ヨーサナンJr、ジャッキーがKO勝ちでタイのスーパーフェザー級最強を証明~2026年6月6日のThe Fighter Evolution
TL&GALAXY ボクシングプロモーションは、6月6日にバンコクのワールドサイアムスタジアム にて定期興行のTHE FIGHTER EVOLUTIONを行った。メインイベントでは、ABFスーパーフェザー級シルバー王者でもあるアーノン・ユーパンとジャッキー・リトルヨーサナンとの間で、ABFコンチネンタルスーパーフェザー級王座決定戦が行われ、ジャッキーが7ラウンドKOで同王座を獲得した。
ジャッキーは、リングネームの通り、元WBA世界スーパーフェザー級王者のヨーサナン・3Kバッテリー (シットヨートン)の息子である。話題先行型でもあったが、タイのスーパーフェザー級のトップであったアーノンを下して、実力を証明した。今回は、アーノン対ジャッキーの一戦及び、この日のTHE FIGHTER のアンダーカードについて紹介したい。


アーノン・ユーパン
アーノン・ユーバンは、THE FIGHTER を主戦場とする28歳、これまでの戦績は、20勝(7KO)5敗。デビューから5連勝を記録しながら、その後の地域タイトル戦では3連敗、2023年4月には日本で奈良井翼と対戦して判定負けしているが、2024年9月に、ABFスーパーフェザー級シルバー王座を獲得してからは4度の防衛に成功し、6連勝と好調である。普段はバンコクのボクシング専用ジム、THE BOXにてトレーナーを勤めている。
以下は今回の試合に向けての、煽りVTRでのアーノンのコメントである。
ジャッキーはこれまで強い選手と対戦していない。私はフィリピンや日本でも戦ってきた。負けても這い上がってきて今がある。そして、今も試合するごとに成長している。100%の準備をして試合に備える。

ジャッキー・リトルヨーサナン
ジャッキーは2019年デビューの24歳、これまで12勝(11KO)1敗の戦績を残している。以前はタンテレコンプロモーションにてジャッキー・タンテレコンという名前で活動していた。
タンテレコンの活動ペースが落ち、そのうち休止となった影響か、年1試合、2試合ペースでなかなかリングに上がれなかった。昨年5月には、THE FIGHTERのリングでトルコのエッジ・アラン・コヌックに判定負けで初黒星を喫したが、今年1月の再起戦にKO勝ち。3月の試合もKO勝利で、今回のアーノン戦に繋げた。父のヨーサナンをトレーナーとし、普段はパタヤのISS ボクシング&ムエタイジム、Mavinn ムエタイジム で練習を積んでいる。
ちなみにジャッキーの父、ヨーサナン・3Kバッテリーは、WBA世界スーパーフェザー級王者として、2004年に来日し、杉田竜平に7回KO勝ちし、王座防衛に成功している。2011年には、総合格闘技に転向してONEチャンピオンシップに出場、ONEで4勝(4KO)1敗の戦績を残した。

以下は今回の試合に向けての、煽りVTRでのジャッキーのコメントである。
子どもの頃からサッカーよりも、ボクシングが好きだった。父はこの仕事は怪我もするし、疲れるし簡単でないと散々説明していたが、それでもボクシングに惹かれた。ボクシングファンからは、「ヨーサナンの息子」と散々言われるが、戦うのは父でなく、オレです。アーノンがフィリピン、日本で戦ってきたと言ってるが、まだオレとは戦っていない。彼が100%準備してくるなら、オレは120%仕上げる。リングの上で会おう。

アーノン対ジャッキー、ABFコンチネンタル王座決定戦
この日の会場は、12時30分より第1試合がスタート、14時からのテレビ中継枠は第4試合からで、メインの第5試合がアーノン対ジャッキーになる。500人以上が埋まった会場では、バンコクのTHE BOXのアーノンのサポーターと、パタヤから駆け付けたジャッキーのサポーターの姿が目立つ。どちらのジムも欧米人が多いのか、アーノン、ジャッキー選手入場時からも血の気の多い応援コールが目立つ。試合の内容に関係なく、間違いなく会場は盛り上がりそうだ。

