章者

絵画や陶芸や詩などは早くから受賞者が出ていましたが、書の分野で初めて文化勲章を受章したのは、1985年の西川寧

日展の記事などでも書きましたが、書道が文化や美術の世界では長らく不遇でした。(日展開始は1907年、書道部門ができたのは1948年)

西川寧を皮切りに数年に一度のペースで、書道から文化勲章の授章者(計8名)が出ています。

▼これまで文化勲章を受章した書家/受賞年
西川寧 シニカワヤスシ(1902-1987年)1985年
(西川春洞の三男、謙慎書道会の創始者)
金子鷗亭 カネコオウテイ(1906-2001年)1990年
(近代詩文書の父、比田井天来書学院、創玄書道会創始者)
青山杉雨 アオヤマサンウ(1912-1993年)1992年
(大東文化教授、西川寧に師事、謙慎書道会)
村上三島 ムラカミサントウ(1912-2005年)1998年
(「現代書道の巨匠」)
杉岡華邨 スギオカカソン(1913-2012年)2000年
(かな書道の第一人者、日比野五鳳に師事、臨池会創始者)
小林斗盦 コバヤシトアン(1916-2007年)2004年
(篆刻分野の第一人者、比田井天来・西川寧に師事、謙慎書道会)
高木聖鶴 タカギセイカク(1923-2017年)2013年
(かな書道の第一人者、内田鶴雲に師事、高木聖雨の父)
井茂圭洞 イシゲケイドウ(1936年-)2023年
(かな書道の第一人者、一東書道会会長)


文化功労者


1951年より。
文化功労者」は、文化勲章に次ぐ栄誉
基本的には、文化功労者として顕彰を受けたものの中から、「文化勲章」が選出されます。

毎年15名程度、最近は増えて20名ほどが各界から選ばれる。通算1000名程度の文化功労者が生まれています。

書における文化功労者

文化功労者は1951年より始まりましたが、書から初めて出た受賞者は、1967年の豊道春海(瑞雲書道会創立者、日展の書道部門設立に尽力)から。
2025年現在通算25名の書家が文化功労者となっています。

▼これまで文化功労者となった書家/選出年
・豊道春海 ブンドウシュンカイ(1878-1970年)1967年
・鈴木翠軒 スズキスイケン(1889-1976年)1968年
・西川寧 シニカワヤスシ(1902-1987年)1977年 文化勲章
・安東聖空 アンドウセイクウ(1893-1983年)1980年
・手島右卿 テシマユウケイ(1901-1987年)1982年
・日比野五鳳 ヒビノゴホウ(1901-1985年)1983年
・金子鷗亭 カネコオウテイ(1906-2001年)1987年 文化勲章
・青山杉雨 アオヤマサンウ(1912-1993年)1988年 文化勲章
・村上三島 ムラカミサントウ(1912-2005年)1993年 文化勲章
・杉岡華邨 スギオカカソン(1913-2012年)1995年 文化勲章
・上條信山 カミジョウシンザン(1907-1997年)1996年
・小林斗盦 コバヤシトアン(1916-2007年)1998年 文化勲章
・成瀬映山 ナルセエイザン(1920-2007年)2001年
・大平三濤 オオヒラサントウ(1916-2007年)2002年
・高木聖鶴 タカギセイカク(1923-2017年)2006年 文化勲章
・古谷蒼韻 フルタニソウイン(1924-2018年)2010年
・日比野光鳳 ヒビノコウホウ(1928-2023年)2011年
・尾崎邑鵬 オザキユウホウ(1924-2024年)2016年
・小山やす子 コヤマヤスコ(1924-2023年)2016年
・井茂圭洞 イシゲケイドウ(1936年-)2018年 文化勲章
・黒田賢一 クロダケンイチ(1947年-)2023年
・高木聖雨 タカギセイウ(1949年-)2024年

(こう見てみると書家ってすごい長生き・・)

上記の書家の多くは、公募展(主に日展、読売書法展等)にて受賞を重ね、書作品の制作のみならず、展覧会の審査委員、大学教授、書道界の理事長などを兼任して務められています。

こういった活動全般において、後進の育成、書道界の振興に寄与していると評価され文化勲章受章・文化功労者選出に至っています。


その他の日本の栄誉


文化勲章、文化功労者以外にも、学術・芸術・スポーツなどを讃える栄誉賞は様々あります。

紫綬褒章、日本芸術院賞、恩賜賞など。
もちろん、書道の世界からも多くの受賞者が出ていますが、長くなってしまったので、また別建てで取り扱いたいと思います。




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