スーパーフェザー級(58.9キロ)タイトルマッチ、10回戦で行われたこの試合、初回、オーソドックスのアーノンとサウスポーのジャッキーがリングで対峙する。ジャッキーが前に出てワンツー、いきなりの左、また右フックと積極的に手を出していく。ジャッキーは上半身が発達し、いかにもパワーがありそう。アーノンはよく見て、ジャッキーの攻撃を外す。フェイントを使いながら、出入りのあるボクシングでジャッキーのボディなどにパンチをしっかり当てていく。そして2分過ぎ、飛び込んでの左フックがアーノンの顎を捉える。腰を落とすアーノンにジャッキーは猛攻も、アーノンはここをしのぎ切る。終盤には逆にアーノンの右フックが数発、ジャッキーの顔面にきれいにヒットした。
2回も序盤にジャッキーの左が当たり、アーノンがピンチに。ジャッキーは大振りになって、なかなか仕留めきれない。1分過ぎには、ジャッキーの右フックでアーノンがロープから飛び出しそうになる。レフェリーによってはダウンをとるだろう。ここからアーノンは頭をつけて、打ち合いに挑む。アーノンのパンチのほうが的中率は高いが、パワーは感じられない。アーノンのボディへのパンチ、顔面へのショートフックも良い。
3回はアーノン。小さいパンチをコツコツ当てる。ジャッキーは攻撃が単調になってきたか。4回、5回も同じような展開、追いかけるジャッキーと下がりながらコツコツ当てるアーノン。ジャッキーはスタミナが落ちない。そして6回、ラウンド終了間際にジャッキーの左がアーノンの顎を捉え、バランスを崩し、そのまま腰から落ちるダウン。ジャッキーがこの試合初めてのダウンを奪った。
7回、再び頭を付けての打ち合いに活路を見出そうとするアーノン、最後まで手数は減らないが被弾が増えてきた。2分過ぎ、打ち合いの中で、力尽きるようにリングにうずくまったアーノン、レフェリーが試合をストップした。これで13勝(12KO)1敗となったジャッキー、スーパーフェザー級タイ最強を証明した。
以下はジャッキーの勝者インタビューから。
今回は練習はかなり長く取り組みました。今日は120%の力が出せた思いますが、自分はもっともっと成長します。(次の対戦相手について聞かれ)どのあたりまで自分が成長しているのか、陣営の判断で対戦相手を決めてほしいと思います。ステップバイステップで。









↑ ↑ 試合映像、1:53 あたりからアーノン対ジャッキー
ABF(アジアボクシング連盟)王座とは
この試合に掛けられたABF王座についてであるが、そもそもABF(アジアボクシング連盟)とは、タイで古くから活動する、プロモーターのナリス・シンワンチャー氏が主宰する団体で、その王座は、主にタイのボクシング興行で活用されている。近年、タイ国内王座は無実化してしまっており、その代わりとして、WBCアジアタイトルと共に、ABF王座をよく見かける。ABFコンチネンタル王座、シルバー王座まであるのは驚きだが、適当に名付けているとしか思えない


アンダーカードから~TIGER MARCH は、人気バンドPOTATOのギターの息子さん
アーノン対ジャッキー戦のアンダーカードでは、15歳の新星、タイガーマーチ(TIGER MARCH)がKO勝利。スーパーライト級(63.5キロ)6回戦で行われた試合は、ラウンド開始からタイガーが対戦相手のシッティチャイ(5勝6敗)に猛攻を仕掛ける。ロープ際まで追い詰め、強烈な右フックを顔面にヒット、さらに左フックをボディに叩き込むとシッティチャイは立ち上がれなかった。タイガーマーチは、Boxrecではデビュー戦となっているが、14歳でデビュー後、すでに3戦ほどこなしている。彼の父親は、タイの有名ロックバンドPOTATOのギタリストの息子だという。




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※ワールドサイアムスタジアムで現地観戦、写真は著者撮影のものとT&L Galaxy Boxing Promotion のFacebook、One Championship websiteより。
Photo taken by Odasai , from T&L Galaxy Boxing Promotion のFacebook、and One Championship website.
